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幕間:特殊兵器

とある日、空に黒い点の帯が現れた。

点は鳥の群れではなく、金属の小片が協調して動く群であり、瞬く間に都市上空を覆った。

住民は初めは興味深げに見上げたが、群れはやがて形を変えて

そこにあるすべての機構を引き摺り壊すものであった。

同時に、低周波の不穏な振動が地中を這った。人々は耳鳴りとしてそれを記述したが

症状は耳に留まらない。平衡感覚の乱れ、嘔吐、酪農廃業

そして些細な手作業の失敗──それらはすべて同じ波形の残響と時間的に重なった。

都市では電子機器の挙動が次々と乱れた。


人々は信用の基盤を失い、手書きの記録と声による伝達に戻るしかなかった。

野外では、とある地点が説明のつかない熱変性を受けた。

草地の一部だけが焼け焦げたように変質し、

金属の表面が局所的に溶解して波模様を残し。

その地域に生育する植物のすべての種類が破壊された。

夜になると、街角で人々の目が一斉に瞬きを乱した。

視界を突く閃光、白い残像、そして瞬間的な失明の症例が報告され始める。

車のライトは効かず、歩行者は普段の道順を失った。

灯りがあるのに見えない、という恐怖が街を静かに包む。


これらの現象は別々に起きたのではない。

現地の調査が示したのは複合的な相互作用だった。

個々の効果は局所的だが、

重なり合うことで都市の機能と社会的信頼を急速に切断していった。

最終的に残ったのは、説明の空白だ。学者たちはデータを拾い続けたが、

測定の盾は薄く、真理は遠かった。

結局残ったのは、説明の空白と適応の痕跡だった

そしてどの文明も想定しなかったのは、制御が及ばない相互作用の暴力であり

ある程度の規模では機能不全に陥ることだった。


ネタ切れ

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