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転生?立身出世物語  作者: 大人の薯蕷
織田家士官編
17/48

第十六話

UPしました!

ふー、今日の仕事も何事もなく終わった。ここに来て、半年強ぐらい経ったけど、まだテスト期間が続いている。いい加減店員の一員として認めてくださいと常々思っているが、こんな俺でも雇ってくれているので頑張ってやろう。


「なあ!藤吉郎よ、この刻になったから、あがりだよな?」


「……皆さん、お金はありますか?」


「「「あります!」」」


「今日も皆さん揃って終われたので、あそこへ行こうと思います!皆さんの費用の二割は私が負担しようと考えてます!ですが…」


男衆が雁首そろえて行くところといえば、あそこしかない。毎日仕事漬けばかりでは、溜まるものは溜まるので一応上に立つものとしては、福利厚生の一環の一つとしてこういう事も行なっている。最初、この野郎共に誘われた時は固まって何もできなかった。もちろん笑われた。けど、今はまんざらでもないな。うん。


その費用はどこからといえば、三河でやっていた『読み聞かせ』をここ尾張でも時間がある時に、贔屓にしてもらっている商人の所でしている。これも、その時間帯の儲けの何割かはもらっている。驚いたことに、この額が桁違いに大きい。やはり、東国の玄関口とも言える場所だなと思った。他に理由はあるけど、尾張は平野続きなので商人にとってなんの負荷もなく、流通を迅速にできるという利点がある。プラス良質な港ができる。よって、なるべくして盛んになったと思う。


この時点で大金があっても正直衣食住ができたら満足で、還元すべき時はするべきだ。


「そういえば、あの時に助けてくれたかぶき者は、先の戦にて活躍したと、風の噂で聞いたな。まあ、今は関係ない。戦で勝ってくれれば問題ない。」


「すみません、木下様。お金の方は大丈夫なのですが、最近頑張りすぎなのでは?」


「源七、心配してくれてありがとう。これからが正念場だ。ここ運送屋の利益はどうだ?」


「木下様が来られてから、三割から五割増しになっています。が、他の運送屋が真似し始めているので、これからは差別化を図るべきです。」


「そうか…。俺もそう思っていた。だから、何でも屋みたいのを一回やってみようと思う。対象は、上は守護様から下は小者までの幅広い層だ。試してみる価値はある。」


「こうなると、別部門に分けるべきですね〜」


「そうすると、人が足りなくなるから、まず、そこらへんの土豪から始めよう!偶に運送の予約入るよね!そのついでにどうかな?」


何でも屋といったら語弊があるかもしれない。分かりやすく言えば解決屋もどきのことをやろうと思っている。運送の仕事の傍ら、困っている土豪の方々がおったら、助けるということだ。それに宣伝にもなる。


今、この運送屋の元締めが来るのか、て…。忘れてた!


「おーい!藤吉郎、お呼びだぞ!」


「はい、今すぐ行きます!」


うわー、これまでの判定が下される日だった。本当に忘れてた!めっちゃ緊張するわ!てか、待っている仲間に謝らな!


「お前ら、ごめん!場合によっては、今日あそこに行けなくなるかもしれん。だから明日行こう!」


悪いことしたと思っている。その気にさせておいてなんだという気持ちが大きいかもしれない。仲良くさせてもらっている土豪からもらったヘソクリ酒が沢山あるから、今日の所はそれで気を鎮めてもらおう。


「木下、入ります!」


「入れ!」


元締めさん、見た感じはもろに武士だ。戦国時代に来て何度も見てきたタイプだ。このタイプは厳つそうで怖い想像がつくけど、案外良い人が多い。きちんとしていればの話だけどね。


「面を上げよ!」


「はっ!」


「今まで、散々木下の仕事ぶりを見てきたが、小者として働いてきたというのは本当のようだな。礼儀も武家仕様のようだしな。というわしは、半武半商だからその仕草はすぐ分かる。」


「ありがとうございます!」


「これから、木下はどうしたい?」


「そうですね。このままの仕事で俺は満足です!何もいりません!」


「そうか。欲がないな。そのくせして、他の商人から銭を稼ぎおって!安心したわ!」


三方よしの考えのもとでやってきたつもりなんだけど、先取りし過ぎたか?でも、今尾張が一丸とならないと潰れてしまうからな。


「あ、名乗るの忘れておったわ。わしは蜂須賀小六という。川並衆の元締めをしている。よろしくな!」


「これからもよろしくお願いします!」


ここで歴史上の人物第二弾蜂須賀小六だ!こうして目の前にいると感慨深いものがあるな。俺はこの和気藹々とした雰囲気が好きだ。小者として働いてきた時にはない高揚感が込み上げてきた。泣けてきた。


「すみません。ちょっと気分が上がってしまいました!これから、仕事終わりの一杯を未来の景気付けに一緒に飲みませんか?俺、実は今日の為に酒を用意して、芸を披露しようと考えてきました!ウキー!」


「わはは〜!」


こうして始まった宴会だけど、案の定、鼠猿芸うけたよ。みんなが楽しければそれで良し。

いつも読んで頂きありがとうございますm(__)m


忘れることは誰でも良くあることです。戦国時代なら尚更です。紙は貴重な物ですから。

これからは気をつけてほしいものです。

という私も忘れてしまう事が多々あります。お互い様ですね^_^

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