【作品紹介031】ひよっこ魔導技師、金の亡者を目指す~結局一番の才能は財力だよね~
えー、気がつけば2024年も残すところ1/4となりました。皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。私は今年もスコップを続けていたものの思うような成果を挙げることが出来ず、挙句カクヨムに浮気しながら読み専生活を送っていました。
さて、前回のこのエッセイ更新が2024年2月ですから、実に半年以上経過しています。その間に『魔術漁りは選び取る』をスコップし、良きタイミングで紹介すべく機を伺っていたものの、その前になろうでもカクヨムでも大人気になってチャンスを逃すなんてこともあり、今年はもう紹介する機会はやってこないのかなと諦めかけていました。
ただその前に一度、今年のハイファン作品を洗ってみようと思い、数百作品のタイトルとあらすじをチェックし、良さそうな作品を片っ端から読んでみたところ、運良く紹介できそうな作品に出会えたのでした。
■この作品をどうやって見つけたのか?
なろうファンDBのこだわり検索にて、今年連載開始のハイファンタジーのうち、総合ポイント1000未満に絞って掘っているときに出会いました。あらすじの出来が良く、かつ1話あたりの文字数がこのご時世では珍しく4000字越えと、読み応えがありそうという点に惹かれた次第です。
■見つけた時のステータスは?
連載開始の4月から今日まででブクマ150、総合ポイント600ほど。感想は1人熱心な読者が複数回書き込みをしていて全部で5件といったところです。
■どのような物語か?
いわゆる迷宮探索モノです。といっても今ローファンで人気のダンジョン配信系とはかなり趣が異なり、むしろ古き良き時代の迷宮探索モノ然としています。それもそのはずで、本作の舞台設定はダンジョン&ドラゴンズを下敷きにしており、ファンタジーにつきものの竜種は、人類には不可侵の超常の生物として描かれています。そんな世界において、主人公は非力な魔導技師としてキャリアをスタートさせます。
明らかに迷宮との組み合わせが最悪な魔導技師。当然のごとくハードモードな展開が待っているわけです。これを主人公は、持ち前の知恵と巧みな駆け引きと悪運で乗り越えていき、やがて世界の真実に手が届くまでに至る、そんな物語です。
■この作品のどこが自分に刺さったのか?
まずは今どき珍しい硬派な設定に痺れます。
その上で主人公とその仲間や取引相手との駆け引きも面白い。今のところ4章までですが、どの章も弱者の立場で最大限の成果を挙げるお話であり、そのアプローチは毎回意外性に富んでいて飽きが来ないです。
また、主人公と他のキャラとの掛け合いも非常にセンスを感じるもので、読んでいて何度もクスッと笑ってしまうことがありました。
■どんな人に読んで欲しいか?
読み応えのある本格的なハイファンタジーを読みたい人には丁度良いと思います。おそらく本作品はスキマ時間に追いかけるよりは、時間をしっかりとってガッツリ読むのに適していると思います。ストーリー展開はともかくとして、どことなく去年人気を博した『かくして少年は迷宮を駆ける』と雰囲気が似ているようにも思いましたので、その作品が好きな方ならこちらの作品も好きになるやもしれせん。
■ざっくり評価
9.0
■テンプレ要素
なし
■作品成分
成長 20%
ヒューマンドラマ 10%
冒険 50%
成り上がり 20%
■更新頻度
基本毎日。ただし章と章との間で最大2週間ほど空きがあります。
■URL
https://ncode.syosetu.com/n3107ix/
今年はこれでまだ2本目。せめてもう1本ぐらい紹介したいところです。