第五話
UPしました!!
とある城
「あ〜、人手が足りない!!」
「なんでこうなったー!!ちっくしょう!」
と空に向かって叫ばずにはいられない状況に置かれている男が城の縁側にいた。
悶々としつつ悩んでいた。
あたりを見渡すと、男の家臣・小者まで今にも倒れそうな勢いだ。既に生ける屍になっている者もちらほらいる。
なぜこのような阿鼻叫喚な事件になったのか、経緯を説明するとしよう。
その発端となったのは、『とある軽率な男』の招いた出来事であった。『その男』は隣の国の悲報を聞き、千載一遇の機会だと思い、出陣すると言い出したのだ。周りは盛り上がった。だが、それは楽観的な考えのもとであったので、流石にあかんと思ったのであろう、『男』の家来が宗主(?)に援軍の要請をしたのである。しかし、援軍という援軍を出してくれず、その代わり近頃宗主に臣従してきた『その男』と同じ国の軍を援軍としたのだ。その援軍というのは上記にて叫んでいる男の軍であった。援軍とされた男は乗り気でなかったが、臣従の証を見せることが大切であると思い、合流した。案の定、総大将である『その男』の油断によって隣の国から大打撃を受け大敗したのだ。その際、援軍である男の軍も混乱状態に陥り、人手が足りないようになってしまったということである。
これは後に第二次安城合戦の大大敗と呼ばれる事になるが、ここでは深くはしない。
そんな時に、男は幸先の良い知らせを聞いた。それは、男の自領にて大変頭も良くなんでもこなすことできる小僧が寺にいるということである。城下に出て来ては主に子供相手だが読み聞かせというのをして、それが評判になっているようである。それも、孫子や三国志を面白おかしく大元の筋は逸らさず言ってのけているということだ。人気も高く、小僧と仲の良い商人は羽振りが良い。また、寺でも雑務の仕事は素晴らしいものがあると寺に行った配下の者の話を耳にしたのである。
これは欲しいと男は思った。
小僧は隣の国の出身だが、その一族はもとは近江の国人衆であったという話もある。家も問題ない。
思い立ったら吉日である。
「誰かあるー!」
寺へ向かうことにしたのだ。
もう背には変えられない。
領主として配下を潰すわけにはいかない。
そう思い、まだ見ぬ小僧を思うのであった。
説明回のようになってしまいました。
戦国時代、寺から人材の確保をするのか、ということを疑問に思いながらも書いていましたが、実際の所どうなんでしょうか?
教えていただきたいです!!