第八話
UPしました!
「あはは〜、ナゼコンナニモ シゴトガアルノダロウ」
目の前には尋常でない程の仕事の山がある。一日で終わるのか心配になるほどの量が目の前にあるよ。途方に暮れるしかないな。しかし、楽しみもあるし頑張ろう。
今日は、城下にて読み聞かせをする日だ。
小者仲間はこの事を知ってなのかイタズラを仕掛けてきた。あはは、おかしいよそれもかなり悪質だよ。小者仲間が一人あたりがやるべき仕事の二割を押し付けて来た。
「これぐらいできるでしょう!(ぽいっ」
「今日、腕が痛いんだよ!(ニヤ」
それもきつい仕事ばかり押し付けたのだ。
俺は憤慨に思っていたが気になったのであたりを見渡すと、もうすでに小者仲間は殆ど終えており、ラストに近い状態である。
「おーい!あんたらアホか!!新人である俺がこんなことせなあかんねん!教えてくれたってええやろう!!」
と愚痴をこぼしてしまったが、時間内に終わらせるためにサッサと仕上げよう。というのも、前回読み聞かせをした際に懇意にしてもらっている商人と時間の約束をしたのである。守らねば信用問題以前に領主様の面目を潰してしまうことになりかねない問題であるからだ。
いつの時代も小賢しい真似をする者がいるものであると思った。
こんなんしてるの領主様に知られたら、あんたらの方が苦しい立場に立たされるのな。何故しよるんやろうか。
ピンときたわ。
最終的に追い払おうという魂胆だな。
そして領主様に!と思ったが、身分が厳しいこの時代、新人が陳情しても聞き流されるのがオチであることは明白だ。不平に思いつつも他の小者がしている仕事より丁寧かつ親切に行い、差をつけよう。
ふー、無事終わった。
「よーし!行こう!もうギリギリや!」
急ぎ足で出掛けに行こう。間に合うかは分からん。
〜〜〜〜〜〜
その裏
「生意気なやつじゃ!」
「懲らしめることできるだろうか…!」
「藤吉郎だけ褒めてもらうんなんて羨ましい!」
と、言い合っていた。
〜〜〜〜〜〜
「ハックシュン!」
大きなくしゃみをしてしまった。恥ずかしい。
「誰だ?俺の噂をしているのは!恐らくは、いつも悪口を言っている奴らだな!懲りへん奴だ!まったく!」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ!勘ですが、誰かが俺の噂をしているのでしょう。」
と、商人に答えてみたが、内心は怒っている。流石にも呆れも出てきたな。落ち着こう。出された水を飲みながら、心を穏やかに待とう。
とするうちに読み聞かせをする時間になった。今日の演目は、
三国志の赤壁の戦い
だ。
実は、俺はこれにとても愛着を持っている。何故なら某番組の空耳アワーを思い出してしまうからだ。正直、演じながらも思わず笑ってしまう。
俺のお笑い感覚が通用するかな?
通用するでしょ!
「…カクカク、シカジカで……、誰々は思ったのです!これは好機だと!!そして、言ったのです!『しょーべーん!!しょーべーん!!』と。『しょうべん』は明の国の言葉で、日の本の言葉に直すと撤退を意味します。今日の豆知識はこれです!さて、撤退した軍でしたが、見事奇跡の勝利を収める事ができました!……」
案の定、めっちゃうけたね。
民衆は、
「明の国では撤退を『しょーべーん』って言うんだ!!こりゃ面白い!」
「今度戦があるとき、使ってみようかな?」
「とても下品な言葉だけど、思わず使ってみたくなるわ!」
などと大盛況のようだ。
この時代の人に下ネタは受けるんやろうかと心配であったが、何とかなったな。
いつの時代でも下ネタは万能だと良い感触を得たな。でも、場所は弁えるといった注意点も加えておこう。
「今日も盛り上がりましたな〜」
ニコニコ顔で商人はそう言った。
「いえいえ!貴様がこの場を設けてくれたおかげです!本当にありがとうございます!」
「そんな大層なことはしておりません。今日のお駄賃です。お納めください!」
と、今日この時間に売り上げた額の一割を渡してきた。俺的には五分くらいまででいいと思っているのであるが、そうはいかないようだ。いわゆる、真也に対する先行投資という面が多くあり、本音を言うと…
そんな大層な人間でないのに期待する?と疑問に感じていた。同時に、懐は温まるからとウキウキ気分だ。内心は畏怖しまくりだ。
考えてたって意味は無い。いつものように城下の者とふれあいながら、楽しく過ごそう。
最近、暑くなったり寒くなったりを繰り返しています。皆様、お身体をご自愛ください!
いつも見ていただきありがとうございますm(__)m