第二十六話
UPしました!
戦国時代に来たらの定番(?)が出てきます。
これから、どうしようかなぁ〜?
俺はまだ祝言を挙げていないから、まだ足軽の身分だ。つまり士分は得ていない。だからとにかく今はお金が欲しい。足軽頭といってもそれは微々たるものだ。
「なんか、良い案ないかな?これから必要なのは!」
結構大きな声で叫んだから、周りにいる農民の方がきみ悪がっている。そんなことするはずではなかった…、この俺の面じゃしょうがないか。ごめんよ!ん?俺も村で仕事していたから分かるんだけど、なんか作業遅くないか?木の鋤のようなもので畝を作っているが、少しずつしか進んでいない。
そっか!ちょっと時代を先取りしてしまうが、あれを作れば良い!
あれというのは、シャベル、鶴嘴、鍬の三つだ。これがあれば、女・子どもでも簡単に畝を作ることができる。また、農業生産性の向上にも繋がる。
また、城の改修工事や建設に使える代物だから、早く普及させたい。そうしたら早くでき終わるはずだ。そのためにも、まず農具として使ってもらい、そこからアプローチしていけば良い。その結果、どこの誰かさんが食いついてくる算段である。俺がその仕掛け人となれば驚くだろうな。
「よーし!今、丁度村に行くところだから、かかに聞いてみるか。」
それにしても、この間の美濃攻めは大敗北だった。斎藤義龍は政治や軍略にめっぽう強く、外交においても完璧な人だからな。その真髄を見せつけられた感じだ。その義龍がいる限り美濃は無理だ。尾張と美濃の結束が違う。だからこそ、尾張を盤石しつつ、三河と不可侵を結ぶ必要がある。殿に言った言葉だけど。
尾張においての特異点は犬山城の織田信清だ。従っているそぶりを見せているが、怪しい。それに、木曽川が近くにあるからな。美濃攻めが終わったことを考えて、川並衆を稲葉山城下に配置し、伊勢長島には手勢を忍び込ませて龍興の戦意を無効化するように仕向けなあかん。
考える事は山ほどある。それに先んじてやらなければ、出世も夢のまた夢だ。
「風の噂で聞いたんだが、前田様、帰参許可出るかもしれないな。美濃攻めで足立何某を討ち死にしたからな。」
自分の世界に入っとったわ!もう村の入り口だ。あの男はいないだろうな?
「かか、ただいまー!」
「おかえり!いつぶりだがや?何しにきた?」
「これから、俺とても忙しくなるんだけど、弟の小竹連れて行っても良い?それと、祝言を挙げることになったから。」
「少し待ってちょ。もういっぺん行ってみん!」
そりゃそうだよな。こんな畳み掛けるように言ったら。ゆっくり言おう!
「俺は小竹を「兄じゃと行きたい!そして、手伝いたい!」
突然出てきた!小竹、良いのか?これからめっちゃキツイこともあるかもしれないんだよ?
「小竹、付いてくれるのか?」
「うん!兄じゃと一緒なら大丈夫!」
こんな事言われるなんて嬉しいわ!弟のためにもより一層奮起せな!
「なぁーに、勝手に進めているんだぎゃ!でも、やれるところまでやってみーや!」
「「ありがとう!」」
よし!これやったら、祝言の時に俺一人じゃなくて済む。祝言の事の事を言うのはまあいいや!
「かか、聞きたい事があるんだけど、知ってる鍛冶屋さんある?紹介して欲しいんだけど。」
と、紹介された鍛冶屋にやってきました!
弟の小竹もとい小一郎も一緒です。
なんと!かかの従姉妹が嫁いだ家らしいんだ!親戚やん!と、わざとらしく驚いてみせたが、俺は知っていた。加藤清忠という元々は武士であったが、怪我をして鍛冶屋を始めたというお方で、今は生まれてはいないが加藤清正の父である。親戚同士とはいえ、信用されないだろうから、かかに紹介されたという事実を作る必要がある。
「ご無礼つかまつる!ここに加藤様はいらっしゃいませんか?とある頼み事があって、きました!」
「はい、ワシが加藤です。何か用ですか?」
「俺は木下藤吉郎秀吉といいます。隣にいるのは弟の小竹です。母である中村のなかに紹介されてきました。率直ながら、少し作ってもらいたいものがあるんですけど良いですか?」
「おー、お主が放浪息子の。最近、出世していると聞いたが…?」
「はい、恥ずかしながら、台所奉行の責任者をしています。また、足軽頭にもなっていて、多分来年になると思うんですが、祝言を挙げて、晴れて武士になります。」
加藤父さんのドス黒い顔が百面相し始めた。どういう感情なのかな?まさか、武士をやめろとは。
「良かったではないか!出世祝いとして、何か作るんか?」
「そうでは無いんですが、これからの織田家に必要となる物を頼みにきたのです!南蛮語でシャベルという物と鍬という鋤を発展させた物と鶴嘴を作って欲しいです!費用に関しては大丈夫です!紙と筆はありますか?」
「なんか知らんが、話だけは聞く。それからだ。」
門前払いもありうると思ったから良かった!
「作って欲しいものはですね、この紙に書いた通りなんですが、宜しいですか?利点としては、穴をより深く、石に負けずに地面を掘る事ができるという事です。それに、それが評判となれば尾張一の鍛冶屋になります。農具にも城の工具にも使えますから!いやらしい事ですが、意匠は売上の一部をもらいます。そして、開発の費用はこちらが七割負担します!」
まるで畳み掛けるように言ったけど、理解してくれたかな?顔を見ると、険しい顔だ。悩んでいるようだ。
「各何本必要だ?作ってやる。なかさんの息子に頼まれたら駄目だとは言えないし、何よりお主の熱意にやられたわ!」
「ありがとうございます!各二十本お願いします!納期は一年でお願いします!作る際は是非協力します!」
良かったわ〜!これで俺のミッションはクリアだ。
「小一郎、今の話聞いていたな?源七と協力して、俺を贔屓している商人からお金を借りてこい!わかったな?(小声)」
「うん!」
先に述べた農家へのアプローチなんとかは、小一郎と源七にやらせとけば良い。小一郎にとっての勉強にもなる。決して丸投げでは無い。
真也には家臣がいません。その穴を埋めようと小一郎を引き出しました。
今日も読んで頂きありがとうございます^_^