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転生?立身出世物語  作者: 大人の薯蕷
織田家士官編
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第二十三話

UPしました!

この頃、きな臭くなってきた。


というより、織田家は絶体絶命だ。信長様の最恐で最大の理解者である斎藤道三が息子に謀反を起こされて、惜しくも討ち死にしてしまったからである。その謀反を起こされたと聞いた時の信長様はすごい剣幕であったそうだ。そして、援軍を出したのだが、後は察しの通りである。


その際、俺は足軽頭として参陣した。いきなり足軽頭と思われるかもしれないが、この俺もいきなり足軽頭にと思った。俺の知らぬ間に小者から足軽頭に昇格していた。でもまぁ給料は上がるから良いけどね。主な理由としては普請の褒美かな。その際、美濃へ行くための先導役のようなものを任された。信長様は俺が川並衆と繋がっていることを利用したのであろう。俺は彼らと共にきちんと勤めを果たし、同時に織田側になって欲しいと調略した。それに応じてくれた。


「あの時は思った通り斎藤道三の息子に既に待ちぶせされていた。対岸に着いた途端、火縄銃をぶっ放された時は焦った。大きい戦を経験したとしても慣れないし、それよりもこの世に染まっているなと感じる時があるな〜」


初陣を飾った時は死体を見るのを恐ろしくてできなかった。だって、死体というから血だけが出てると思うやん。実際は糞尿入り混じったなんとも言えないグロさがある。ここ戦国時代に来て早十数年、こんなことが当たり前となってしまった。これに俺は恐ろしくなった。


それと、斎藤道三の息子に乗じて、尾張でも信長様の弟信行様の謀反があった。


まさに信長様は八方塞がりであり、ミニ信長包囲網化としていた。しかし、国内の混乱は様々な歪曲がありながらも信長様による信行様の謀殺によって幕を下ろし解決した。


「といっても、脅威は消えたわけではないし、むしろこれからだ。知っていても俺には分からない。」


「木下さ、さっきからずっと何ブツブツいっとるんだい?なんか怖いよ。」


「ごめん!考え事しておった!」


そうそう、薪の節減は見事成功をおさめ、俺は正式に台所奉行の責任者となった。その作業中であることすっかり忘れるところであった。今、来年行う入札のための準備をしている。今年使用した薪の量を求め、一年間推定使用量を計算している最中だ。俺はこの時代に使われている算盤が使えないため、脳内計算している。その方が早くできるし、それも他の人より早い。だから、管轄外のことも日に日に任されることも多くなってきた。計算に関することを。嬉しいことなんだけど…ね。


あ!この感覚、どこかであったな…。


そうか!小者時代によく似ている。短時間で出世したため、あらゆる所から嫉妬の目を向けられているのは分かっている。あの様な事が起きないためにも努力してきた。その結果、一部の上の方には認められる様になった。また、足軽仲間には信頼される様になってきた。それが唯一の救いだ。いつも同じ樽の酒を飲んでいるからな。


「木下さ、この仕事量大丈夫か?今日中に終わる?」


「今の進行度だったら、間に合わない。助けて欲しいところだけど、貴様もあるからな。」


俺はこの後仕事が終わったら、とある屋敷で落ち合いお茶を飲むことになっている。向こうから誘いが来たからだ。これは何回もしている。早く終わらしたいが、これからの展望とともに総合的な視点から考えていかないといけないので、頭はパンク寸前である。とにかくこの時期は忙しい。


「木下、殿がお呼びである。さっさと来い!」


こんな忙しい時に何ですか!信長様!ただでさえきな臭くなっているこのご時世で商人達の動向が不透明の中、頑張っているんですよ!


でも早く行かなければ不機嫌になるからな。


「すぐ行きます!」


今度は何言われるんだろうか?


実は信長様の暇つぶし相手の一人となれと台所奉行のやつと同時にいわれた。度々呼んでくれるのは嬉しい。嬉しいよ。出世するための宣伝になるし。しかし、信長様と話す時の心労はものすごい。信長様にとっては雑談のつもりなんだろうけど、俺にしたら拷問だ。


「ハゲネズミよう来た!面をあげよ!」


なんか、上機嫌だ!よかった!


「ははー!」


「この頃うるさいが、ハゲネズミはどうする?」


どうする?って、俺が言えるわけないだろう!しかも分かりにくい質問だし。


っていうか、ハゲネズミとはなんだ?まだ禿げてはいません。今日はじめて呼ばれたわ。


「来て半年前後、とにかく相手を誘い出す事が肝心かと思います。」


「うむ。で、あるか!」


で、あるか!を頂きました!よかった!この言葉が出るときは可でも不可でもないが可よりの肯定であると、俺は解釈している。


思ったんだけど、俺に聞いてくれるなよ。結構な機密事項だったよ!史実を知っている俺からすれば、やめてほしかった。時々迂闊なところがある。多分確認のために言ったんだろうけど。それほど信頼してくれるのは存外の極みだが、他に例えば丹羽様とかがいるでしょう。一足軽に聞いてどうするねん!まさか諜報に行ってくれとかはないよな。歴史を変えるのは怖くて嫌だからな!


「下がれ!」


「ははー!」


この一件で信長様は何か画策しているのは分かった。俺は既に源七の商人ルートで何が起こるかは確認済みだから知っていたけどね。


よーし、デー…いやお話し相手になってと誘いを受けたので、仕事終わらせるとするか。

もう、そろそろですね^_^

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