灼熱の焔と豪炎の刃
『「…わたしはっお前を許さないっ!!」』
咄嗟に掴んだ椅子でトカゲに殴りかかる。
「椅子程度で怯むかッ!ガキがァァッ!!」
トカゲが強靭な腕で攻撃を払う
直撃したかに思えたわたしの椅子は、すんでのところで弾かれてしまった
「…っいった…!」
同時にわたしの身体も吹き飛ばされ、散らばってる机に受け身も取れずに強打。
(反動で動けない…っ)
右腕の感覚がない…咄嗟に利き腕を庇おうとしたせいか、わたしの右腕は明後日の方向に向いている。
「トカゲなんかにッ!!」
トカゲに吠える。しかし、いくら叫んだところで、わたしの意志に逆らって身体がストッパーを掛ける。
「威勢だけは褒めてやるが、無鉄砲すぎるぜ」
ゆっくりと近寄ってくるテロリスト。
余裕綽々といった表情だ(トカゲだけど)
「コイツの最期になって急に暴れだしたな、ふん。今からコイツの処刑を開始してやろう」
「…っ?!」
(身体が動かない・・・)
トカゲが眼鏡くんの頭を掴む。
アイアンクローをされているにも関わらず、彼が動く様子はない。
このままじゃ、また_______
「なに、一瞬さ」
『「やめっ…」』
一瞬、誰かの声が重なった気がする、けど今はそんなことどうだっていい。
『「お前に!____眼鏡くんは殺させないっ!」』
ガンっバンッと机を払う。右腕は動かない。でもそんなこと気にならないほどに、身体が軽くなった気がして…思わず、飛び込んでしまった。
「ああああああああぁぁぁああっ!!」
_____わたしの攻撃が、トカゲに届いた。
正確には、わたしの『武器』がトカゲの鱗を削いだのだ。
咄嗟の判断でわたしの攻撃から逃れたトカゲ。
その反動で眼鏡くんは投げられてしまったが、特に勢いはなかったから怪我はしてないだろう。
「…き、きっさまぁっ!!どこでその力をっ___」
トカゲに斬りかかったわたしの左手には巨大な『斧』が握られていた。
あまりにも重い凶器に、一瞬顔を顰めるが、すぐにトカゲを睨んだ。
「これだけ暴れてくれたんだから、もちろんある程度の覚悟は━━━━できてるよねッ!!」
巨大な炎を纏い、紅の燐光を放つ双刃が、よりいっそうその炎を強く放つ。焼け焦げてもおかしくない豪炎はわたしの周りを渦巻いて、炎の壁を構築している。
(リーチは槍とさして変わらない。つまり…)
「破壊力をもったわたしに分があるッ!!」
力任せに『斧』で横薙ぎの一閃を放つ。
それに呼応するかのように、灼熱の業火がトカゲを焼き殺さんと波となって襲い掛かる。
「_______なめるなぁッ!!」
トカゲも負けじと叫ぶ。
「『魁龍の逆鱗ッ!!』」
トカゲが床に槍を突き刺すと周囲を取り囲むように渦潮が巻き起こり、トカゲの盾と化した。
業火の波と渦潮の盾が互いを削りあい相殺する。
「負ける訳にはいかないっ!!」
さらに一閃を放ち、波とともに激流に斬り掛かる。
片手で振るにはあまりに重い斧は本来の力の5割とて発揮することができない。
(勢いがたりないならっ重力を味方に付ければいい!)
脚に全力を注いで跳躍する。
そして一気にトカゲの脳天へ________ッ!!!
「ガキに負けてらんねぇんだよぉッ!!」
トカゲは武器の柄を盾に、わたしの斧を塞ごうとかかる。
「このっ________トカゲがぁぁぁっ!!」
振り下ろした片腕に意識を集中させる。
するとどうだろう、わたしの意志につられて斧が燃え盛るではないか。
「…終焉よ。トカゲのおじさん。」
「ぐぅぅっ…おのれぇぇぇッ!!」
槍が焼ける。
同時にトカゲは頭から焼き切られ灰と化した。
青黒と変貌した教室は、もとの無地な学び舎に戻っていった。
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お久しぶりですっHeartです。
今回、アンダーバーと感嘆符をこれでもかっ!!というくらい多用しました。ヤバいです。
現代人の闇を感じます。
次回、眼鏡くんがお目覚めです。
よろしくお願いします ((○| ̄|_