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第十八話――氷を砕く者

「無駄だ。貴様らの攻撃など、我が氷には通じぬ」


ヴァルドリウスの声は冷酷だった。


ダンジョンの空間全体が凍りつき、寒さで息すら白く染まる。

だが――俺は知っている。


氷は熱を奪う。ならば――


「ナタリア! ガルヴェス!」


「……了解!」


ナタリアが魔力を込めた矢を放ち、ガルヴェスが地面を踏み砕いて衝撃を生み出す。


その隙をついて、俺は両手の銃を構えた。


「――《ヘルハウンズ》」


ドンッ!!


炎を帯びた魔力弾が連続で発射され、ヴァルドリウスを包み込む。


「フン、無駄だ」


彼の氷壁が弾丸を弾く。

だが、それでいい。


氷は熱を奪う――つまり、限界がある。


「……何?」


ヴァルドリウスの表情がわずかに歪んだ。


「お前の氷は強力だが、限度がある。魔力を込めた氷を維持するためには、膨大な魔力が必要だ」


ヴァルドリウスの周囲に張り巡らされた氷壁が、わずかにヒビを入れる。


「――貴様ッ……!」


「砕けろ、ヴァルドリウス!!」


俺は最後の一発を放った。


魔力を最大まで込めた炎の弾丸が、ヴァルドリウスの身体を貫く。


――ガキィィィン!!


「……ッ!!!」


ヴァルドリウスの鎧が砕け散り、膝をついた。


「バカな……この私が……」


「終わりだ」


俺は銃を構え、最後の弾丸を彼の額へ向ける。


ヴァルドリウスは苦笑しながら、静かに呟いた。


「……次の四天王は……お前を待っているぞ……」


――ドンッ!!


銃声が響き、ヴァルドリウスは崩れ落ちた。


戦いが終わり、俺たちは次の目的地へ向かう。


新潟――そこに、次の答えがある。



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