プロローグ
物語の舞台となる世界について?
遥か昔、世界の覇権をめぐる戦いがあった。
神と魔。戦いは熾烈を極めた。しかし、その戦いは第三の勢力の出現によりあっけなく終わりを迎える。
両者の力の衝突による滅びを回避するため、世界が生んだ最強の力、竜。
その牙は堅牢たる神の守りを容易く打ち砕き、その鱗は魔のもたらす破壊をその身に通すことはない。
竜が行うは「戦い」ではなく「蹂躙」。
世界は他を省みない神魔の存在を許さない。逃れることのできない滅亡を悟った両陣営は自身の後継たる者として新たなる種を作り出す。エルフと魔族。
そして、神と魔は自らの子となるものに世界を託す。
神はその身を純然たる力として世界を満たす。その力は後にマナと呼ばれることになる。
魔は残りの力を結集し、己が末裔たる物の血に呪をかける。
これらの行いに心打たれた世界は神と魔の滅びをもって戦いを終わらせる。
調停の役目を終えた竜は世界の意思により残された種を監視すべく獣人を生み出す。
同様の事があれば次こそ滅ぼしつくすために。
そして自身はこことは異なる己の世界へと戻り眠りにつく。
世界は次なる支配種とてして人間を生み出す。
しかし人間は非力な生き物であった。
世界に残ったエルフ、魔族との競争に彼らは間違いなく適わない。
いや、そもそも荒廃した今の世界では生き残ることさえ難しいだろうと。
度重なる衝突により溢れた破壊と憎悪の力は強く残った。世界や竜の力をもってしても浄化することさえ困難なほどの残滓が。
それはマナに影響を与え魔物を生み出したのだ。
世界は神によって残されたマナが狂うのを抑止し、人間を守護する者として精霊を作り上げた。
そして一つの時代が終わり、新たなる時代が幕を開ける。
次から本編へ。
舞台はこの数百年後。
魔法と魔法科学が発達した世界。
中世レベルの社会なのに過去の戦争の傷跡として、戦争関連の技術がロストテクノロジーとして残る。
矛盾爆発は不思議世界。
大丈夫、その謎はきっといつかなんとかします!