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雪うさぎと黒からす  作者: 獅子倉七爺
2/2

はじまりのはじまりのおわり

【そしてはじまり】



 しばらくして、夕暮れに染まりきった校舎から二人の影が出てきた。

 よく見てみると、手の辺りが合わさっている。



「カラスマったらまだ顔真っ赤っか~。」


「ユキノが手を繋ぎたいとか言うからだ。」


「あっははは。わがまま聞いてくれてありがと!」


「あいよ。ま、俺も嬉しいしな。」


「……私まで恥ずかしくなってきたじゃない。」


「俺だけ恥ずかしがらせようっていうのが間違いなんだよ。」


「ふーんだ。ねぇ、そろそろ名前で呼んでくれて

もいいんじゃない?」


「今更呼びにくい。」


「ク・ロ・キ君。私の名前はなーに?」


「上目遣いはやめろ。んんっ、その、ウサミ。」


「えへへー。ウミじゃなくてあの時の愛称で呼んでくれるなんて嬉しい。」


「気恥ずかしいから使ってなかっただけだ。」


「これでやっと、何となく感じてた壁が無くなった気がする。」


「そんなの作ってないぞ。」


「そう感じるときがあるのー。私はずっと名前で呼んでたのにさ、カラスマひどい。」


「そう言われても良く分からん。でも、あんな昔の事覚えてたんだな。もう忘れてると思ってた。」


「忘れられるわけがないじゃない。あの時カラスマがくれた言葉が、今の私を作ってるんだもの。」


「くさいセリフだぜ。」


「んもう、何それ。雰囲気ぶち壊し。」


「俺は、ウサミと偶然会った時からずっと好きだった。だから、次見かけたら気づいてもらえるように、会った時につけてたイヤーカフスをずっとしてるんだよ。」


「いっ、いきなりね。どっちがクサいのよ。」


「お返し。」


「むぅ。私も大好きだよ、カラスマ。」


寂しがり屋の雪うさぎは、いつも一緒に居てくれる黒からすを見つけて幸せのようだ。



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