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さっく・あうと  作者: 砂糖あーる
一日目
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06話  一日目、開始

八月二十五日

 一日目、開始。

 暗い職員室のドアを開ける。でも、電気は学校全体についていないのでまだ暗い。変な雰囲気がただようこの学校に安心できる場所はない。例え電気がついていても安心はできないだろう。

 四人は懐中電灯をバッグから取り出して電源をつけた。ピカっと光り辺りはとても見やすくなった。明かりがあるのでほんの少しだけ安心できたし、それはそれでシチュエーションだと思えばだんだん怖くなっていく。


「…それで、何するの?」

「とりあえず教室行くんじゃない?」


 洸介は疑問に思った。深夜の学校に来て、探検するのはわかるが何をするかをまだ知らなかった。何処か回るのかそれとも今から遊ぶのか。どちらにしろ楽しいのは知っていたが、やはり気になるのもだ。

 和貴は洸介の質問に答えた。が、本人もよくわかっていないので発した言葉も疑問形になっている。四人は曖昧あいまいなままこの学校に来てしまっていることに後悔した。


「2ーDに行くの?」

「まあいいじゃないかどこに行っても」


 洸介と和貴とは対照的に、栖春は結構適当な奴で、あまり気にしてはいなかった。ただ何処に行くかはやはり知らないし、あんましそんな細かいことを知って意味はないと思っている。

 祥平も同様、結構適当な部分があって今回話し合いをしたのにも関わらず細かいことは一言も話さなかった。


「それじゃあレッツゴー!!」

「ほんと、振り回されてばっかだな俺ら」

「それな」


 テンションが上がっている祥平は誰にも止めることはできず、もう振り回されるしかないのだ。そんな祥平は一歩、二歩と歩き出してしまった。これには洸介と和貴も自分たちの自己主張が薄すぎることに後悔するしかなかった。




ガラガラ


「おおーー誰もいなーい」

「当たり前だろ」


 とりあえず和貴の言う通り教室に行ってみた四人、誰もいなく暗い教室には慣れないものだ。机はあるのに誰も座っていない現象はとても趣深い、そう洸介は思った。学校に早くついても見れる光景なのに、やはり夜だからだ。夜の力に改めて驚かされてしまった。

 四人は教室に入って、だいたい真ん中らへんの机を四つくっつけて四角形を作った。その後にそれぞれ一人一席ずつ座りバッグを背中から降ろして床に置いた。


「じゃあ、まずこれをしよう」


 団長の祥平はバッグから何かを取り出そうとする仕草をし始めた。何も知らない他の三人はただ見つめることしかできない。


なんだろ…早速遊ぶのかな?カードゲームとかか?


……………何するんだろう。


 栖春と和貴は祥平が何をしようとするかを考えた。栖春は祥平と言ったら遊びだと思い、持ち運べてどこでも遊べるものだと考察。たどり着いた答えはカードゲームだった。和貴は何をするかは考えたものの、特に思いつかなかった。

 ここで、幼馴染の力が出る。洸介は祥平のことを考え、今から何をするかも考える。


しょーちゃんは雰囲気を壊すことは多々あるものの、企画となったら結構雰囲気を気にする奴だ。そういうところだけこまめなんだよななんでだよ。

夜の学校…暗い雰囲気…夏休み…しょーちゃん……………なるほどな…多分アレか。


「しょーちゃん」

「何?こーちゃん」

「…ロウソク?」

「…当たり!」


 祥平はニヤリと笑った。洸介の考えは的中したのだ。


「さっすがこーちゃん!なんでもわかるなぁ~」


 これにはさすがに洸介も嬉しくなってしまいニヤケが止まらなくなる。


「すごお前」

「なんでわかったの?」


 さすがにこれは何かの不正があったのかしか考えられない栖春と和貴は洸介に直接聞いた。洸介はその質問にはさっき考えていたことをそのまま伝える。


「これは幼馴染パワー」

「勝てるはずもなく」

「よし、準備できた!」


カチッ    ボッ


 祥平は机の真ん中の上に小皿を出して、蝋燭ろうそくを直立させた。ライターをポケットから取り出して早速蠟燭ろうそくに火をつける。そしたら小さな音を立てて明かりがついた。


「ほんとに雰囲気出るな」

「さあさあ、ネタバレもされたことだし今から始めるぞぉ~」

「怪談なんて久しぶりだなぁ。小学生以来かも」


 四人は各々(おのおの)怪談を考えて順番に話すことにした。

 現在時刻は零時三十一分、学校探検はまだまだ始まったばかりだ。

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