第二十話
UPしました^_^
あ、今年から弘治年間になりました!
この年、ついに信長様の念願であった清洲城を落とし、そこに移り住む事になった。その戦に俺も兵の一人として参加した。結構きつかった。何と前線に送られたんだよな。戦経験があるからといって、弓矢が俺の方に飛んでくるとなればそれはもう関係ない。いかに避けて、前に進むための道を見定めるかの博打だ。こうして生きていると言うことは勝ったということだ。戦果は前に進むのに精一杯で覚えていない。
戦いのことはここまでとして、目の前の課題に取り組まないといけない。
「せっかく前の城で練った薪の節約策を見直さないといけなくなった。大幅の変更はないにしても、ここで使用する量とその勘定の算定、清洲城下の商人との折り合いと今までの商人の説得をしなければならない。」
「そうじゃな!台所奉行としてもその使用する量が分からなければ、前には進まぬ。後三月で大元はわかる。」
「勘定方は戦が終わり、その始末に忙しいので、一先ず台所奉行と木下のみで進めてほしい。お願いする!」
それもそうだな。戦が終わって六ヶ月経とうとしても、下四郡を治めることとなった今、今までのようにはいかない。年貢の時期でもあるし、その暫定的な国力を見定める必要がある。
「よし、相分かった!薪の量は進行中として、その間に商人関係を片付ける。それで宜しいですか?」
「うむ、今から薪の長は木下に仮としてなってもらう。後のことは、木下に聞くように。解散!」
ちょっと待ってくださいよ!こうして厄介事から逃げる算段でしょう!心強いと常々思っているのにな!
ん?何々…、お主の手腕は申し分ないほど素晴らしい。だからこそ、経験を積ませたい。
それ答えになってな…
「周りのことであろう。それは心配ない。気にするな。ここにいる皆を見てみよ。」
見ましたよ。
って、き、気にするわ!でも、埒があかない。ま、引き受けましょう!ここにいる皆のためにもやらねばならないな。
「頑張るのじゃぞ!」
「はい!」
してやられた!こうなったら、やるしかないな!ため息したら幸せ逃げるという迷信があるが、ついてしまったな。よし、今日やるべき事に着手するとするか。
「馬鹿野郎!なぜ、こんなにも時間があったのに石垣の修繕に手間がかかっておる!」
うわー、信長様がめっちゃ怒っている。石垣の修繕は丁度五月くらい前から始められているからな。近づきたくないし、面倒ごとには巻き込まれたくない。しかし、見てみると、適当に班分けをしたようでチームワークがうまくいっていない節が所々ある。また、上にやる気があったとしても、下の士気がだだ下がりで、悪い循環となって現れている。プラスアルファして、この間の野分による長雨も影響しているのだろう。清洲城は川沿いにあるからな。これでは進まんわな。薪に関しては十日から二十日は猶予はあるから、普請奉行も経験しておくのも悪くない。中には俺に対して非難している人も認めざるを得ないだろう。
てか、この展開は史実にあったよな!やらずに終わってしまったら、歴史に穴を開けてしまう!これはやらなければ!
しかし、普請奉行に関しては深くは知らないな。どうしようか。よし!信長様の隣にいる丹羽様の助力を借りよう!史実では安土普請を行なっているしな。
思い切って行こう!そして、土下座だ!
「待ってください!俺にやらせてください!できなかったら、これまでやってきた人の分の全責任は負います!」
少し言い過ぎたかな?全責任を負うって、どんなMなんだよ。すごいな!ってか、俺か。
「お主には…できるか?」
信長様は答えに何を求めている?『…できるか?』の意味としては、有無の確認だけではなくてどれ位の時間でできるかの確認であろうな。
「はい、十日から二十日の間にできます!俺にお任せください!」
なんか、周りがざわざわし始めたな。それは分かる。今日から仮の薪奉行の仮の長になったとはいえ一介の小者にすぎない俺が大言壮語を言っているからだ。それに哀れみの目もある。でも、そんな奴らをぎゃふんと言わせるとするか。
「十日以内でやれ!」
やっぱりな。
「はい!」
「今すぐ取りかかれ!」
「織田様、お願いが一つあります。宜しいですか?」
「なんだ?」
「俺にはどうすれば良いかの腹案はありますが、普請に関することは何も知りません。だから、隣にいらっしゃる丹羽様に普請の師匠となっていただきたいと思います。そして、できれば俺を目付けとしてこき使ってほしいと思います。」
信長様は一瞬眉を寄せたよ。大丈夫かな?
「五郎左、頼めるか?」
「はい、分かりました。」
よし!よかった!これでちょっとは周りとの中和はできたかな。ん?目の前で秘密話し始めた。
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「五郎左、木下をよく見とけ!あやつやりよるわ!」
「そうですね。普請が得意なことを知ってるかのようでしたし、周りとの中和もうまくやってのけました。それに、目付けといっても恐らくは上との調整役として使われるのでしょう。」
「そうだな。考え直さないといかぬ所もでてきたわ!」
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信長様の上機嫌な笑いで、お話は終わったようだな。ホッとした。
丹羽様がきた。
「木下、よろしくお願いする。」
「いやいや、丹羽師匠様、こちらこそご教授のほどよろしくお願いします!」
「さて、はじめるとするよ。そもそも、普請というのは…」
これにて開始した石垣の修繕はうまくいくだろうか。やってみないとわからないね。
為せば成る!
今の所、真也は三つの仕事をもらっています。作者である私はできません。いくら何でも二つが限度です。が、私の悪い癖で何でもかんでも受け入れてしまうこともあるので、それに気をつけています。受け入れてしまったら大惨事です。
今日も読んでいただきありがとうございます!よろしくお願いしますm(__)m