第二十七話
UPしました!
この年に起きたことをありのまま話すぜ…、三河の松平家と和議を結び不可侵を取り付けたんだぜ…、それと嬉しい事がまだまだあるんだぜ…。
てか、この話し方疲れるわ!俺がしておいてなんだけどな!とりあえず嬉しい事があったわけです。それは、
ついに斎藤義龍がくたばったんだ!
信長様はちょっと残念がっていたけどね。好敵手がなくなった悲しみがあるのかな。だから、俺は派手には喜べなかったな。心の中では花火大会が繰り広げられているけど。いつか花火大会やりたい。
「ハゲネズミ、どうする?」
おいおい!もう我慢ならんぞ!
「殿、正直に言っても良いですか?これからのことを聞くのであれば殿のそばにいる丹羽様や柴田様がおられるのでは?」
俺ばっかり聞くもんだから、他の家臣たちに示しがつかん。それに、俺は戦があまり得意ではないからだ。
「どうもこうも武断派が多い故だ!」
うわ!怒られた!
おそらく、美濃攻めにしても力技で行こうとする輩が多いんだろうな。何回も何回も撃退され、損害が大きくても。中には、別の方法でという人もいると思うけど。
でも、これからは心配ご無用!義龍の嫡男の龍興はまだ若く、美濃をまとめるのは至難の技である。だからもって力技でいくのは愚の骨頂、調略で攻め、龍興の屋台船が揺らいでいる時に城をドーンとすればいい。それをこれからの美濃を支えていくのであろうTさんにシグナルを送り続ける事が肝心だ。
「申し訳ありません!これからは調略で攻めるべきです。時たま、兵を出す程度で良いです。それと同時に、武田と上杉の両方と誼を通じ、武田においては斎藤の先代が亡くなられたことによって必ずや出張ってきましょう。そして、それを阻止するために上杉と協力しているというふりを見せつける必要があります。贈り物とかで。飛騨に関しては問題ありません。あそこは内乱真っ盛りですから。それに蝮様から大義名分をもらっているのでしょう?それを活用しないといく手はありません。」
「で、あるか。後は。」
考えられることを言っただけであるが、何か足りない。何回も言っていることもあるが。信長様は何をしようとしているのか、思い出せ!
「伊勢長島に俺を潜伏させましょう。そして、川並衆は美濃の味方であるという事を龍興の側近である斎藤飛騨に伝えつつ、洲俣に川並衆の拠点を作る許可をとってもらいます。その時にいう言葉は、その拠点においてもたらさせた収益の何割かはあなたに差し上げましょうとね。そしたら、独占するようになるでしょう。時がなったら、洲俣に織田木瓜の御旗を掲げたら、王手です。」
この言葉で理解してくれるかな?
殿の顔を見ると、驚きに満ちた表情だ。やりすぎたかな?
「ハゲネズミ、えげつない事考えるな。ハゲが家臣になってくれて嬉しいわ!評定にはまだ上がることは叶わぬが、是非とも。」
信長様は能力がある人にはめっちゃ目をかけるんだな。それは史実どおりだ。だが、その分結果を出し続ける必要があるから、きつい。まるで、ブラックだな。だけど、俺は信長様の見る世界を見たいから、頑張ることができる。
「ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!そして、俺の嫁さんは良い嫁さんです。」
俺は一月前に祝言を挙げた。ねねはそれはもうお転婆で、可愛いのだが、少々気が強い。が、俺を支えてくれているので嬉しい限りだ。祝言は極めて内々に執り行われた。仲介人がいなくてオロオロしていたが、なんと前田様がしてくれることになって、無事終えることができた。そこからというもの、ねねとまつ様はお友達になったようだ。
ちなみに、武士となったので小屋程度であるが屋敷がある。とても充実とした生活を送っている。
「そうか。良かったな!ねねは息災か?」
「はい!」
「して、ハゲネズミよ。最近面白い道具を作っているそうだな?」
久々のにやにや顔で言われた!このイタズラ顔はうつけだった時にもあっただろうから、これが本来の素だろう。
ま、多分、今一部の農家で大人気の農具レンタルサービスで使われている三点セットのことだな!始めは故障などの問題がたくさんあったんだけど、今はないらしい。と思うと、加藤のおっさんこの短期間でよく作ってくれたものだな。形は違うのに納期は一年としていたのにその半分の半年で作り上げてしまった。日ノ本のものづくりおそるべし。
「はい。多分、巷で噂の三点組の事と思われます。それがどうかしましたか?」
「どうしたかではないわ!あれは前代未聞の代物だ!今後、この尾張でしか作らん!そして、わしの贔屓にしている鍛冶屋にも作らせろ!」
「はい、分かりました!」
この話からみると、お金は出すから何組でも作らせろということか。つまり、その技術を独占するのはいけないぞと半ば脅しでもある。まず、作る比率であるが、初期の頃は完全に加藤のおっさんが十割だとしても、次第には加藤のおっさん六割で信長様の贔屓の鍛冶屋四割で良いと思う。それでは無いと、おっさんの面目が立たない。もちろん、信長様の鍛冶屋からも意匠を貰うけどね。後は弟に任せる。
「将来的に、この三点組を試しに使って城を作りたいと思う。」
「それは良い考えだと思います。そのためにも言っておきます!殿、お願いがあるのですが、旅に出ようと思います。」
「そうか。なら、この証文持っていけ!」
バレていたか!調略の旅に出ようと思っていたのだが。その証拠に名前までも一致している。
「行ってきます!」
城を出て行こうとした時、
「おーい!木下、一緒に飲まんか!」
前田様からお誘いを受けた。行ったところが男にありがちな所であったため、新婚には極めて危険だと思ったからお断りしようとしたら、強引に引っ張られ、見事に朝帰りになった。後はご察しの通りである。
ここから、真也の不憫超不憫な女好き伝説が開幕します。現代人の考えなので、あまり風俗には行きたくは無いが、部下の慰安や他の武将に誘われたりと、色々誤解を生んでしまうようです。