第四話
UPしました!!
寺に引き取られて(?)から数年経った。この時代に寺子屋の様なものがあったということに驚いたが、もっと驚いたことがある。
〜まず目の前の光景をご覧になっていただきたい。
「エイヤー!」
「まだまだでござるよ〜!」
「もっと腰を入れて!こう粘らせるんじゃ!!」
そう、察しの良い方は気付いているであろう。戦国の世であると再認識させられる一コマ、寺の僧が武術を教えている微笑ましい景色が広がっているのである。〜
分かってはいた。戦国の世では寺もこういうことをやることを。けど日々鍛錬続けたお陰で一通りは使えるようにはなっていたがな。
そういう俺も剣を振っている。
寺には金目になるものが多くあるので、度々戦で負けた落ち武者や山賊が襲ってくる。その度に僧達は追い払っている。だが、時には慈悲を与えているのであるが、それはほんの一握りである。その一握りに入ったのは幸運と言わざるをえないと思う。
「濬芳様、それはきついですよ!もう少し手加減してもらえますか?」
「駄目じゃ!!こんな甘ったれた考えは無くすべきだ!じゃが、お主は筋がある!」
「こんなこと言われても〜」
正直、木刀と言えども怖い。避けるので精一杯だ。
こんなことしておいてもいいかな。手持ち無沙汰で退屈や。もうそろそろ出て行きたい。
しかし…、
何回か出て行こうと試みたことがある。その度に僧達に「出て行かないでくれ」と懇願されるので困る。
あんたらが楽したいだけだろうがと、正直のところイライラ、モヤモヤが募るばかりだ。時には、暴れたこともあったな。
前世の記憶があるので、この時代の人よりは計算の速度や雑務のこなし度が断然違うと思う。この為重宝されていたのであるが、幾ら何でもその度を超えている。まぁ、雑務しながらも僧に頼み込んで書庫に入らせてもらっていたのだが。
思い出したわ。ある日寺の裏で僧達が般若湯と称して所謂酒盛りをしていたのを雑務中に発見した事を。やりきれないな。
「あ〜もう、こうすればいいんだよな!」
と半ば自棄になりながら剣を振りだしたのだが、運良く濬芳の腹に決まったようだな。結構適当だったのにな。
濬芳様が屍のようだ。
ともかく、
この生臭坊主、アホが!!ざまぁ〜、見ろ!将来、あの御仁にやられればいいんだよ!と思ったのは秘密にしておくとして。まるで大将首を獲ったかような笑みを浮かべつつそしてガッツポーズだ。やったぜ。
はじめて一本取って、ストレス解消できて嬉しいわ。
この後幸運が舞い込んでくるとは思いもしない真也であった。
寺編はもうすぐ終わる予定です!真也にとってさらなる成長を促してくれる良い機会であったと思います。戦国の世での生活や現実を垣間見た真也はどう行動していくのか。
お楽しみに〜