【作品紹介023★】ブリッツ・マジック・スケーリング ~異世界で最も複雑な魔法陣の作り方~
次の更新はいつになるだろうと思いながら、前回の記事を投稿したのですが、まさかその翌日に記事を投稿するとは思いもよりませんでした。それぐらい今回紹介する作品に感動したのです。
この作品は12月から連載を開始したもので、今回も転生転移ジャンルの作品となります。直近4回転載転移モノの紹介だったので、次の更新では現地モノ主人公の作品を取り上げたいと密かに思っていたのですが、何事も予定通りにはいかないものです。
ただし転生転移ジャンルのファンタジーではあるものの、その毛色は非常に変わっております。例えば冒険者ギルドみたいなものはありませんし、魔物も今のところ出てきません。たぶん今後も出てこないでしょう。それでも飛び抜けて面白い作品に仕上がっているのですから恐るべしです。
■この作品をどうやって見つけたのか?
『なろうファンDB』のこだわり検索から、総合ポイント1000未満で11月から連載を開始したファンタジーのみに絞って、物色していて見つけました。私は魔法理論にこだわりのある作品というのが特に好物なのですが、本作はタイトルとあらすじを読む限り、その系統の作品に思えたので、「これは読まないと」との気分になった次第です。
■見つけた時のステータスは?
ブクマ170で評価ポイントは312でした。連載開始約1ヶ月でこの数値ですから、埋もれてはいるもののジャンル別ランキングの中位(100-150位)には何度か顔を出したことがあると思います。特に連載開始直後はそこそこのブクマと評価が入っているのを確認しました。その後継続して順位を上げていけなかったパターンなのかなと思います。
■何話まで読み進めたのか?
最新話まで一気に読みました。
■この作品のどこが自分に刺さったのか?
まずはオリジナリティ。転生転移はなろうでは人気ジャンルの一つであり、それ自体は珍しくないわけですが、本作は転生後の身の振り方がかなり特殊です。
剣と魔法の世界観のようではあるものの、冒険者ギルドは無く、主人公および彼を助けた先輩格の日本人はごく普通の労働者として人生を再スタートしています。
流れで領主とはお近づきになれはするものの、お飾り同然であり主人公の言葉にも関心を示してくれません。そんな超逆境状態から主人公は前世の経験と持ち前の知恵を駆使して成り上がることになります。とても難易度の高い設定を、しかしこの作品はうまく取り込んでユニークで面白いものに仕上げています。
更に、この手の作品にしては珍しく異世界の経済模様にも言及していて、鮮やかにストーリーの中へ組み込んでいる点も目を見張るものがあります。
また、文章や描写も無駄なく緻密であり、ここぞという見せ場をしっかり表現してくれています。タイトルコールのかかる第二章の終盤は鳥肌ものでした。
もはやプロの犯行としか思えなかったので、最新話まで読み終わった後にお名前を調べてみたら、なろう以外で実績をお持ちのプロの方でした。え?代表作ですか?『狼と香辛料』ですね…
前に紹介した『名代辻そば異世界店』もそうだったのですが、なろうはたまに野生のプロが紛れているので侮れません。
■どんな人に読んで欲しいか?
ジャンルに依らず誰にでもお薦め。なろうテンプレ好きな人も、普通のなろうに飽きている人も、誰もが楽しめる作品に仕上がっていると思います。
■ざっくり評価
10
■テンプレ要素
転生転移 1/10
■作品成分
成り上がり 40%
魔法 20%
ヒューマンドラマ 20%
経営 20%
■更新頻度
今のところ毎日
■URL
https://ncode.syosetu.com/n4486hz/
実は満点つけたのは本エッセイで最初に紹介した『ライブ・オブ・アイドル』以来です。




