俺の妹がこんなに優しいわけがない-2-
今俺の後ろにゆきがいる。
正直俺はどんな顔をすればいいのかさっぱりだ、でも俺は頑張って普段通りの顔を見せる。
「奇遇だな、その袋、コンビニに行ってたの?」
ゴムでも買いに行ったのか…
「うん!弟がおでん食べたいって言ったから、優しいお姉ちゃんが買いに行きました!」
ゆきはビニール袋の中身を僕に見せた。
中に入っているのはアイスとおでんだけだった。いや、同じ袋に入れんな、100パー溶けるやろ。
「そうなんだ…ん…弟?」
ゆきに弟がいたんだね…ん?まさかあの自称彼氏野郎がゆきの弟のことか!?
ないな、普通の弟は自分が彼氏とか言わない。
「そうだよ、言ってなかったっけ?今度一緒にカラオケ行こうよ!」
「それいいね。来週の日曜とかはどう?」
「あたしはいいけど、一応弟に聞いてみるね。」
ていうか彼女のゆきと一度もカラオケに行ったことないから地味に嬉しい…
「もうこんな時間、あたし帰るね。あっ、明日最新話一緒に読もう、ネタバレしないでね。おやすみなさい」
「分かったよ、おやすみ。」
ゆきはビニール袋からなにかを取り出した。
「これ、あげる。また明日!」
「ありがとう、またあしtって、もういないし。」
彼女はアイスらしきものを俺に渡して姿を消した。
相変わらず走るの早いな、流石陸上部。
「なにこれ…」
なんか見覚えのあるパッケージ、バターアイス?
うまそうって言いたいところだがまじで太りそう…
これ深夜で食べていいの?
これカロリーやばそうだからやめよう。
でもこのままだと溶けるし…どうしよう
そうだ!。
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「ごめん兄貴、待った?」
デートで遅刻した彼氏かな?
「別に、そういえばこれっ」
俺はさっきゆきから貰ったアイスを帰ってきた妹に渡した。
妹は嬉しそうな顔でアイスを口にした。
「これめっちゃうまい!わざわざ買ってくれてありがとう、お兄ちゃん!」
語尾のくそ兄貴忘れてるぞ、うちの妹よ。
思ってたより何倍も喜んでくれた…罪悪感半端ないんだけど…
妹よ、たとえ外見や姿が変わろうともこの絆は変わらないよ。
だからブタになってもいいぞ。
ほら、マイクロブタってかわいいじゃん、俺は全然好きじゃないけど。
「兄貴元気に、なったね、まあ私は一ミリも、心配して、ないけど」
妹はアイスを咥えながらそう言った。
「アイス食いながら喋るな」
「兄貴うせぇ!」
「はいはい、帰ろう。」
密かに期待してたちゅぱ音はいなかった。
アイスといえばちゅぱ音、本当にわかってないな、我が妹よ。
なに考えてんの俺…
今日は色々あったな、もう疲れた…
早く帰って寝よう。
そして俺たちはどうでもいい話をしながら家に戻った。
やっぱり家族っていうのはいいものだ。
バターアイス食べたい~