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転生?立身出世物語  作者: 大人の薯蕷
美濃攻略飛翔編
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第三十三話

UPしました!

世間を最も驚かせたのは、竹中半兵衛がたった十二日間で斎藤龍興に稲葉山城を明け渡した事である。それは、前代未聞の出来事であった。竹中半兵衛からは織田家の皆様お膳立てはできましたので後は頼みました、と俺には聞こえるようだった。なかなか食えぬ御方だと思うし、学びたいと思った。


それからというもの、殿の動きは早かった。


俺は清洲に帰って早速に以前から調略していた相手に裏切るように通達を出した。そして、恭順してくれる者達の文が続々と来た。その中で、殿から恭順を突っぱねた鵜沼城を翌年の総攻めの時に先陣として攻めろと命令され、出陣することとなった。


その間に俺は殿に織田木瓜の御旗の使用許可を得るために城に訪れた。この慌ただしさはいつものことであるが、今回は格段に違った。言葉には表せない程の気迫が伝わってくる。


「面を上げよ!」


「はっ!」


「御旗のことであろう?まだ、美濃についておるが、どうだ?」


「これに関しては全く問題ないかと。その根拠はここにある証文に記してあります。」


「続けよ。」


「川並衆が洲俣に留まっているのは全て殿のためでございます。美濃の民は俺が始めた解決屋が尾張発祥である事を既に知っており、その豊かな暮らしに憧れています。尚且つ、美濃側としてもその状況に対して無碍にできず、傍観を決め込むでしょう。そして、尾張の織田木瓜の御旗が洲俣に立ったとすれば、民達は益々喜び、美濃は戦にならぬと判断するでしょう。多少の反抗はあると思いますが。それが俺が考えていた全貌です。そして、斎藤飛騨に独占させたのも家臣や民の龍興の評判を落とし、引き剥がすためでありました。」


おそらく信長様も気づいていたと思う。今、俺の口から言わなければ信頼はガタ落ちになってしまう。俺には信長様に対しての逆心の意がない事を証明する必要があるからだ。信長様はさっぱりした性格かと思いきや案外疑心暗鬼な性格なので全て曝け出す必要がある。俺は信長様が大好きなので、逆心は全くない!


「うむ、それに関しては翌年の総攻めの時に渡す旗を再利用して渡せ。」


「わかりました!ありがとうございます!」


良かった!これで一先ずは大丈夫だ。


今思うと、あの時信長様が俺を叱ったのは俺に対する他の家臣の嫉妬を取り除くためにあると確信している。認めている家臣の方もいると思うが、まだ旧態然としている織田家において不確定要素は排除したいのだろう。


俺もまだまだだな!何もかもが足りない!



織田家は年末年始関係なく周囲に気を配りながら日々を過ごしいよいよかといういった頃、日ノ本に激震が起きた。織田家とは比較的友好であった将軍足利義輝が三好三人衆によって謀殺される事件が発生した。それには、俺は義輝がもし生きていたらなと思っていた。これが足利将軍家の終わりの始まりかと。

その事件で織田家は三好三人衆には味方しなかった。よって、後に三好三人衆に味方した六角とは縁が切れることとなる。


美濃の総攻めの準備を順調に進め、やがて、その日を迎えた。総攻めは後からという事である。


「兄じゃ!とても緊張するよ!兵を率いて出陣するなんて無理だ!」


「大丈夫!長秀ならできる!絶対できる!俺の目に狂いはない!堀尾殿、長秀を頼みました。あたりの警戒に勤めてください。」


「はっ!」


実は、この俺も緊張している。度々小隊を率いての出陣はあるはあるけど、こんな戦にて任されるとは思っていなかった。しかし、この戦で槍働もできるところを見せなければあかん。今の織田家中の俺の評価は認めている半分口だけの奴半分のようだ。それは城内でめっちゃ聞くし、ねねも苦しそうだった。それだけは避けたかったな。


「浅野殿、俺の隣にて支援を頼みます!」


「はっ!頑張ります!」


噂を聞くに、名将とうたわれる長井道利が出っ張って来るらしい。本当にやめてほしい。俺の所に来ないでほしい。考えているより、ま、まず鵜沼城を攻略せなばならない。どうしようかな?無駄に兵を減らしたくないし。とりあえず矢文を送ってみるか。


<城主殿 昨今の斎藤家をご覧になったと思います。なればこそ、ここで降り民をお守りするが良い統治者であるという事です。このまま戦うとなれば美濃の民はどうなるのかお考えを。徹底抗戦するという考えをお改めください。ここで降りたとなれば末代までの誉れとなりましょう。 木下藤吉郎秀吉>


どうかな?ここで降りてくれたら問題ないが…。


「どう思う?浅野殿、上手くいくか?」


「どうでしょう?かなり頑固者だと聞きますが。一発目は難しいと思います。」


「そうか。俺もそう思う。一度、攻めてみないと分からんな。」


矢文の返事が来た。どれどれ…、ふむ、案の定だな。恭順拒否か。

兵は鵜沼城を取り囲んでいるわけだし、川側は断崖絶壁だから、変な色気は出さないだろう。よし、


「浅野殿、まずは火矢を門や城壁の角を徹底的に燃えるほど狙って放ってください。そして、今日は沢山御旗を用意して頂きましたので、ハッタリをかまそうと思います。その準備の間、兵達には叫んでもらいましょう。その際は突進しないよう気をつけます。三つの組に分かれましょう。」


「わかりました!」


俺の軍は臆病だという事を見せるためにわざと長秀の兵を引き離し、隠した。それを聞いた城主は油断するだろう。そして、叫ぶだけの襲いかかって来ない演出をする。


「準備できました!」


「よし、浅野殿頼みます!」


「はい!」


静かに俺達は前後に分かれて登っていく。そして、射程圏内に入った。


「放てー!」


城内混乱している。そりゃ、そうだ。俺は臆病を決め込んでいたからな。そんな奴が来るわけなかろうと思っていたんだろうな。


「弟長秀隊に伝令!叫べ!以上!」


「はっ!」


「よし、お前らいくぞ!旗の束、持ったな?」


「はい!」


後は突っ込むだけだ。手に汗が半端無い!


「「「わーー!」」」


弟長秀隊、叫び始めたな。頃合いだ。


「続けー!」


俺達は一斉に山を登り始めた。


そしたら、城の方から矢文が届いた。


<降伏する>


と書いてあったので、早速城へ向かい、城主と話すことにした。謀の可能性もあるので、警戒厳にしつつ向かうことになった。そしたら、城主自らが出て来て一悶着はあったもの説得し、正式に降伏となった。


無駄に兵を減らさんで良かった!よし、信長様に報告だ!


それからというもの、鵜沼城の陥落によって勢いづいた織田軍は川尻秀隆が将となって猿啄城を落とし、兵が少なくなったりとなんだかんだありつつも退却し、戦略的には勝利となった。

この期間、わずか一月だから尚更驚きだ。


「後は、この御旗を蜂須賀様に渡すだけだな。」

真也、伝説の一夜城に挑む?


今日も読んで頂きありがとうございます^_^

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