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転生?立身出世物語  作者: 大人の薯蕷
美濃攻略飛翔編
33/48

第三十一話

三つ目です!

信長様はいつにもなく荒ぶっていた。


ここまで順調な滑り出しであったが、新加納での大敗では齢十九の若者にしてやられたからだ。その鬱憤を晴らすがごとく、犬山城を攻め、陥落せしめたが、なかなか進まない美濃攻めにイライラは頂点にあった。それはフリだったかもしれないが、俺はそんな時に信長様に呼ばれた。前田様や森様は、


「頑張れ!」


という声援で励ましてもらったが、怖かった。もちろん家族にも励ましてもらった。


「美濃攻め、上手く行ってない。どうしてくれる?」


うわー!俺に対する怒りだ。確かに発案したのは俺だし、実際に動いているのも俺だ。これでは、出世も夢のままになってしまう。絶対絶命だ。


「この度は申し訳ありません!俺の見解から申しますと、かの竹中半兵衛は織田家に自らの力を見せたものだと思います。竹中家は安藤家と縁戚であり、龍興の愚行には呆れているでしょう。その上でのことであれば、得心はいくものと思います。」


「たわけ!それはわかっておる。しかし、この様に上手くいかないのはお主が怠惰しているのではなかろうか?」


信長様はすでに刀を手に持ち、喉仏へ刺し出とうとしていた。


もうあかん!ここまでか!と思っていた時、ある知らせが届いた。


「申し上げます!稲葉山城にて、安藤と竹中が共謀しての謀反!側近の斎藤飛騨討ち死に!乗っ取ったものと思われます!」


助かったー!竹中半兵衛、やってくれるやん!

俺は相変わらず旅に出ていたが、坪内氏をはじめ木曽川沿いの城主は内応してくれた。が、これは微々たるものだ。この機に挽回する必要がある。


「殿、俺に行かせてください!必ずや美濃を陥落せしめます!それと、蜂須賀のをもう一段階上げます!」


「うむ、良かろう。」


「ありがとうございます!では、失礼します!」


本当に首切られるかと思った。竹中半兵衛よ感謝するよ。本当に。まずは洲俣だ。


「ねね、また美濃へ行くこととなった。いつも一緒にいられなくてごめん!」


「お前さま、頑張って来なさい。成功させるのですよ。」


「わかった!小一郎、留守を頼む!そして、浅野殿、堀尾殿来て欲しい。」


「「はい!」」


このねねの口調は、ここまで俺の首切り騒ぎが伝わっているということだ。情報が早い。心配かけてごめんな。定期的に手紙を送っているけど。


前世で培われた走りで、行こう!三河で鼠猿と言われた脚で!


「さあ、行くよ!」



洲俣に着いた!いつもと違って慌ただしい。取引相手が討ち死にしたもんな。って、こんな呑気にしとれん!


「源七、蜂須賀様の所まで案内してくれんか?話がある!」


「着いて来て!」


ここは頭を冷やすんや!そして、落ち着かせろ。


「木下!これはどういうことだ!説明しろ!」


「此度の件については俺に不備があった。申し訳ありません!今、織田の証文持っていますか?それがあれば織田の殿はその通りにしてくれます。そして、斎藤飛騨については、美濃のために銭を献上したのにそれを独占していたことをこの事件にて知った。だから、今まで通り商売させてくれと、安藤様に申してください。俺の考えた解決屋はとても繁盛していると言います。この混乱時だからこそ美濃の皆さんに商人として人間としてできることをやってあげてください。俺も支援します!人々が幸せになるために!お願い致します!」


ここはデコをついての土下座しかない。


「最後にこんな事言われたら、嫌と言えん!何ちゅう奴だ!商人としてもちろん武人として美濃の皆さんをお守りいたす!そして、仮だが今日から木下の部下になる。これでどうだ?この新たな証文に記した。署名せ!」


この言葉に思わず涙を浮かべ、号泣してしまった。おそらく、私の名を借りて美濃のためにそして俺のためにできることをするのだろう。蜂須賀様は信頼できる人なので問題無い。


「ありがとうございます!蜂須賀様!」


隣にいる二人も泣いている。

感謝しても仕切れないくらいだ。蜂須賀様には何かで返そう。


「三人もと泣くな!後の仕事もあるんだろ?それなら、行ってこい!」


「「はい!」」


その次は稲葉山城だ!


今日はもう暗いので、井口で泊まるとして、街を歩いて観察しながら問答を考えよう。そして、この際は一人で行くというのがポイントだから、浅野殿には俺が調略しつつある城を回ってもらおう。というより観察だ。混乱している時こそ釣りやすいから、迅速な対応が大切だ。そして、堀尾殿には稲葉山城を見てもらおう。


「浅野殿、堀尾殿、今日は夜遅いから井口に泊まる。敵陣だが、時にはその度胸を相手に見せる時が必要だ。だから、探そう。」


〜〜〜〜〜〜


……「来ましたか。早かったですね。さて、どの様な相手でしょうか。楽しみです。」


と、夜の空を見上げている男がいた。


真也、ついに運命の男に出会います!

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