【作品紹介028★】勇者ディンは2.5回殺せ
3ヶ月ぶりの投稿になります。
この記事を投稿した9/29(金)は私にとって特別です。なぜなら、私が好きな『葬送のフリーレン』のアニメ第1話の放送日であり、今年の小説家になろうのファンタジージャンルで話題となった『誰が勇者を殺したか』の書籍の発売日でもあるからです。
この2作はどちらも『勇者の後日譚』という共通点があります。一方、物語の展開は全く異なります。それゆえ『勇者の後日譚』というジャンルの奥の深さを感じます。
なぜそんな話をするかというと、今回紹介する作品も『勇者の後日譚』系作品だからです。この日のためにわざわざ探してきたという訳ではなくて、たまたまスコップしていて見つけた作品です。この出会いはもはや運命と言えるかもしれません。ちなみに主人公は勇者でもなく、勇者パーティ一行のメンバーでもなく、孫です。
■この作品をどうやって見つけたのか?
なろうファンDBで、ここ数ヶ月の間に連載開始されたファンタジーのうち、感想数順に300作品ほどリフトアップしてタイトルとあらすじを眺めていた際に目に止まったのが本作です。タイトルはあまり惹かれなかったのですが、あらすじがユニークで、気になって読み始めました。
■見つけた時のステータスは?
連載開始2ヶ月、80話を過ぎたあたりでしたが、ブクマは27と2桁しかなく、ポイントもかろうじて100は超えていたという状況です。感想は2人が書き込んでいるのみで、1人は中国人のようでした(中国語らしきもので投稿していたから)。
正直、この反響でよくここまで連載を続けてくれたと感謝したくなりました。なろうは、反響が薄い作品はモチベーションを維持するのも一苦労で、エタる作品はとても多いですから。
■どのような物語か?
主人公は勇者の孫です。物語は主人公の祖父すなわち勇者その人が老衰で亡くなるところから始まります。
勇者の最後の言葉は「私は魔王を倒していない」。
この言葉は、魔王を倒し平和を謳歌する国、そして勇者の名声を使って一儲けを企む主人公に大きな波紋を呼びます。焦った主人公は、その言葉を都合よく捻じ曲げて隠蔽を図るとともに、その真意を探ろうと当時の関係者や秘匿された資料の調査に乗り出します。
そうして真相に近づいてきたところで、何者かによって命を奪われるのです。志半ばで倒れる主人公。しかし、そこで思わぬ奇跡が起こりリベンジのチャンスを得るのです。
自分の命を奪ったモノの正体、そして祖父の言葉の真意、国を守護する最強の魔術師が抱える秘密など、様々な謎を解き明かした先に、主人公は、世界は、どのような結末を迎えるのか?
■この作品のどこが自分に刺さったのか?
作品のプロットです。「どのような物語か」のパートでうまく伝わったか不安でありますが、とにかくいくつもの謎を提示し、その謎に迫り、迫ったと思ったらまた新たな謎に出くわす、その繰り返しでどんどん物語にのめり込んでいきました。
また、シリアスな話かと思いきや、主人公とその周りの掛け合いは時にコメディ要素があったりと起伏に富んでいる点も素晴らしいです。結果、エンターテイメント性の高い作品に仕上がっていると思います。
■どんな人に読んで欲しいか?
『誰が勇者を殺したか』のようなミステリ要素のあるファンタジーが好きな人にオススメです。あちらはストーリーに無駄がほとんど無く、密度の濃さでは敵いません。そこに期待を寄せると少し肩透かしかもしれません。一方、本作は長編なので、じっくり物語を楽しめる点が相対的に魅力となるでしょう。
■ざっくり評価
9.0
■テンプレ要素
無双 3/10
勇者と魔王 5/10
■作品成分
ミステリ 30%
コメディ 20%
成り上がり 20%
異能バトル 30%
■更新頻度
週3-4回
■URL
https://ncode.syosetu.com/n4191ih/
実は次の作品ももう見つかっているので、来週のこの時間にまた投稿しようと思います。ぜひまた読みにきていただけたら幸いです。ちなみに、次の作品はブクマ2桁の王道ファンタジーです。




