プロローグ
結構、力を注いで書いた作品ではあると思うのですが、
初投稿ではあるので、何かご不便な点がありましたら
指摘していただけると嬉しいです
二XXX年、10月24日。
天変地異、鼓動する東京の地面。
NOVATEK社がREPOSEを創って以来、地下鉄なんか使う人間は0に等しかった。
それどころか、地下鉄の存在自体がデマと言われていた。
だからこそ、地下鉄は政府にとっても盲点であった……
地下鉄の真下を原因不明の超規模爆発が、東京の足元を直撃。市民も政府も想定外の出来事となった。
初期微動などという余興もなく、悪夢は悪戯に訪れた。
国家は、多量の政治的財産と文化を失った。
そして、それに劣らぬ量の犠牲者と謎だけが残り、東京の真下に空虚で冷たそうな地下都市が大きく口を開いた。
―――――――
悪夢の前日、僕の父さんはNOVATEKと仕事の都合でイタリアへ出張することになった。
当時、「宇宙進拓プロジェクト」が企画されていて、父さんの出張もその為だった。
研究者の間でも宇宙に対する謎は多いものの計画は、順調に進んでいたようだった。
少なくとも、父さんからはそう聞かされていた。
僕の父親は、冬架月 慎という。
そして、今回イタリアで仕事を共にするのが天道 層樹。NOVATEK社の創業者で現社長である。
若くして一流企業である同業界のO-Campus社から出て起業したこの人は、名前に劣らず、崖の岩を仏像に彫り上げたような厳格な性格の持ち主だ。
そして、僕は冬架月 ハク。
父さんは、層樹さんの古い友人のような関係で、
今は、層樹さんの秘書のような仕事をしていている。PR活動から他社との対談にスケジュール管理、多くのビジネス面を支えている。
父さんが住み込みで働くようになってから、
僕も天導家でお世話になることになり、やむをえず働くことになった。
最初は、掃除等の雑用しか任されなかったけれど、
気づけば層樹さんの息子の千代君の執事役になっていた。
僕自身学校には行ってはいるものの同年代の男友達は少なく、
仕事と学生の両立は難しかった。
けれど、僕と彼は仕事以上に親友でもあり、彼との時間はとても楽しく感じることができた。
しかし、彼の父親のことは深く恐れていた。
彼が発明したのは、世界そのものを上書きする鍵となるものだ。
それは、日本だけじゃなく世界という規模を持ってしても絶大的存在と言えた。
最初は、何の気なしに発明する姿を眺めていた。
彼の発明は発表と共に直ぐいろんな国から学者や企業者が訪れ、情報等の公開要求をして来た。
しかし、彼の返事は何時も訪れる者の機嫌を崩すのだった。
彼が、独りで発明の技術を駆使し製品を開発し大量生産されることになってもその勢いが衰えることはなかった。
その余りにも大きな力故に、幼い僕の眼には支配者の様に映っていた。
最後まで読んで頂いて有難うございます
より作品の向上に精を出そうと思います(・ωφ)ノ