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この空間なら俺が最強

 「爆発かァ関わりたくねェ」


 その日、俺は叶と一緒に、マックで夕飯を食べていた。

 叶と俺が一緒に夕飯を食べていた理由は


 叶曰く、蒼士と一緒にどっか行ったら、フラグ乱立やぁ~って朝の占いで言ってた。

 蒼士曰く、叶が奢ってくれるんだったら、夕飯台が減るからいいかな

 という事だ。


 そしてマックで腹を満たした後に、爆発は訪れた。

 近くではないし、遠くでもない。


 叶が近くにいるので、関わりたくない。


 出来るだけ遠くに行くよう歩く。

 そしたら何故か研究所に着いてしまった。


 これにも関わりたくなかったが、叶がどうしても見たいと言う。


 叶も特別な能力者だから、惹かれたのだろう、この研究所に。


 叶の能力

 それは、見たもの全てを数値かする能力。

 人も、雲も、風すら、数値化するその能力は、叶の脳に大きな負担をかけた。

 そこで叶自ら研究所に赴き、数値化する能力をある程度コントロールできるようになった。

 叶の考えは研究所は、良い所ぐらいの考えしかないのだろう。


 ドォンという音と共に爆発。


 「おいっ待て叶ッ」


 叶は研究所に逃げ込んだ。

 その姿を見ながら追いかけて、止まる様に声をかけたが、

 叶は止まらなかった。


 研究所内部に入ると誰もいなくて、廃研究所になっていた。

 しかし、水道の蛇口を捻ると、水が出たり、照明が点く事から、この研究所が

 使われなくなったのが、一か月以内だと分る。


 そうして、歩いて行くと、そこには、機械で遠隔操作できる機械機械機械機械。

 軍事兵器が大量に置いてあった。

 他にも、天井には監視カメラの様に設置された、大量の重火器。


 ここも、戦争の為に作られた研究所か?


 そんな事を確認しつつ大きな機械が置いてある部屋に辿りつく。


 「スーパーコンピュータ…」


 叶のどこか驚愕した声が聞こえる。

 そして、叶が電源が生きている事を確認して、電源を入れたと同時に轟音が

 鳴り響く。


 「なんだックソッ天井が崩れてきてやがる」


 「俺はスパコンの電源を入れただけだぞ!!」


 そんな事分ってると返事した後に、大きく空いた天井から一人の少女と一人の男が降りてきた。


 彼女が追われているらしく、大きく肩を上下に揺らしていた。


 対して男は肩を揺らす事なく、大きく開いた瞳孔で彼女を追っていた。


 「七瀬かッお前七瀬だよなぁ!?」


 整った顔に、綺麗な茶髪、貧相な胸、間違いない七瀬だ。


 「まだ死にたくない…よっ……」


 七瀬のプライドからは考えられない事をいった。

 これは確実に、蒼士の虚を突いて、驚きの表情にさせた。


 「おい、そこの…お前コイツにこんな顔させやがって…

 コイツの一番良い顔は笑顔だ!!

 それをお前に壊す権利はねーよ」


 そう言って手のひらを爪が喰い込む程強く握りしめる。

 蒼士の拳には紅い線が滴っている。


 「シシシシ、お前は俺をウェイアウトと知って言ってんの?」


 男はそう言って自慢げにしているが、勿論ウェイアウトなど

 蒼士は知らない。

 蒼士がその事を顔に出していた為か、

 ウェイアウトは静かに言った。


 「おいおい、じゃあお前実験関係者じゃないんだな?

 だったら、口封じの為に殺さなきゃいけないじゃん。

 …おもしろそ♪」


 ウェイアウトは拳を前にだす。

 拳を開き、また閉じる。


 「展開、拒絶」


 すると空気の塊が飛ばされる。

 頬の皮膚が切れる。

 しかし蒼士はそこに立っていた。


 「演算を間違えたか?こんな事初めてだ」


 そうやってまた放つ。

 しかし、今度は全く当たらない。

 また放つ、また放つ、掠りもしない。


 「…お前なんかしてんのか?」


 ウェイアウトは気づいた様に言う。


 「ああ、簡単だよ、空気の塊ぐらい

 受け切る事も、流す事もできる、

 俺の力『干渉』によってな」


 そう言って右手をプラプラと振る。

 刹那、鉄パイプが飛んできた。


 「は?」


 それが脳天を突いて止め処なく、血が溢れだす。

 しかし、それでなく飛んできた鉄パイプの速度にびくっりする。

 

 「お前、そんなに血流してるのに、痛くねェの」


 ウェイアウトが自分でやったのに、心配してくれる。


 「なんだ、この新感覚心配アクション。

  まぁ、額から血を流すの慣れているというか、なんていうか…」


 そう言うが早いが、また鉄パイプを放つ。

 今度はそれを受け流す。

 

 「もう通用しないぜ…

  っていうか相性最高すぎるだろ…干渉と拒絶って」


 そう言って笑みを浮かべる蒼士は、主人公には不向きかも知れない。

 しかし、それがもう分っていたウェイアウトは次の行動に移っていた。

 体が、何かを拒絶した様に、光始めて、次には腕が爆発して

 余波で、叶を傷つける。


「自爆!?なんてッ迷惑な」


 蒼士は七瀬を守り続けた。


 ウェイアウトの体が原型が分らなくなった頃、

 スパコンの熱処理を行っている空調の音が激しくなる。


 「おい!まさかコイツ…!!

  やられた…!

  逃げろッウェイアウトはスパコンに入った!!

  研究所の有りとあらゆる兵器を使って俺達を殺す気だぞ!!」


 スパコンを壊すという選択肢はない。

 これを壊せばそれこそ爆発が研究所の兵器を伝って、

 雪だるま式に大きくなって、蒼士達が死にかねない…!!


 するとケガを負った叶が急にスパコンに近づき、

 近くにあったノートパソコンを接続し始める。


 「どこに、どこに、僕達の未来はありますか?」


 叶は恐怖で引き攣った顔でそれを問いかける。


 「アイツを倒した先だ。

  アイツを倒せば、研究所も俺らも

  勿論、七瀬だって無事だ。

  けどそんな事--------」


 そこまで言って、蒼士は気が付いた。


 「お前、まさかやる気か…!?」


 叶の戦いが、始まった。


 能力を最大まで、上げて脳を酷使する。


 頭に血が上り、鼻血がでる。

 それ以前の爆発によってできた紅い切り傷と、青い打撲痕に

 プラスして鼻血が彩られる。


 スパコンの中という異常なまでの、数値の世界で

 データ化されたウェイアウトを見つける。


 それを削除しようと、多量なデータ削除プログラムを見つけ、

 それをぶつける。

 それは無常にもウェイアウトによって防がれてしまう…!!

 

 しかし、悔しがる暇を与えない。

 ウェイアウトは研究所の機械を操り、此方(現実)にも攻撃を

 加えてきたからだ。


 「なッやばい!!」


 叶の声が響く。

 蒼士は身を翻し、全ての攻撃を受け切る。


 「こっちは任せろ!!お前はお前にしかできない事をやれ!!」


 蒼士は絶叫する。

 

 「…おう!!」

 

 叶の指がもう一度キーボードに向かう。


 それぞれの戦いが始まり、一つの答えに向かう。

 未来。

 

 叶は打ち終わり、エンターキーへ打つ。

 叶はこれまでに出した事の無いほどの声を出す。


 「これでどーだぁぁぁぁぁ!!!!!」


 ダンッという音と共に機械が止まる。

 終わった。

 叶の安堵の声が響く。


 蒼士に異常が起こった。

 突然胃液をコンクリートにぶちまけた。


 全てを数値化して見ていた、叶は見た。

 ウェイアウトのデータが蒼士に入るのを。


 「糞、クソォォォォォ」


 叶の声が響いた。

 



 

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