6.文章の中の色彩
創作論的なお話。文中に自作の引用があります。
真面目なことを言っているけれど、結局のところ「イケメンが書きたいぃぃぃっ」って話。
こんにちは、ふとんねこです。
人類は皆お猫様の奴隷、それを家訓として生きている生き物であります。
今日の思い付きはふとん的創作論の1つである『文章の中の色彩』についてのお話です。
人それぞれ好みの分かれるお話なので、登場人物に詳細な色設定をすることや、細かい容姿の設定に興味なきゃスルーしてくださいね。
さて、上記の通り今回のお話は登場人物に詳細な色設定をすることに関してなんですが……
まず前提として「何でそんな細かいことを大事にしてるの? どうでもいいやん」と言われるかもしれないので、ふとんねこ的スタイルのお話をしますね。
ふとんねこは、作中のキャラすべてに細かい色の設定をしており――これ、同時にキャラの容姿への細かい設定にもなるのですが――小説として投稿する文章にもそれを詳細に書き入れています。
どのくらいかと言いますと……これは引用した方が早い。
よし、本連載の冒頭引っ張ってきます(宣伝になりますが、控えめにガッツリ売り込んでいくスタイル。気になってくださったら是非よろしくです)。
引用元『銀星と黒翼(N7513FG)』
~1話冒頭~
ある月夜。月光にしんしんと静まり返っていた火の枝守の宮城、火枝宮に降り注ぐ月光より静かに、夜闇より暗く美しい青年がやって来た。
淡い月光に青、黒、紫、そして藍色に色を変える美しい瞳は暗く燃えている。艶のある青みを帯びた黒の長髪はポニーテールにされ、飾りの金環が鈍く光っていた。
猫を連想させるしなやかな身体を包むのは黒と紫を基調にした、人の世ではキトンと呼ばれるものに似た動きやすそうな服。腰には細い銀のベルトが締められ、黒い鞘がぶら下がっていた。
その下に白のズボンを履き、膝下で少し膨らむ裾を絞っている。足元は黒革の編み上げサンダルだ。
そしてその背に抱かれた黒い黒い翼。さわりと揺れる漆黒の羽根が触れ合って微かな音を立てる。
手に握った黒い剣には彼が先程声を出す暇も与えず斬り捨てた衛兵の血がべったりと付いていた。
月光の下の夜闇の悪魔の様に美しい青年は作り物じみていて、命の気配であるその赤はとても場違いに映る。
~引用終わり~
どうでしたか? 服装までそこそこに細かく書き込んでいると思うのですが……
この青年、名をシヴァと言いますが、作者のお気に入りキャラであります故、書き込みが他より更に細かくなるんですよね。
普通ここまでやりません。大変ですしおすし。
インターネットに載っかっている趣味小説であり、私は絵が下手くそなので、私の作品には絵がありません。
その代わり、こうして色や容姿を好きに細かく設定することによって、読者の脳内に作者の伝えたい様子を描きたいわけであります。
この容姿やら瞳の色やらが重要になる話でありますので……
細かさ故に読者様が付きにくいので、もしかしたらやらない方がいいのかもしれません。
容姿は、そのキャラクター性によって読者様の想像に任せた方がいいのかもしれません。
けれど、ふとんねこはこれが好きなんです。ふとんねことしての創作は、こうあれと思っているのです。
さて、次はもし上記の内容を読んで「色を付けたいけどどうしたらいいか分からない」とか「容姿設定に悩む!」とかそう言う書き手様に、ふとんねこ流のゆるいアドバイスをば。
キャラの色味は基本的に容姿に結び付きますよね。
色自体は、金髪、黒髪、白い髪、碧眼、茶色の目、とかそう言う風に単純な色の名前で表現できます。
でも異世界ファンタジーとかだと、それだけじゃキャラ付けが難しい、とかもっとカラフルにと思いますよね。
そんな時にふとんねこが使うのが「天然石」です。
キャラの色、特に瞳の色に用いやすいのが「天然石」なのですが、ふとんねこがこれを利用するのは憧れのファンタジー作家である、乾石智子先生の影響をめちゃめちゃ受けているからです。
先生の作品には、沢山の宝石が出てきます(先生は瞳の色に使うだけではないのですが)。
それは「紅玉髄」とか「紅玉」の様に、和名にカタカナのルビを振られており、正直に申し上げて超格好いいのです。
それを自分でもやってみたくて、私は自分の作品――特に息抜き作である乙女ゲー転生――でこれを実践しております。
キャラの瞳に宝石を当て嵌めますと、キャラクターイメージやキャラ付けに大変便利です。
それに心の中の画面が一気に華やかになります。天然石の和名を調べるのも色の勉強になり、とても楽しいですし。
これ、異世界的カラフル頭にも活用できますよ!
ふとんねこの作中に出てくるカラフル頭としては(あんまカラフルじゃないですけど)黒紫水晶で、黒に近い紫の髪を表しています。
様々な色を覚えていくと、だんだん脳内にぼんやりと存在するキャラクターに色を付けやすくなります。
あとは容姿。これはイラストを沢山見て目を肥やし、自分のキャラクターイメージに上手く重なるものを脳内で調合できるようにすることですね!
投げた感すごい。
まあ、色味のお話がメインだったので容姿についてはね、このくらいで。
ふとんねこは美しいものが好きです。美しいものを描き出す文章も好きです。それを自分で書けるなら最高と思うわけです。
以上『文章の中の色彩』のお話でした。
創作の手助けになれたら幸い。なれなくともふとんねこはこう言う手法なのですと書けただけで満足です。
映画から入った『指輪物語』、原作を読んで個人の容姿描写がほぼ皆無で絶望したのも原因。
「レゴラス様に、もっとほら、色々、トールキン先生、書くことあったでしょ?!」と思った昔の日。