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第二話 コールドダイバー

第二章呼んでいただき有り難う御座います。


前の章よりも話の進展がより深まっていきます……

僕は、死んだのだろうか?


「AE-M2、体内温度上昇してますっ!」


感覚を覚えるのが懐かしく感じる?


「早くモニタリング、画面に映してっ」


冷たくて、狭い……


「心拍数は?図って、数値出す!」


「はいっ……心拍数微量ですが徐々に増加中です!」


「たくっ今頃になって行き吹き返すってどういう体してんのよ。」


……僕は、まだ生きているのか?


「正常値までアガッタァ?」


「はい、ですが一応安静にすることをお勧め――」


「はい、はい、みんなどいて、道開けるッ」


何か、聞こえる……


「おはよう、ハク君って名前合ってるかな、

そうだ岬ぃ、B棟から14列系統の冬架月って子のカルテぇ持ってきてくれる?」


カルテ?僕は病院にいるのか?

にしてはとても騒がしいな……


「はぁ、ご自分で用意されてはいかがですか?」


「イチゴ・オレ、カプチーノ、ブラッックコーヒー。

アンタが欲しいって言ってた飲みもん全部奢ったよね?」


「そんなぁ、たかが飲み物数本で、数十キロの距離のパシリはないですよぉ」


「月の小遣いがあればガキでも買えるそんな時代もあったような気がするけど、

アンタが生きているのは今なのッ」


「はい…いってきますぅ」


「お、起きたか少年?」


「ここは?…」


「まぁ、公共施設とっでも言っておくか」


虚ろな眼が覚めると、目の前には白衣の女性が立っていた。


「ここは一度、今までの事を綺麗に一回整理しよう、な?」


「え、はい?」


「よし素直だな、ではもう一回寝てもらうからな」


「うっ!?」


素早い拳が飛び出てきたかと思うと、

鳩尾に拳が入り、僕は又しても意識が遠のいていった……


―――――――――――――――


気づくと僕は、どこか知らない場所にに閉じ込められている。

窓一つない密室に、クッションの効いた壁。おまけに、心臓を中心に広く包帯が巻かれ、

真っ赤になる程に染み込んでいる。


精神病院か拷問部屋?


「案ずるな、これは尋問や実験とは違う…」


「では、この状況はどういう風の吹き回しですか?」


「取り敢えずその傷は既に、俺達が保護する前からあった。」


この人達が見つける前からあった?

だとすれば、この人たちは少なくとも僕を保護するつもりだったのだから

普通に考えて包帯は何度か新しい物に替えるはず。


「まぁな、それ一本で見つけた時から一度も替えてねぇからな」


「僕の体は!?」


「ま、その件も含めて説明する事が大量にある」


「ここに、オマエに関する幾つかの情報がある

オマエがここに関する情報に誤ったことを言わなければ直ぐに終る」


「情報って?」


「安心しろ、変に恥をかかす等、プライバシーに反することはしない」


「適当に答えるなよ、直ぐに帰れないどころかオマエの保護者が決まるのだからな。

まっ、どちらにせよ俺には無関係だがな。」


「取り敢えず、オマエの住んでいた町は?」


「東京だ、宇宙進出の進んでいた、新東京街」


「一応年齢と、名前」


「冬架月ハク、16です…」


「冬架月、となるとオマエの父親は天導家の秘書か?」


いつになれば、返してもらえるのだろうか?


「じゃあ、一昨日の夕飯は何を食べた?」


「ビーフシチューとステーキだったかな?…」


こんなくだらない質問を受けている間に家や皆が……


「それでは、昨日の夕飯は?」


「昨日、は――――」


綺麗に頭から昨日の夜の記憶がない。夕飯どころか昼の昼食からここに至るまで。


「たぶん、夕飯はまだ食べていません」


「それでは質問を変える。昨日お前に何が起きた?」


硬く錠で記憶が閉じ込められ、まるで、思い出すことを恐れ拒むように…


「おい、ここにきてだんまりか?肝心なところなんだ思い出せ」


思い出そうとすればする程、手から汗が噴出し、震えが止まらない。

思い出したくない、そう心が僕に語りかけるようで僕は男から逃げるように後ずさりした。


壁に背中が当たり違和感を感じた僕は背骨あたりをかいた。

すると、爪の中に瘡蓋がつまった。


「あのぉ、背中にも傷がありますか?」


「あぁ、ちっさいがな」


背中にも腹部ほどではないが傷がある。

その時、全てを思い出した。その瞬間、あの悪夢に居たという現実が僕の頭の中を巡った。


「何か思い出したような顔だな」


「落ちた後は、落ちた後は覚えていないのか?」


「はい……」


「分かった、お前の話を聞く限り取り敢えずオマエは心身共に正常と見た。

取り敢えずこの部屋から出て右にある小会議室に行って来い」


「え、話は?」


「そこで話を聞いた後、話し相手と相談して後の経路を決めろ。

選択の権利は、オマエにある。廊下で案内人が待っている、行け」


思い出せたと思えば今度は聞かず押し返しすなんて。いろんな事がありすぎて頭が混濁しそうだ。

取り敢えず、もう一度横になりたい。そんな気分だ。


「後、服はこれ着てけよ。裸で廊下歩かれたら怒られるのは俺なんだぜ?」


そうだ、気づけばこの温度に慣れて裸にされていたということを忘れていた。


扉を開くと眩しい光が窓から差し込んでいた。


「おつかれです、冬架月君。

長い間寝ていたのに起きたとたん質問攻めなんて……」


「いえ、僕は……」


話しかけてくれた女性は、僕と同い年のようだったが、

僕に対する態度は、年上にするようでどこか悲しむような哀れみさえ感じさせる。


「ここです、中に入って下さい。」


言われるがまま、部屋に入ると本棚と料理の並べられたテーブルが、真っ先に目に入った。


「強情だな。余程腹が減っているようだな。」


誰かに話しかけられようと、知った事かと言わんばかりに食欲は治まらない。


「ま、仕方がないな。3ヶ月以上オマエは眠りについていたのだから」


その言葉を聞いて、驚きから手が止まった。


「さ、3ヶ月?」


「あぁ、だから君の三ヶ月は一日前。その肉体も骨も包帯も冷凍睡眠に掛かっていた。

腐りもしないが、治りもしない。まぁ、一応医療班には治療すように言ってはおいたがな。」


「言い忘れたが、私は源玲(みなもと れい)。政府の端切れなどと思えばいい

おそらくお互い長い付き合いになる。以後宜しくな」


「ところで、Extra Sensory Perceptionって知ってる?」


「 通称『ESP(イー エス ピー)』日本語で超感覚的知覚。

一般的に、言うと『超能力』と言ったところね。

ここは、そういうのを研究する場所……」


「そして、あなたが知っているように事は前ぶれもなく起きた。

地表奥底で推測不明の巨大爆発が起き、何万という人が命を絶った。

そして、あの日紅の空を見たものは新たな感覚を研ぎ澄ます……」


確かに見た。あの赤い空を僕は……


「倒れていたあなたを助けたのは私達。

けれど、あなたを助けるよう手を回したのは、あなたの父親よ」


「父さんが僕を?なんで連絡を?」


「僕は、特別な能力を持っているの?」


「冷凍睡眠にかける前に血からPSI(サイ)特有のDNAの有無で分かる。

オマエは、陽性。つまり、PSIだ」


「僕が、超能力者?僕が……」


「そうだ、だがもうPSIは増えない。

轟天が空から私達を包み込んでいるからな」


「轟天?」


「人の作りし産物。

本来は宇宙進出計画の時の地球を守る為に作られた防壁。

今じゃ、悪魔の空から救ったと機械音を鳴らす壁を神と崇める者もいる」


「町は、僕の家は?」


「オマエを含めて、全部丸ごと地下へと堕ちていった。

ここは、宇宙進出計画の為に作られた巨大地下シェルター世界。

日本は、壊滅した。政府はもう殆ど機能していない。」


「政府と言う、理性と秩序を支えるものがなくなった今!!

町は、人は汚れ、腐り、先進国の面影はもう一寸もない」


「そ、そんな現実に……」


「起きた。

あれが起こった当時の方が現状は厳しかった。

道端には死んでいるか分からぬ沢山の人々が横たわり、犯罪者の発生率は、

日本で過去最大頻度。世界と比べても馬鹿にならない現状よ

今も昔と比べれば雲泥の差。日本は、黒と赤の巣窟と化したのよ」


「一度起きた爆発の被害で、そんな……」


「今の日本に変えたのは爆発だけと言う分けではない

まぁ、取り敢えず今度新しい日本の歩き方をじっくり教えてやるから」


彼女の口から次々に

事態の過酷さに、瞳の震えが止らず、彼女の声が頭の中で木霊する。


「もう良い子は寝る時間だ。明日の体調に響くから寝ろ

部屋は、そいつに案内して貰え」


「行きましょう……」


「はい」


「挨拶が遅くなりましたね」


唐突に突きつけられた非常な現実を僕は、無視することができなかった。

気まずい沈黙が広がる中、彼女は僕に明るく笑って見せてくれた。

そんな彼女の憂いが、痛いほど分かりやすく胸に突き刺さった。


「僕ってPSI、なんですよね?」


「そう、みいたいだね……」


「でもPSIになれて喜ぶ人も多いけれど、ハク君も好きかなそういうの?」


「僕は……嬉しくない……」


僕がそういうと彼女は真剣な顔になり、少しの間お互い黙り込んでしまった。


「でもね、ハク君PSIには力がある。

ただ、傷つけ合い、壊すだけじゃなく再生の力が……

少なくとも私達はそう確信している」


彼女は果てしなく続く、混凝土(コンクリート)の道の先を見つめ歩き続ける。

彼女の瞳は曇りひつ無く、偽りの無い目をしていた。


「ごめんね、あなたのことは何も知らないのに

知った口をきいてしまって……

もう直ぐあなたの部屋だから」


「いえ、僕は……」


「着いたよここがあなたの部屋で~す!

じゃ、そういう事でおやすみなさいっ」


話しを無理やり打ち切られたな。ベッドと明かりくらいしかないが、

寝られる場所があるだけましか……

分からない事だらけどこんな時だからこそ、

分からない事は考えず出来る事からやっていこう……

第二章、とても誤字があるかもしれません。

しかし、長い間更新が遅れてしまったので、

なるべく早くと思い、投稿しました。

読者様(いるか?)呼んでいただき有り難う御座います。

今後ともご贔屓に……(`・ω・´)キリッ

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