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第十七話――氷結の暴君ヴァルドリウス
「貴様らがゼファルドを討った人間か……」
ダンジョンの広間に響く、冷酷な声。
氷の如き威圧感を放つ男が、俺たちの前に立ちはだかる。
魔王四天王――氷結の暴君ヴァルドリウス。
蒼白の鎧に身を包み、手には巨大な氷剣。
その身体からは常に冷気が溢れ出し、周囲の空間を凍らせている。
「名乗る必要もない。貴様らはここで終わるのだからな」
ヴァルドリウスが剣を振りかざした瞬間――
――ゴォォォォッ!!
瞬時にダンジョンの広間全体が凍りついた。
「クソッ、動きが……!」
足元が氷に覆われ、自由が奪われる。
「フン……鈍重だな、人間ども」
ヴァルドリウスの手がわずかに動いた瞬間、氷の刃が無数に生み出され、一斉に俺たちへと襲いかかる。
「砕けろ!!」
俺は《ヘルハウンズ》を放つが、魔力弾は氷壁によって弾かれた。
「そんな攻撃、俺には通用せん」
「ッ……!」
ヴァルドリウスは一歩踏み込み、氷剣を振るう。
俺の視界が、一瞬にして白に染まった。
――この戦い、一筋縄ではいかない。




