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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

えた姫の少女

作者: 望月 満

むかし、むかし江戸時代のこと……

豪華な城の横には、見るにも暗く、人を寄せつかない小さな場所がありました。そこには、『えた身分』と呼ばれる差別されていた人々が肩身を狭くして、ひそひそと暮らしています。

…町の人からは、動物の皮を剥ぎ、血を体に染める穢らわしい存在とされていました。また、こういった人たちは、『血』を相手に仕事をしているので、病気がちで、皮膚に豆があり爛れていて、触れるのは愚か、目にしてはいけないとまで言われてきました。


……町の人々は皆、口々にその事を言い、避けているようです。

………その事を分かっているので、彼らはひそひそと人目を避けて生活をしなくてはいけませんでした。

_____________________

ある日のことです。…それは、お月様がまんまるに光っている夜のことでした。お母さんは、苦しそうな顔から安堵に代わり、周りの人からはたいそう驚きの声が響いた時のことでした。

「なんと、可愛らしい子なんだ!」お父さんは目を見開いて喜んでいます。

…その子は、雪のような綺麗な白の肌に、整った顔立ちをしていました。

「我ら、えたにこんな神の祝福が授けられるとは……ありがたや、ありがたやー」村のおばあさんは、満面の笑みで、喜び、手を会わせて感謝します。

__その時の満開の桜といい、の喜ぶように揺れる木々達といい、皆が祝福しているようなのでした。

………その後、大事に、大事に育てられ可愛らしさ溢れる10才にまで成長しました。

_____________________

この頃、よく家の隙間から覗いて町の様子を見ることが日課となっていました。

「ぶーたくん、こっちにおーいで__」

「俺は、ぶーたなんかじゃねぇ‼うぁぁぁわん」

》…

「これしてから、さち子おばさん家まで、遊びに行こう」

「いいねぇ‼さっさと終わらそ‼」

》……

「、みさきが体調悪そう。…大丈夫?」

「ホントだー。…手、貸そっか。立てる?」

》………

町では、いつも元気の多い子たちが遊び回っています。それが気になってしょうがなかったのです。

「あのなかに、入りたいなぁーー」ポツリと呟きましたが、慌ててその口を塞ぐのでした。

(そんなこといけない‼)

ちょっと、前にそんなような事を呟いた時でした。母親にも、父親にも、恐ろしい形相で

「えたはここから出てはいけないんだ。…規則を守らなければ、ばつを受けるよ。…しかも、俺たちにとってそんなに良いところじゃない。大人しくここの子達と遊ぶんだ」


「そうよ、お父さんの言う通りだわ。いい?あなたの行いで、皆がきつく言われて困ってるの」

それは幼い子供の頃でも感じていました。

村の人からは言われたい放題でも、逆らったりしたら、誰も助けてはくれません。

つい最近、汚い服で町を出歩くと、たちまち距離をとられ、向こうの人から話しかけてきたのに、からかわれて、

「えた身分なのか……」と冷たく離されるのです。


…そんなことを肌で理解し、私は両親を、ここの皆のため迷惑にならないようするのでした。



*__そんな日の夜です。欠けた三日月は綺麗に輝いていたそんな日のことでした。

少し生い茂っている林から、ひとり寂しく町を見ていた時のことでした。

「おーい!」

驚いて声の方向を向くと、昼前いじめてきた男の子の一人がいるじゃないですか。

「!___」(いじめられる‼)となぜかよくわかんないけど、かなり慌てて、転んでしまいました。

すると、その上から

「ださぇーー」

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