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 セントラ国とオリエン国の間の航路の確保、オリエン国の湾岸設備工事、港からオリエン国王都までの道路工事の3点をツキヨミ商会は請負ました。植林工事の完了でロボットは余りましたから、足場となる湾岸工事から始めます。大型帆船5隻が資材を積んで待機しています。オートマタの監督20人が現場事務所に詰めています。


 大型帆船10隻が常時寄航出来るよう、大規模な港です。荷揚げ機も、何台もあります。造船所も建設します。ここにオリエン国1番の港を作ります。世界でも最大級です。ここは国都に次ぐ十万都市にする積りです。


 大量のセメント、鉄を必要とします。オリエン国全域を調査して、石灰石で出来ている山を発見しました。露天掘りで石灰を採掘、これに粘土、けい石、酸化鉄を細かく混ぜて釜で焼き、クリンカーを作ります。クリンカーに石膏を加えてセメントを作りました。現場までの輸送ルートを確保します。この工場は後にオリエン国立セメント工場になります。


 石炭鉱山を発見しました。早速石炭を蒸し焼きにして、炭素部分だけを残したコークスを大量に作ります。後にオリエン国立石炭鉱山になります。


 鉄の採取出来る鉱山を発見しました。採掘所、選別所、高炉が直ちに作られました。高炉に鉄鉱石とコークスを交互に入れて、炉の下部より熱風を吹き込みます。コークスの燃焼が炭酸ガスを発生させ、鉄鉱石を還元します。炉内の温度は2000度です。出来上がった溶鉄は転炉に移され、溶鉄から炭素、珪素、リンなど不純物を酸素を吹き込み、酸化除去します。

 これは後に国立のオリエン製鉄として、産業の基盤になります。


 工事は立体CADと最先端レーザ光発信器、シールドマシン型原子銃、そして監督の土魔法と錬金術、大量のロボットによって行われます。


 足場は作りません。反重力魔法があります。ロボットにも反重力魔法が組み込まれています。


 仮枠も要りません、空間固定魔法で仮枠とします。空間固定魔法は大気中だけでなく、物質の中まで空間と認識しますので、幅、高さ、勾配、可視化、透明化を設定すれば、魔法発動後、掘削重機で掘削もできます。


  ツキヨミの持つ最先端科学により、物質を通過し、自由自在な曲線や直線を描けて、何時までも消えないレーザ光線を現場に設置しました。立体CADのデータをレーザ発信器にコピーしました。シールドマシン型原子銃はレーザ光線を中心に合わせて進みます。


 最先端レーザ光発信器には、レーザ光線に平面を与えることができます。平面には勾配を指示出来ます。片勾配、両勾配も自由自在です。色分けもできます。路床、下層路盤、上層路盤、舗装仕上面まで色分けで指示できます。丁張りや水糸と違って気を使う必要もありません。どの様な物質も通過出来るので、一旦設置すれば、誰でも工事が出来ます。


 トンネル工事の場合、シールドマシンに似た原子銃を使います。岩石に原子銃を照射することにより、物質を原子レベルまで分解してしまいます。同時に分解された物質は周囲に融合して密度をあげ、強化されます。原子銃に照射された結果、作られた内壁は高密度になり、金属の属性を持ちます。立体CADによって、この辺りの詳細な地形図がつくられます。王都と港を結ぶトンネル図が作られます。


 王都までの道は、現状人間ひとりが通るのが、やっとです。既存の道を拡張する場合は、基本的に岸壁をえぐります。工法はトンネル工事と同じで、原子銃を反重力魔法で固定して、レーザ光の案内に従い岩石に原子銃を照射し、岩盤を原子レベルまで分解してしまいます。同時に分解された物質は周囲に融合して密度をあげ、強化されます。

 所々岸壁より張出を作り、駐車場と宿泊所・食堂・トイレを作ります。舗装は厳冬期でも凍結しない素材で造られます。歩道は張出しの方に設置します。


 工期3ヶ月で40kmの王都からオリエン港までの道路を完成しました。同時にオリエン港からセントラ国王都までの詳細な海図、さらにオリエン港からセントラ国の先生の領主の館までの詳細な海図を渡しました。これも契約に入っています。


 工事の全体像は、巧みな光学迷彩によるカモフラージュのため、人間達は見ていません。炭鉱、製鉄所、セメント工場は、始めから技術を開示する積りでした。ほとんどの素材をオリエン国で、まかないました。また工事関係の全ての人間に、あらかじめ、精神魔法を掛けていたため、余計なトラブルもありませんでした。港の設備は基本的なものだけで、個人の住居などは含まれて居ません。


 オリエン国ツキヨミ商会は、不動産部門を立ち上げます。オリエン港の建築全部を請負ます。社員はすべてオリエン国の人間です。


 オリエン国側でも、王都に次ぐ規模の大きさの湾岸都市を、小さな工務店に任せるわけには、いきません。王宮で湾岸都市の二次工事の打ち合わせが行われています。オリエン国ツキヨミ建設が基本図面を作成します。多くのパース図も作成しています。材木をセントラ国から一括輸入した場合と、現地木材を使用した場合の価格表。伐採後の植林の必要性と価格も書かれています。下水、上水のインフラ工事、病院、官公庁、集合住宅、戸建住宅、全ての価格が書かれています。参考として、セントラ国ツキヨミ商会が全てを請け負った場合の価格も書かれています。これをたたき台にして、入札をします。


 入札は振るいませんでした。応募する業者がいません。現地の工務店が、そこまで育って居ないのです。王宮で問題になったのは、ツキヨミ本社が請け負った場合の、金額の安さです。追求すると、各種材料費、輸入木材と労務費の問題になります。労務費が掛かりすぎるのです。全てに割高になります。工期も長くなります。


 王宮でも考え込んでいます。独自に見積もりを取ってみても、オリエン国ツキヨミ建設よりも割高になります。今回ばかりは、セントラ国ツキヨミ商会に丸投げしたほうが、安いようです。それにメンテナンスの問題もあります。民間の集合住宅、戸建住宅も価格競争になりません。



 



 


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