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転生?立身出世物語  作者: 大人の薯蕷
織田家士官編
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第十八話

UPしました!

とある一室で


とある男はいつもの様に落ち着きのない様子であった。何かを考えている様だが、その顔からは分からない。いつも同じ顔である。


「ふん!この文を渡せ!」


「はっ!」


何か陰謀が始まるような、そんな予感がするのであった。


〜〜〜〜〜〜


「おーい!ここの田んぼの田植え終わったよ!その次どうすれば良い?」


「そんなら、隣の田んぼもやってもらおうか!なあ!隣のやっても良いよなー?」


ご覧のように俺は人不足が甚だしい村にて田植えのお手伝いをしている。ここ尾張に帰還して二回目の田植えの時期を迎えている。前世ではトラクターとかで一発で終わる農作業も全て手作業である。豪農といわれる家では牛を使って楽しているが、後は推して知るべしだ。


「おーーーい!」


ん?誰かが叫びながら、ここへ走っているぞ。

源七のようだ。


「おーーーい!どうしたら良い!どうしたら良い!」


「源七、どうした?こんな急いで、藪から棒に。」


「どうしたではないですよ!とにかく、文をおらが見せるので、読んでみてください!」


「ふむふむ…」


……?


えーーー!なんだこれは!驚きすぎて、息止まって死ぬところやったわ!あかん!あかんで!


その文の内容はただ単純に、


<さっさと城に来い。話はそれからだ。

織田三郎花押>


というだけだったが、まるで不整脈が起きたかのように心の臓がばくばくゆっている。ついに来たか!急いで準備して、この間買った一張羅の服着て行かなあかん!この村よ、中途半端ですまぬ。これは俺にとって緊急事態だ。仕事内容の半分しかいってないから、もらう金額は四割で良い。それで許せ!


「村長!すまぬ!城へ急遽行かないといけなくなった!今日は四割で良い。その源七にも渡しておくれ。」


「あんたの仕事熱心さは村の若い者に見習わせたいものだ。良い!行ってこい!」


村長は笑顔で返してくれた。これだけでも俺の心は安らぐ。


というか、急に呼び出してくれなくても良いだろうよ。だから、謀反人がわんさか出たんだろうが。まったく!その迅速な行動の意味を理解できない家臣が多かったんだろうな。


不満はもちろんあったが、無礼に当たらぬように早く支度し、ついに登城した。心の中で深呼吸だ。頭を冷やしつつ、少し整理をしよう。


ドタバタ、バッターン!


お、来たか!やっぱりこの登場なんだな。大河ドラマではよく見た場面だが、ここで体感するとはね。威圧するためとは知ってても緊張感は増す。


「面を上げよ!」


「ははー!」


予想していたより顔は武将としては淡白であるが、鼻筋と顔の形はシュッとして凛々しい。しかし、身体からは覇気が漲っていて他を圧倒している。配置としては、上に織田信長、その側面に信頼しているであろう側近、階段を下がって周りに護衛で砂利に座っているのは俺だ。


「お主の行動はどういうつもりである?」


どういうつもりである?はいー、もうちょい分かりやすく説明してくれても良いだろう?だから、この間相談に来た小者達が困惑しすぎて、部外者である俺に相談しに来たという暴挙に出てしまったんだろうが!その辺に関する諫言は周りには言われていると思うけど。ま、こういう時は嘘偽り無く話した方が良いな。もう一度心の中で深呼吸。


「どういうつもりであるか?と言われましてもどう返したら良いか分かりかねますが、一つだけ言えることがあります。物事を回さなければ、ここで戦はたちまち負け戦になってしまうという事です。その為に必要だと思ったのが、笑顔です。どんな辛いことがあっても、笑顔でいれば嫌なことも軽くなります。俺は笑顔を届けるために、例えば戦場ではまず荷駄を大切にします。ただそれだけです。」


本名で言うのは大変失礼だけど、この際心の中ではあの御仁を信長様と呼ぼうか。俺が話している時、とても険しい顔をして、睨みつけていた。こんな事初めてだったから、漏れそうになった。しかし、ここで好敵手になるであろう者と同類になってはいかん。


「話は分かったが、此度とどう繋がり、お主は目立つ?」


「恐らく、薪のことと存じます。薪の管理においては、きちんとした相場で取引をすることによって、お殿様側はその経費の節減に、商人側は人件費の節減に、そして木の無駄な伐採を防ぐことができます。そうする事で、お殿様側は限りある森の木々を有効活用できるのです。よって、お互いに笑顔です。甘い考えかもしれませんが、それ以上苦しむ人を見たくないのです。だからこそ、俺は読み聞かせをしていました。」


「うむ、お主は馬飼になって、薪の管理については…、後に伝える。お主を有効活用させてもらうわ。」


満足したのだろうか、去って行ったな。


てか、ここに来て、なんか企んでいるような笑顔を返されたよ。うわー、この時に限って…、ここでフラグを立てたらあかん!とても危ない気がする。この時点で言えることは、ようやく信長様に仕えることができたということだ。やったー!第一段階は合格だ。長かったな。


その前に、蜂須賀様にお伝えしなけば!

皆様天候が目まぐるしく変わる中、いかがお過ごしでしょうか。私はとても元気です。これからも変わりやすくなると思われますので、どうぞお身体をご自愛ください。


さて、真也、色々とやり過ぎてしまいました!その結果、こうなってしまいました。でも、真也は仕えることができたので、それで良しとする様です。


いつも読んで頂きありがとうございます!

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