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第二十七話――最後の四天王
ロシアの奥地へと進むにつれ、空気が変わっていくのを感じた。
街が消え、大地は金色に染まり、空は鈍く輝いている。
「……まさか、これが『黄金のダンジョン(エルドラド)』か?」
俺は目を疑った。
ダンジョンといえば、瘴気や暗闇、混沌とした景色が広がるものだ。
だが、ここはまるで幻想の世界。
「この魔力……並じゃないわね」
ナタリアが身構える。
「どうやら、歓迎してくれるようだぜ」
ガルヴェスが剣を抜いた瞬間――
ゴゴゴゴゴ……!!
大地が揺れ、金色の砂が舞い上がる。
砂の中から、巨大な影が姿を現した。
「来たか……我が玉座へ」
最後の四天王――黄金帝シャングリス。
全身が金の鎧に包まれ、王冠を戴き、輝く大剣を持つ巨躯の戦士。
その眼には、人を見下すような冷たい光が宿っていた。
「愚かな侵入者よ……貴様らもまた、黄金へと還るがいい」
俺たちは武器を構え、最後の四天王との戦いに挑んだ――。




