表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さっく・あうと  作者: 砂糖あーる
一日目
8/28

07話  少しの不安

「…そんで、試しにそのドアを三回ノックしたわけよ。別に何も起きなかった。安心して後ろ振り返ってみると………そこにはさっき人形を刺したはずのナイフが…」 

「ギャーーーーー!!!」 

「うるせぇ!」


 栖春は怪談のお話を現在進行形で話している。リアクションがいちいちうるさい祥平は洸介にツッコまれた。

 それくらい栖春の作った怪談は四人の中で断トツで人気があるのだ。盛り上がりもとても面白くて洸介も話に吸い込まれていたのだが、横で叫ぶ祥平はうんざりだ。話がなかなか入ってこなくなる。


「いやだってぇスバルの怪談怖いもーん…」

「まあそれは認めざるを得ないね。クオリティーが段違い」


 和貴の言う通り、栖春の怪談は他の三人の怪談よりクオリティーが全然違う。何かとリアルだし、そして怖がらせるタイミングやその他諸々(もろもろ)素晴らしい。そこらへんのホラー映画より栖春の怪談の方が怖いと言っても過言ではない。

 和貴が話し終わった丁度ちょうどいいタイミングで蠟燭ろうそくの火が消えた。明かりが消えて視界は真っ暗になった。


「お、消えた」

「確か蠟燭ろうそくが消えるのは三時間だったはず…」

「火をともしたのは確か零時三十分だから…もう三時三十分!?」

「時の流れって本当に早いね」


 洸介の言う通り、現在時刻は三時三十分、もう一日目は半分を切っていた。一人三回計十二回の怪談はそこで幕を閉じた。


「よーし、次は…」


 祥平がそういった瞬間だった。


ミシ

ギシ

ガチャ

ミシ……………


 変な音がした。ミシミシと床がきしんだような音が聞こえてきた。まあまあ大きい音なので祥平の声にも負けていなかった。それを聞いた四人は途端に汗が流れ出した。

 四人はすぐに机の下に潜り込み隠れた。段々と近づいてくる音、そして地面から伝わる振動にはとても心臓に悪く、祥平は涙目だ。

 教室のドアが突然開いた。ガラガラと大きな音を立てて勢いよく開き、それに四人はビクッとなった。が、机に頭を当ててしまうとバレるので本当の本当に我慢した。

 少し時間が経って、音と振動は遠くに行ってしまった。安心して机から出ると、やはり誰もいなかった。


「あぶねぇ…まじでバレるところだった」

「ていうか誰だよ本当に」


 祥平と栖春はひとまず安心、誰かにバレたら普通に退学はあり得る話なのでバレなかったことには感謝しかない。そんな様子の二人が次に見たのは滝のように汗をかいて深刻そうな顔をした洸介と和貴だった。

 洸介と和貴はスマホの画面を見ながらブルブル震えだした。


「…どうしたの?スマホなんか見て……………」

「…見る?コレ…………」


 いきなりスマホの画面を向けられて、光の強さに少し目が痛んだ。その光の強さに慣れたころ、改めてスマホを直視する。


「…………………なんだよ…コレ」

「さっき取った写真…………」


 写し出されていたのは人型のナニか。頭部の目らへんのところは赤く光っており、体は鉄のようなもので出来ているが、壊れたような形跡があちらこちら確認できる。機体は水色である。

 その情報しか入らないこの写真、人間ではないこのロボット、この学校の変なところに気づいたのは今で最初だった。四人はあまりの迫力で腰を抜かし尻もちをついた。


「…あ、あ、あ、あ…」

「ロボ………ット?」


 祥平と栖春と和貴が困惑と驚愕きょうがくを繰り返し感じていた時、洸介は何かを見つけた。床に黄色い付箋ふせんが落ちていた。こんなものは最初教室に入ったときにはなかったので、さっきのロボットが落としたに違いないと思った。


『ファースト』…?


「洸介、何それ」

「わかんない。多分アイツが落としてったやつ」


 一気に情報が入りすぎて四人はそろそろキャパオーバーしそうである状態だ。もう何が起こっているのかさっぱりだ。理解しようとしても理解ができない。なんなんだこのよくわからないロボット的なものは!??


「…待ってたよ、こういうの」

「…………………しょーちゃん?」

「こういう学校の秘密、待ってたぞォ僕はァ!!」


 なんか一人で盛り上がっている祥平を見て、他の三人は若干引いていた。こんな怖いことが起きたのに今とてもさわいでテンションが上がっているのはさすがに普通の人と大きくズレている。ただ冷ややかな目で見ることしかできなかった。


「まあ、こういうのも悪くないのかもな」

「お前もそっち側かよ」


 なんとあの洸介さえ乗ってしまった。その事実に栖春と和貴は衝撃を受けた。残念ながら洸介は悪乗りが結構好きで止めることもできない、暴れ馬のようなものだ。


「もう…だめだこりゃ……………」


 栖春は溜息をつくしかなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ