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転生?立身出世物語  作者: 大人の薯蕷
美濃攻略飛翔編
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第二十五話

本日二回目のUPです!

いつの間にか日が上に登った時、今川義元が討ち死にしたのを聞いた。俺も本陣に近づこうと頑張ったんだけど、騎馬には負けたわ。徒と騎馬は進むスピードは同じと言えども、威圧感の差によって進軍が全く違う。というより、崖を降りるというのが一番怖かったわ。


今回の戦で俺の組の者も亡くなった。極力周りの騎馬や組を見ながら、安全な経路を進んでいたのにな。何よりも、最初戦に行くときに止めてくれたよっさんが亡くなったと聞いた時は人目を憚らず泣いてしまったな。足軽の中では仲が良かったのに。


そうふさぎ込んでいると、殿から呼ばれた。


「正直、出て行きたくない。彼らも必死に戦って亡くなったと言うことは重々承知しているが、ポッカリと穴が開いている。上に立つってこう言うことかな。」


「早く来い!」


催促がすごいな!重要な事なのか?やったら行かなければならない!


「すぐ行きます!」


そして、亡くなった者の気持ちを心に秘め前に進まなければ、その者に対して申し訳が立たん。


「ハゲネズミ!遅いぞ!面を上げよ!」


「ははー!申し訳ありません!」


「ハゲネズミ、率直に伝える。名を木下藤吉郎秀吉と改めよ!それがわしにできる褒美だ!」


ん?改名?

紙をバーンってな感じで、突然言われたぞ!ってか、信長様から直々に名を貰えるとは!嬉しいぞ!勝手に名乗った名前ではなく、上の方から名を貰えるということはかなり相当なことだ。


「ありがとうございます!この名に恥じぬよう頑張ります!」


「うむ。これからの尾張はどうする?」


また聞かれたよ!そんな質問、丹羽様や池田様達に聞けばよろしいのに!こう思って何回目だろうか。


「三河の松平家とは同盟ではないが不可侵の協定を結びます。それから本格的な同盟を結んだら良いと思います。それと同時に斎藤家を特に中濃を攻めます。ただ攻めるのではなく、調略も使い木曽川を取ります。それに斎藤を攻める時に邪魔なのは甲斐の武田家です。それに関しては高圧的に柔らかくやりとりをしたら良いと思います。そしたら、上洛も容易くできます。」


歴史にあった通り、言ってみたんだけど大丈夫かな?もう何で俺が参謀のまねをせればならん!信長様も俺が言った絵図は描いているはずなのに!という俺も川並衆を通じて美濃へ行こうとしたんだけどね。


「伊勢はどうする?」


それ来たか…。前世での最近の研究で織田は六角とは同盟関係であったと言うしな。そこに浅井も入っていたが、実の所六角と浅井は仲はあまり良くない。このところ実際の所どうだろう?


「伊勢は時が来たらで良いかと。今、六角家を刺激するのは良くはありません。そのためにも、今川に取られた領地を取り返すべきです!そして、尾張を盤石に…」


ズコッ!


信長様に殴られた。めっちゃ痛いわ!頭の細胞が減ったらどうすねん!


「そんな事、わかっておるわ!小賢しいハゲネズミよ!」


うわー、怒られた!言い過ぎたかな?だが、ここで怖じ気づいたら終わりだ。ここ織田家では生き抜くことはできない。いかに視野を広げているかによって、その資質は問われてくる。


「ハゲネズミ、この身分のままで良いのか?」


身分か…。今の俺の身分は実に中途半端過ぎだ。確かに、平時において台所奉行の責任者という立場でありながら戦場では足軽を率いる頭でしかない。そこんところ考えると、良くやってきたものだと思う。信長様が陰で調節してくれたのだと思うが。身は固める必要はある。


この際はっきり言おう!


「俺は武士になりとうございます!」


「で、あるか。杉原家のねねを浅野家の養子にするので嫁にせ!ハゲも好いておるのであろう?」


ハゲネズミからハゲに降格した!


なぜ、ねねのことを好きなのかを信長様は知っている?信長様だからということもあるだろうけど、その杉原家は許しているのだろうか?


「その儀は嬉しいく思います。しかし、杉原家は俺のことを忌避している様子がありますが。」


「だからこそ、浅野に養子に出そうとしたのだ。」


「そうですか!ありがとうございます!」


随分、史実通りになった。おそらく俺が落ち合い場にしていた浅野家には男子はおらんかった。だから、その機に乗じて他のを挙げるついでに祝言を挙げる魂胆であろう。そして、俺を身近に置くことも大いに容易になる。いわば、半分政略半分恋愛結婚になるな。ねねも時折俺と祝言したいと言っていたからな。それは良しにしよう。


「ハゲ…ネズミ、奇妙と遊んでいけ!」


奇妙って、後の織田信忠だよな!歴史好きとしては是非とも会いたかった一人だ。最近では有能であったとは言われているけど、その実像は全くわからない。ここで会えるとは、もう死んでも良い心地だ。


「はっ!」


「奇妙、来い!」


「はい、父上。」


お、利発そうな子だな!


「奇妙丸です!ハゲネズミ〜!遊んで!」


「はい、遊びましょう!奇妙丸様、俺の名は木下藤吉郎秀吉であります。この際言いますが、公私における人の呼び方は分別つけるべきだと思います。奇妙丸様のお父上様は俺をハゲネズミと読んでいるのは基本的にここだけでありますから。たまに外で言ってしまいますが。」


「はい、わかった!ハゲネズミ!」


得心してくれてよかった!教えられていると思うが、素で公の場で言われたらたまったものではない。だからこそ、上に立つものとしての心得は最低限な事は言うべきだと思う。


「よーし!今日は猿まね遊びをしましょう!ウキー!」


子どもは元気が一番だ!

最近の研究の説も少し入れてみました!


藤吉郎の結婚も案外こうだったのではないかと私は思います。でなければ、相手さんが認めるはずはないからです。信長からすれば、有能な藤吉郎をより織田家に縛り付けるための方策に使ったと思います。


読んで頂きありがとうございます^_^

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