第3話「調停者」
プロローグで出ていた調停者(竜)が早くも登場。
本当に登場するだけ。活躍はもう少し待ってあげてください!
別世界に存在する竜と意思の伝達が行えるのは竜の生み出した獣人のみです。
また、その力ゆえにこの世界への干渉は限られている。
現存する調停者は5人。
いつかでてくる!
「成功だ、実験は成功だ。いやはや、思いもしなかった収穫だね、これは。ヒヒ・・・・ヒャハハハハ」
男は高らかに笑う。
「ノイラート様、それほどまでに順調なのですか?」
騎士の一人が彼、ウィルの父を殺したリーダー各の男にに声をかける。
「ええ。まだ不安定のようですが、意識は取り戻しましたよ。いやはや、意識を取りすだなんて思いませんでした。人形として本国で研究するつもりでしたが、まだまだ楽しめそうです」
ノイラートと呼ばれた男はいつもの笑みでそう答える。
「それで・・・僕達の会話中に何の用なのかな?許可を出した覚えはないんだけど」
先ほどまで二人しかいなかった部屋に一人の少女が現れる。
「申し訳ありまs・・・」
ひざまずき謝罪を述べる少女を蹴り飛ばす。
「以後気をつけろ」
少女は生気のない瞳で男を見つめ何の感情もなく答える。
「申し訳ありませんでした、ノイラート様」
「それで・・・用件は?」
「はっ、こちらに向かってくる獣人を確認しました。分かっている数で獣人15。そして、まだ未確認ですが獣人とさえ比べ物にならない巨大な魔力が接近しています。」
「ヒヒ・・・・ヒヒヒヒヒヒヒヒ。獣人が来るのが遅いとは思ったが、なるほど。調停者にでも救援を求めたか。まあ、エルフに魔族までさらってるしな。実験が知れれば全力でつぶしに来るのは当然のことか」
「如何なされますか?」
少女は男の指示を仰ぐ。
「お前は騎士団に付き獣人の相手をしろ。可能であれば捕獲しておけ。最悪死体でもかまわん。捕まえ次第戻って来い。俺は調停者かもしれない者に興味がある。では行け」
「御意に」
「ノイラート様の為に」
瞬きひとつもしないうちに部屋から二人の姿が消え、静寂を取り戻す。
「さて・・・仕上げの準備をしましょうか。ははっ、ヒヒヒヒヒ」
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ー同時刻ー
「ここか・・・。血の臭いがキツイな。」
ローブに身を隠した何者かが帝国によって荒らされた村へと足を踏み入れる。
全身がローブに隠しているにもかかわらず、その凹凸によりが女性だということが分かる。
「任務は・・・っと」
彼女は今回の任務を思い出す。
1、誘拐されたエルフの保護
2、誘拐された魔族の保護
3、襲われた村人の保護
4、事件に加担したものの処断
5、調停者の痕跡は残さない
「はあ・・・」
何度目とも知れないため息をこぼす。
1~3はともかく・・・問題は4、5か。
加担した者の処断って言ってもどこまでが加担した者なのか分からない。
痕跡を残すな・・・って言ったって。
用は誰一人絶対に逃がすなって言う事だ。
今回で言うなら
エルフ、魔族、被害にあった村の住人の記憶の改竄。
事件に直接加担したすべての人間の排除。
「はあ・・・」
考えるだけで気が重い。獣人も最高ランクとは言わないも一流の実力者を集めた。数だって十分のはずだ。
だが、村に着いてからずっといやな予感がしている。
「私のイヤな予感って当たるのよね。大体なんでわざわざ・・・」
と愚痴を零していると、村に入ってから感じていた不快感がいっそう強くなるのを感じた。
「なに?人間がこの私に魔力干渉でもしようって言うの?でも・・・おもしろいじゃない」
意識を集中させる。
不快感の元、きっとこの事件の元凶であろう何かがいる場所を探すために。
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各話の一つずつが本当に短い。
もっと長くしたいけどそんなスキルはないんだorz
読んでるとわからないけど書くのって難しい。
一日何話も更新している筆者さんってスゴい。




