【作品紹介016】忘却魔法の管理人
なろうには数多の良作が埋もれていると言われています。私が普段スコップしているのは、実はまだまだ上澄みです。
2021年末に総合ランキングを駆け上がった和風ファンタジー『泡沫に神は微睡む』は22万字でありながらブクマはたったの5しかありませんでした。
つまりブクマ1桁台にさえランキングを駆け上がれる実力を秘めた作品が眠ってる可能性があるのです。
そこで今回は普段よりも、より深く掘るために『なろうファンDB』のデータベースを直接操作して、平均評価順で並べた作品リストを取り出し、スコップしてみることにしました。
その中で出会ったのが今回紹介する作品です。
■この作品をどうやって見つけたのか?
平均評価順で並べたリストからブクマ数100以下で絞って探してみました。この作品は、1人が満点評価していたので平均点は5となります。
■見つけた時のステータスは?
ブクマ3、評価ポイント10でした。文字数は97000字ですから、よくぞ連載を続けてくれたと感謝の気持ちさえ芽生えた次第です。
■何話まで読み進めたのか?
ひとまず『古傷の記憶』まで読んで良作であると確信し、そのあと『大魔術師最後の弟子』まで読みました。
■この作品のどこが自分に刺さったのか?
まず忘却魔法というともするとリスクのある魔法を、国が管理する形で人々の生活に定着させ、うまく運用し、それがその国で生きる人たちの人生に大きく関わっている設定というのが良かったです。
その上で、エピソードごとに忘却魔法を通じてドラマが展開されていく様子を見せてくれる点が素敵だと思いました。しかも単に良い話に終わらず、酸味も効かせているところが尚更良かったと思います。
個人的には『忘れたいもの忘れたくないもの』の切なさ、『戦果を生きた大魔術師と退役軍人たちの記憶』の人生の機微を感じさせるほろ苦さが印象深いと思いました。
特に後者は、この作品ならではのストーリーだと思うので、評価するならそこまで読んでから評価することをお勧めしておきます。
■どんな人に読んで欲しいか?
いわゆる『職業もの』ジャンルが好きな人には1話目から刺さりそうだなと思います。
あとは、やはりヒューマンドラマが好きな人でしょうか。ラノベというより文芸作品という印象が強い作風ですね。
たぶんハイファンタジージャンルだったせいで、ブクマが伸びなかったのかなぁと思います。
■ざっくり評価
9
■テンプレ要素
なし
■作品成分
ヒューマンドラマ 70%
職業モノ 30%
■更新頻度
週1更新を目標にしているものの、基本は不定期とのこと。
■URL
https://ncode.syosetu.com/n1490gy/