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苦しみとの対話⑦

作者: 田坂仁志

1000文字エッセイシリーズ


苦しみとの対話⑦


人生は苦しいものだ。


息ができない。そう思い、人は天と天井を眺める。


息ができない。そう思い、人は生きているのである。


生きているだけで、実は大変なことなのだ。


この世界に存在しているだけで、実は大変なことなのである。


生きている。


生の炎を燃やしている。


それだけで実は不安で、苦しくて、どうにかなりそうになるのが人と云う存在なのである。


僕自身、苦しみに満ちている。


そして、その苦しみから解放されたいと願っている。


しかし、苦しみから解放された瞬間、僕は植物のようになり、何もしなくなってしまうのである。


ああ、人生とは何たるか?


人生とは?


人とは?


若い頃はそうやって悩むけど、僕はもうそんなことどうでも良くなってしまったのだ。


どこに行くのか?


どこに行けばいいのか?


もう、成り行きに任せて生きようと、そう思い。


死なない程度に、フラフラと生きているのである。


少年時代。全てが輝いて見えて。


思春期をむかえる頃には、世界は曇って見えていた。


青春を謳歌しているように見えても、世界はいつの間には曇って見えてしまっていたのだ。


希望を抱き、理想に邁進した日々は過ぎて、僕はまたボウフラのようにフラフラと生きることになった。


そうやってボウフラのように生きて、引き寄せられたものに感謝をしようと思ったのだ。


神は渇望する者に渇望するものを与えようとはしない。


だったら、フワフワと生きよう。そして、引き寄せられたものを大切にしよう。


僕はそう思ったのだ。


良いことも悪いことも沢山あるのが人生だ。


良いことも悪いことも少しだけ時間が経過してみないと分からないもの。


僕はカルマの中を生き。


業にまみれて生きている一人の人間なのである。


生きていることは苦しいことだ。


愛する者とはすれ違って、病に苦しむ。


そして、時に喜びもあり、悲しみもあり。


僕はまだ生きている。


そう思う。


ただ、僕はもう成り行きに任せようと思うのだ。


全てのことを成り行きに任せて、フワフワとしていたいのである。


フワフワと。


どこか上の空の感じ。気取らないで、どこかいい加減な感じ。


そんな感じで、生きてこうと思うのである。


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