第十三話――真実の扉
「思い出せないか? 三頭の銃……いや、栄基 布藤!」
ゼファルド――いや、獅童 小宇佐の言葉が、俺の頭を貫いた。
何かが弾けるように、意識の奥底から記憶が呼び起こされる。
「お前は……まさかそんなはずはない……!」
俺の中の魔物を通じて知った“世界の真実”。
かつて、この世界には“二つの世界”が存在していた。
その境界を揺るがす“実験”が行われた時、ダンジョンと魔王が同時に現れた。
そして――
「そうか……記憶が曖昧だったが……思い出したよ」
俺はゼファルドを睨みつける。
「お前が俺に魔物を入れたんだったな」
ゼファルドは不敵に笑う。
「ようやく思い出したか。さすがだな、ケルベロス」
「にしても……ゼファルドとか、中二病丸出しの名前つけやがって。相変わらずのセンスだな、獅童 小宇佐!」
俺の言葉に、ゼファルド――いや、小宇佐は肩をすくめた。
「ハハッ、懐かしい名前を出すなよ。今の俺はゼファルドだ」
「知らねえよ。そんな名前、どうせ後付けだろ」
「まあな」
ゼファルドは細剣を肩に担ぐと、ゆっくりと歩み寄ってくる。
「だがな、布藤――お前に魔物を入れたのは“俺の意思”じゃなかった」
「……どういうことだ?」
「この世界の真実を知る者が、俺たち以外にもいるってことさ」
俺の心臓が、不快な音を立てた。
「“魔王”……か?」
ゼファルドは微笑む。
「さあな。ただ、一つだけ言えるのは――俺もお前も、この戦いの“駒”にすぎないってことだ」
その言葉が何を意味するのか、俺はまだ理解できていなかった。
だが、間違いなく――俺たちの戦いは、ただの生存競争ではない。
“世界の真実”を賭けた戦いの幕が、今、開きつつあった。




