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第二十八話――黄金とは永遠、永遠とは希望

「黄金とは永遠!」


シャングリスの声が轟くと同時に、大地が黄金へと変わっていく。

足元の砂は輝き、周囲の廃墟が純金の宮殿へと姿を変えた。


「永遠とはすなわち希望!」


彼が掲げる剣が煌めき、空が黄金の光に包まれる。

その瞬間――俺たちは時間の流れが歪むのを感じた。


「クソッ……身体が……遅く……!」


ナタリアが呻く。

ガルヴェスの動きも鈍くなっていた。


「貴様らの時間は止まる。

貴様らの戦いは無意味となり、永遠の美の中で静かに眠るがいい」


シャングリスの能力――それは時間の固定。

彼が黄金へと変えたものは、永遠にその姿のまま留まり続ける。


俺たちの動きもまた、黄金の力によって縛られつつあった。


「永遠なんて……希望じゃねぇ!」


俺は叫び、二丁拳銃を構えた。


「希望ってのはな、変わり続けるものだ!

止まった世界に希望なんかねぇ!」


魔力を込め、引き金を引く――だが、銃弾が止まる。


「無駄だ」


シャングリスは余裕の表情で俺を見下ろしていた。


このままでは勝てない。


時間が止まる――それは俺たちにとって致命的だ。

だが、この力を逆手に取ることはできないのか?


「ガルヴェス、ナタリア……!」


俺は必死に声を振り絞る。


「奴の力は固定だ! なら……逆に、圧倒的な力で流れを作れば!」


ガルヴェスが目を見開く。


「なるほどな……!」


彼の全身から雷がほとばしる。


「静止を打ち破るには、圧倒的な加速……!」


ナタリアの体が青白い魔力に包まれる。


「なら……やるしかないわね!」


俺も魔物の力を解放する。


「行くぞ、シャングリス!!」


黄金と雷と魔力が交錯する、決戦の幕が開けた――!



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