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「ふむ、まあ大体予想通りだな」


「だからつまんないって言ったじゃないですか…」



にこにこ笑っている魔王さんにちょっとぶーたれつつ、ご飯を食べる手を再度進めようとしたら、あれれ、ご飯どころかテーブルごと無くなっていて。


ぱちぱちとまばたきしていたら、ガランガランと重厚な鐘の音がした。魔王さんはそこでちょっと苦笑いになって、席を立った。



「まあ、曲がりなりにも星界に宣戦布告したのだ。もう話が広がってるとは思わなんだが話をまとめてくる。シロウ、フランに城を案内してやってくれ」


「御意」


「フラン、城ではとにかくシロウに着いていけよ。迷子になっても知らんぞ?」


「お、お城にいていいんですか」


「?当たり前だろう。ああ、また鐘が鳴った。これだけうるさいのは妖精族か…」



しゅん、と一瞬で魔王さんの姿が消える。テレポートかな、流石魔王さんだ。


にしても助かった、ノリでついてきちゃったから住むところとか今頃不安になってたんだけどなんとかなりそうだ…。あーツナギ持ってくればよかったなあ。持ってるのはこのドレスだけかあ。お財布も家だし…。


そんな感じにぽけっとしていたら、さっきまで魔王さんの横に控えていたシロさんが静かに歩いてきて、綺麗に深いお辞儀を…お辞儀を…お辞儀!?



「どどどどうしたんですかシロさん!?」


「魔王の従僕たる身分でありますが、おそれながら貴方様をエスコートする許可を頂きたく」


「ふ、ふおお…?」


「…形式的なものですよ。令嬢らしく了承してください」


「あ、ああ、なるほど…」



かっこいい人が形式的にでもお辞儀してくるってなかなか心臓に来るんですよ!びっくり!!

私は頑張って、教育を受けた通りに慣れないドレスの裾をつまんでお辞儀し、了承した。うわあドレス慣れない。ツナギ着たい。


****

「シロさんシロさん!シャンデリアがとんでもなく大きいです!」


「あれはまだ小さいほうです」


「シロさんシロさん!高そうな絵画がいっぱいあります!!」


「先代魔王様の趣味だったそうです」


「シロさんシロさん!こっちはなんですか!?」


「調理場です…少し静かにできないんですか」


「しっ、シロさん!これ、これなんですか!?力がぬけていく」


「………侵入者用のトラップです。解除しますから動かないでください」



凄い!凄い!なんて知的好奇心を擽られる…!!

あちこちに目を巡らせて、脳内ノートに書き込んでいく。途中でなんか大きい檻に捕まって、しかもなんだかぐったりしてくるのでぺたぺた触って原料を考えていたらシロさんにため息をつかれた。


それにしても広い城だ。流石魔王さんの家…と思いながらきょろきょろと歩いていたら、べちんと顔を壁にぶつけた。痛い!あっこれ高い石だ!綺麗!!こんな石王城の一角でしか見たことな



「…リング」


「え?…おおああ!!?」



壁をさすさすとさすっていたら、いきなりぐいっと体が引っ張られる感覚がした。びゅんと後ろ向きに体が飛んで、目を白黒させていたらシロさんのところでぴたっと止まって。



「…あれ?魔法?」


「魔法です。あまりうろちょろされても困るので首輪をさせてもらいました」


「首輪?…な、なんか首に着いてる…!!」


「それが着いてる限りルデアさんは俺を中心に半径50メートルからは出られません」


「えええ…」


「…露骨にがっかりしないでください。俺がこの指輪を外している間は解除されますから」



首をおそるおそる触ってみると、細い金属の首輪が着いている感覚がした。

シロさんが着けている指輪は細身の金のリングにきらりと紫の宝石…多分アメジストがはまっていて、その、おしゃれだけど、うん。



「全身黒なのに指輪は金と紫色なんですね」


「いや、この格好俺の趣味じゃないですから」


「もしや…」


「もしや?」


「ママブランドですか!?」


「城から出ていきますか?」


「ごめんなさい」



素早く謝った。だってお目目がマジでした。はい。



その後もシロさんの後を着いていったら、いろんな人の肖像画が飾ってある部屋に入った。


いかにも強そうな人、優しそうな人、怒っている人、ニコニコ笑っている人。みんなかっこよかったり美人だったり、うん。とても眼福だ。

ずーっとおっていってみれば、最後に見知った顔がいて。



「…魔王さん?」


「ええ。ここにあるのは歴代の魔王様方の肖像画です」


「でも全然似てないような」


「…ああ、星界は王を血で選ぶのでしたね」


「普通じゃないんですか?星界はずっと今の王家の血を引く人が王様ですよ」


「魔界は違うんですよ。代替わりの度に戦争があり、それで優勝した者が次代の魔王様となるんです」


「戦争!?」


「戦争といってもルール付きのものですよ、死にはしません」



なるほど、そういう決め方もあるのかあとぼんやり考えていたら、肖像画の中にお母さんに似ている人が見えた。あはは、目元がちょっと似てる。

お母さん元気かなあ。何も言わずに魔界来ちゃったけど…。それに王城出る時の会話からして魔王さん星界のこと攻めそ



あれ?



「し、シロさん!魔王さんどこですか!?」


「先ほど呼ばれていましたし、お客様の応対をしているかと」


「行きましょう!すぐに!」


「は」


「戦争しちゃ駄目なんです!!星界の国民がたくさん、私の家族も死んじゃいます!!」



ガッとシロさんの腕を掴んで走り出した。どこにいけばいいのか分からないけど閃け私!ルデアの脳よ輝け!!


そうだよ!魔王さん不可侵条約破るとか言って明らかに全面抗争みたいに来ちゃったけど、国民は悪くないじゃん!!攻めるなら王族だけだよ!!

国民を危機に晒すなんてルデアの血にかけてできない…!



10分くらい走り回ってから、びしりと立ち止まって、目を白黒させて早歩き(脚の長さが段違いである、悔しい)しているシロさんの方を振り向いてこうさけんだ。



「シロさん!迷子になりました!!」


「…案内します」

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