兄貴のことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!
私は兄貴のことが大嫌いです、違う。
私は今の兄貴のことが大っ嫌い。
でも一番嫌いな人はやっぱりあの人、兄貴の彼女。
兄貴を変えた彼女を許せない。
兄貴を変えていいのは私だけだから。
兄貴はずっと昔のままでいいのに...
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失恋があるからこそ、人生って素晴らしくなるのよ。
ただし五年後の話だけど。
- フィリス・バッテル -
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やっと全クリした!最近のソシャゲのゲームシナリオ長すぎやろ...
次はなににしようかな?もう失恋したし、時間たっぷり!
ん、なんかだるいな…寝るか。
寝る前にツイッターで失恋報告しよう!
[彼女の浮気現場を目撃しました、死にたい。
俺はなにをすればいいの?誰か教えてよ...
#失恋#浮気]
考えるのやめた!他の人のアドバイスを聞こう!
...ってなにやってんだよ俺...やっぱツイート削除しよう...
「まじ!?本当に!!!?やったぁぁ!!!」
隣の部屋から妹の叫び声がした。
もう深夜だぞ、テンションおかしいって。
お兄ちゃんお前の未来が心配だよ...言い過ぎか。
こういう時は無視したほうがいい、俺の兄としての勘がそう言っている、寝よう。
そしてドアのノック音が聞こえる。
「ねぇ、兄貴起きてる?」
いつもノックしない妹が急にドアをノック始めたことに違和感を感じた俺は返事をしなかった。
人と話したくない、部屋に引きこもりたい、ニートになりたい...
「起きてるだろ、くそ兄貴、くそチンパンジー!」
チンパンジーは流石に言い過ぎじゃないのかな?ていうかなんか怒ってない?
「起きてるよ!我が親愛なる妹よ。どうしたの?プリンでも食べたいの?俺の分あげるよ、冷蔵庫にあるから自分で取って。」
「えっ、あげるの?ありがとうお兄ちゃん!」
むっちゃ喜んでいる!?ちょろいな、120円ぐらいのプリンでそこまで喜ぶか?
お兄ちゃんとして割とガチで心配しているよ...
「じゃなくて!起きてるなら一緒にコンビニ行かない?いや、行け。」
「俺の意見聞いてないよね、それ命令だよね...でも俺は行かないよ。」
こっちは悲しんでるんだぞ、お兄ちゃんにも気を遣ってよ。
「我が名は漆黒の堕天使、神を狩るもの。風の泣き声が聞こえる...」
ん!!?ちょっ、やめてもろて!!!?
「急にコンビニ行きたくなった!行きましょう、今すぐ!」
取り乱した俺は急いで部屋のドアを開いて妹にそう伝えた。
「よろしい。」
頷いてる妹の姿を見て俺は後悔した。
なんで当時アレを妹に見せたんだろう、そしてどうして妹はそれを覚えてるんだろう。
お兄ちゃんの心はもうボロボロだよ。
まあ、気分転換にもなるし、着替えようか。
考えても無駄か、今はなにも考えなくていい。
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「ねぇ、コンビニに付き合って、ゆっきー!」
「もう10時だよ、明日学校じゃないの?子供は寝なさい。」
あたしはスマホの時計を見てそう答えた。
「お姉ちゃん、お願い!おでん食べたいの!お願い!!」
「あたしが買ってあげるからお風呂に入りなさい。」
あたしって押しに弱いんだよね...
かわいい弟のために行ってくるか。
【チンパンジー ゴリラ 違い】