叶わぬ恋心-1-
第一章-アフロvs俺vsダーク〇イ-
深く愛することのできる者のみが、また大きな苦痛をも味わうことができるのだ。
-レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ-
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「オタクくんさぁ…学校に来んなよ、オメェの席ないから」
「ひっ、はい!家に帰ってアニメ観ます!」
大丈夫、俺の唯一の長所はメンタルの強さだから。
大丈夫、大丈夫、きっと大丈夫だから…
「は?…またアニメかよ…このキモオタ」
俺嫌われてるんだろうな…まあいいか…
別にこいつらに興味ないし…
「君たちなにしてるの?」
そこに彼女がいた。
「アニメの話?あたしも好きだよ」
彼女もオタクなのかな…
「鬼滅〇刃とか呪術〇戦とか」
…自分のことをオタクって自称してるけど本当はオタクをバカにしてる陽キャみたいな人だった。
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「たっだいま~」
「うわっ、兄貴その顔きもい、割と本気できっしょい」
家に帰った瞬間即罵倒を披露してくれる最高の妹がいた。
「我が妹よ、きもいと書いてかっこいいと読むんだろう、分かるよ」
何せ俺は彼女からバレンタインチョコ貰ったからな!ラーメンとつけ麵を超えたイケメンに間違いない。
「きもいと書いてきもいと読む」
今時ツンデレヒロインは売れないぞ…
そう、ツンデレヒロインと暴力系ヒロインはもう絶滅危惧種になってしまったのだ。
負けヒロインになるぞ。
「兄貴、その袋なに?アイス?それともプリン?ありがとう」
妹に彼女バレしたくないな…
うちの妹は美少女とはいえ彼ピッピいないからな、独身の負け組の自尊心に傷を付けたくないだ。
「これは人に見せられないものだから見るんじゃないよ」
中身がエロ本みたいな雰囲気を出せば流石にこれ以上詮索しないだろう。
「兄貴怪しい…それ見せてよ」
詮索する氣満々だった!?
もしこれが本当にエロ本だったら性癖暴露するところだったかもしれない…
年下好きがバレたら社会的に死ぬ…
ロリコンに人権はない!
「見せてくれるなら何でもしますから」
!!!!?
なんでも…いい響きだ。
IQ53万の脳内CPUが炸裂!ひらめいたぞ!!!
「いっ、いまなんでもって…」
考えるんだ俺、おっぱいかパンツどっちにする…why not both?
「えっ…チョコ…ハート…ああそういう感じか…私部屋に戻る…」
気が付いたら妹はもうすでに袋の中身を覗いていた。
…待って、約束は?なんでもって約束は!!?念願のO-payは???
「待てよ!」
俺は妹の手を掴んだ、俺は諦めないぞ。俺は進み続ける、たとえこの身が消えても!
「…なによ!」
彼女は普段より大きい声でそう言った。
俺は謝ろうと思った瞬間彼女が泣いてることに気付いてしまった。
彼女の顔が、昔の自分の面影と重なった。
無印のミルクケーキ好き