【作品紹介024】影武者ワンダフルデイズ
なろうは、プロ作家になりたい書き手さんが日本で最も集まっているサイトです、たぶん。公募で良いところまでは行くのだけど賞を取るには至らないという書き手さんたちも多くいて、そういう方々の作品はどんなに内容が良くても埋もれやすいです。
そもそも前回紹介した『狼と香辛料』で商業的な成功を収めた作者さんの良作でさえ埋もれてしまうわけですから、まだ無名な上になろう攻略のお作法を知らないどころか、公募のお作法そのままの書き手さんが苦戦するのは、太陽が東から昇って西に沈むぐらい当たり前のことだと思うわけです。
今回は、この公募に挑戦されている書き手さんの作品です。公募では小説すばる新人賞2次通過とプロフにはあったので、地力はかなりある方なのかなと思います。
作品の系統としては、過去に紹介した『不遇皇子は天才錬金術師~皇帝なんて柄じゃないので弟妹を可愛がりたい~』に近くて、宮中での政治的な争いに主人公が巻き込まれることでストーリーが展開していきます。
■この作品をどうやって見つけたのか?
今年も埋もれた良作見つけるぞ!と勢い込んで、今年連載開始のブクマ一桁の作品からスコップしているときに見つけました。その時のブクマは6。半月ぐらい寝かせていて、読み始めたときのブクマは9です。評価ポイントは1人が満点を入れたぐらいの本当に埋もれている作品でした。
ただ評価を入れた方は、感想もレビューも書いていらっしゃいます。また旧作にも登場して熱心に応援されていらっしゃいます。作家読みをするファンが1人でも居るという事実はとても重要ですね。読む前から期待が高まります。
■見つけた時のステータスは?
すでに書いた通りブクマ6、評価10です。連載1ヶ月以上経過した状態でそれなので、かなりの埋もれ具合です。過去に紹介した作品だと『忘却魔法の管理人』が同じぐらいの埋もれ方をしていました。今確認したらブクマ150ぐらいまで伸びてますね。良かったです。
ちなみに昨今ハイファン部門を席巻している駄犬さんという方の作品『誰が勇者を殺したか』は、完結するまではブクマ2、評価0でした。このクラスになると内容以前に全く読まれていない状態です。とんでもないお宝が眠っているロマン枠と言えるでしょう。
■何話まで読み進めたのか?
最新話(47話)まで読みました。
■この作品のどこが自分に刺さったのか?
若くして王になったレイと主人公の友情がうまく描かれており、そこがこの作品の魅力だと思っています。追放ざまぁではないですが、レイが主人公の名誉回復のために動くエピソードがあります。このエピソードは二人の友情を象徴する素敵な仕上がりとなっており印象深いものでした。
主人公を取り巻くキャラの描き方もなかなか良いと思います。特に年配の男性キャラがいい味を出しています。近衛兵団副団長コールマン、オッフェランの老臣ライガンあたりが好みです。どちらも主を立てる忠義と信念が言動から滲み出ています。一方、王と主人公の身の回りを世話するメイド3人組は物語にうまく華を添えてくれます。
立ち上がりこそ遅いと感じたものの、レイと仲良くなってからのストーリー展開は先が気になるように描かれていて最新話まですんなり読めました。
■どんな人に読んで欲しいか?
戦闘はほぼなく、内政系が好きな人、宮中ものが好きな人は楽しめるかなと思います。本エッセイを継続して読んでくださっている方に絞ると、紹介の中で名前を挙げた『不遇皇子は天才錬金術師』をブクマしている方はわりと高確率で楽しめるのではないでしょうか。
■ざっくり評価
9.0
■テンプレ要素
なし
■作品成分
ヒューマンドラマ 60%
政治 20%
成り上がり 20%
■更新頻度
毎日更新でしたがストックが切れたようで最新話付近では2日1話のペースです。
■URL
https://ncode.syosetu.com/n3261hz
2月は更新できなかったので、3月はその分更新したいですね。まぁスコップの成果次第ですけれども。