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根本的に

 金髪の美少年、ララの右手にはサーベルが握られている。

 銀髪の美少年、ルルの左手にもサーベルが握られている。



 ““I am glad(いつも一緒)””


 2人はスキルを発動した。

 2人の身体をオレンジ色の光が包む。

 さらにその光はお互いの身体を繋いでいる。

 光は生命力に満ち溢れている。


 ララがアンナに斬りかかる。

 アンナはいつのまにか手にしていた大きいハンマーで弾く。

 するとルルはララに引っ張られるように後ろに下がった。

 光がゴムのように作用しているのだ。


 その勢いのままララはルルよりも後ろへ行くと、光の弾力の力を使って凄まじい速度でアンナに斬りかかる。

 アンナはそれをハンマーでギリギリ防御した。

 サーベルとハンマーから火花が飛び散る。


 するとすぐ後ろからララに引っ張られるようにしてルルが斬りかかってくる、

 今度はルルが弾力の力を使ったのだ。


 アンナの防御は間に合わず腕を斬られる。

 もちろんDPによって守られているため部位欠損は起きていないが。


 しかしアンナはララとルルに挟まれるような立ち位置になってしまった。

 ララとルルはゴムのような光によってつながれている。


 アンナはY字型パチンコの玉のように吹き飛ばされた。


 アンナは乱立していた内の一本の木に背中から叩きつけられる。

 アンナの口から声にならない声が出る。


 アンナはハンマーをを杖のようにして立つ。

 ハンマーを握っている手の爪はネイルによってキラキラとしている。

 そしてなぜか盛髪は崩れていない。


「痛すぎなんですけど!超強くない?」


 アンナは苦笑いしながら言った。


「ごめんね。お姉さん」

「ごめんね」

「でももう終わるから」

「終わるから」


 そういってララはアンナに斬りかかる。


「いやいやいや。それはちょっとなめすぎ!」


 アンナはスキルを発動する。


 "I dont() accept() your() opinion()"


 アンナの手に紫色の光が灯る。

 そしてその手を前に突き出した。


「なんのスキルかはわからないけれどそんなもので僕たちは止められない」


 ララはひるまずに斬りかかる。

 ララのサーベルがアンナの手に触れようとしたときサーベルがはじかれた。

 それこそゴムのように。


 ララは一度後ろに下がる。


「ねえルル今僕のことをスキルで引っ張った?」

「ううん。引っ張ってないよ」

「ということはお姉さんのスキルか」

「そうだね」


 ララとルルはアンナのことを警戒しながらも話し合った。


「今度はうちが!」


 アンナはハンマーを片手に走り出す。

 フードが激しく揺れる。


 アンナがいきなり飛んだ。

 先ほど手に灯っていた紫色の光は靴に移動していた。


 アンナは空中からハンマーを振り下ろす。

 ララとルルは同時に後方へよける。

 地面にひびが入る。


 ララは後方に飛びながら、自分の身体から出ている光を手でつかんで前へ振る。

 ルルはそれに引っ張られるようにアンナへ向かって飛んでいく。


 アンナはスキルの光を手に移動させる。

 今度はルルのサーベルとアンナの手が触れそうになる。

 やはりサーベルは弾かれた。


 ルルは態勢を崩す。

 その隙を逃さまいとアンナはルルに向かってハンマーを振る。


 ルルは寸前のところで後ろに退避した。

 ララがルルの光を引っ張って救出したのだ。


「お姉さんの感情は一体何?僕たちと似ているけれど」

「うーん…まあ教えてもいっか。私の感情は"反発"」

「そうなんだね…。なら僕たちも教えてあげるよ。僕たちの感情は"愉悦"なんだ。僕たちは2人一緒にいるだけで嬉しいんだ」

「うん。嬉しい」


 ララとルルはお互いの顔を見あってニコニコと笑っている。


「それにしても感情スキルは面白いね。根底にある感情は全く違うのに特性が似たようなスキルが発現するなんて」


 アンナは何も答えずにララにハンマーで攻撃をした。


 ララは後ろに飛んで避ける。

 ルルがすかさずアンナに斬りかかる。

 アンナは手を出す。

 それを見たルルは攻撃するのをやめてアンナを通り過ぎた。

 ララがルルに引っ張られて飛んでくる。

 アンナはそれをハンマーで防ぐ。

 今度はルルがララに引っ張られてアンナの背後に迫る。

 アンナは光を背後に移動させた。


「うちのスキルはどこにでも移動できるんだから!」


 ルルの攻撃が弾かれる。

 アンナはルルを無視してララに殴りかかった。


 ララはサーベルで防御する。

 しかしハンマーに紫色の光が灯されていた。

 ララは吹き飛ばされる。


「ララ!」


 ルルが叫んだ。

 ララは空中でスキルを使ってルルを引き寄せようとする。

 しかしそれよりも早くアンナがララに追いつく。


 アンナのスキルは足に移動していた。


 アンナはララを地面にハンマーで叩きつけた。

 ララは身体ごと地面にめり込む。

 DPは既にゼロになっていた。

 そしてトドメを刺すように再びハンマーを振り下ろす。

 ハンマーが地面にめり込む。


「ララ…!」


 ルルは地面に膝をつき、左手は空気をつかむように前に出している。


 アンナがハンマーをあげた。

 ハンマーには叩き潰された土がついていてあたりに一瞬砂埃が舞う。


 そこにララの姿はなかった。


「ああ…。ああ…。ララ…。よくも、よくもララを!」


 ルルの顔は怒りに満ちている。

 スキルは既に消えている。


「ちょっ、ちょっと!これVRだから!死んでないから!」


 アンナは必死にルルの怒りを抑えようとする。


「僕は怒った」


 ルルはアンナの話を聞いていない。

 スキルを発動させる。


 "My anger(僕は絶対に)burns you(許さない)"


 ルルの身体は地獄の底のような炎に包まれる。


「ちょっほんとにいー?これ終わっても現実世界で会えるよね!?会えなかったらうち超悲しいんだけど!」


 アンナの声は虚しく響き渡る。



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