47
王様の親書は役に立ちます。魔物の暴走の被害で、直径400kmの森が消滅しました。その復興に海外貿易の利益を当てようと考えています。大型船は商品のショールームです。多くの客がツキヨミの商品を見ます。
◎帆船 精密模型+帆船、要相談
◎工芸品 精密機械人形、精密オルゴール、七色に光る宝石、他多数
◎薬品 上級ポーション、特級ポーション、中級ポーション、体力回復剤、消毒剤、解毒剤
◎食料 米、麦、野菜、果実、芋
◎武器類 ミスリルの剣、盾。オリハルコンの剣、盾。アダマンタイトの剣、盾。ヒヒイロカネの剣、盾。武器類は表面に精密な魔方陣が彫刻され、強力な魔法が付加されています。
その他にも多数の注目を引く品物があります。
大型帆船、中型帆船、小型帆船とも、注目を集めました。実物がここにあるので、運送関係者、海軍関係者、観光関係者とも、興味をしめし、帆船の隅々まで調べました。納船は相談です。ツキヨミの思惑は、世界の行き来が多くなれば、誤解も無くなって、平和になると思っています。
武器類は王侯、貴族が争って購入します。並品の武器とは違います。だれも見たことがない、強力な魔法の付加された国宝級の精巧な武器です。美術品といっても良いでしょう。だれが国宝級の武器で戦うものですか。箪笥の肥やしです。
食料はロボットが栽培したものです。価格は市場価格よりだいぶ安い価格に設定しています。大規模農園なので、もっと安く出来ますが、価格破壊で迷惑をかけます。缶詰、瓶詰も保存食として人気が有り、国が一括購入しました。各国に食料が豊富になれば、争いもなくなると、先生の考えです。
薬品は魔法鑑定士が品質を保証したため、国の一括購入となりました。上級ポーション、特級ポーションは、本来地脈の精霊と契約した錬金術師しか作れないのです。ツキヨミの家には、精霊が10人も居ますけど、地脈がありません。いま森の再生に全力投球です。
工芸品は上流階級の女性が、非常に興味を持ちました。高価な物ですが、買えない値段ではありません。美しい人たちがショーケースからはなれません。
大入り満員 売り切れです。商船団は商品補給のため、先生の領地に向かいます。運河を造ったので、領主の館まで直接行けます。帆船も大型帆船2隻、中型4隻、小型10隻の注文を受けました。
外海を全力で走っています。いるか型ロボットから警告です。かもめ型ロボットからも警告です。水中ソーナーからも反応あり。かもめ型ロボットから映像です。魔物です。位置わり出しOK、水深確認、音速魚雷発射、ロケット弾発射、全弾命中、魔物消滅確認。シャンペンで乾杯です。
内海に入り、運河を上流に向かって進みます。懐かしい我が家です。大型船、中型船、小型船、船溜りになっています。水深の深い広大な湖です。荷揚所から輸入したものを検品します。仕分けして積み下ろしの作業に入ります。小麦と米と野菜と芋を積み込みます。缶詰、瓶詰を積み込み、王都に向かって出発です。運河を下ります。
王都の港には、他の国に向かっていた船団が、寄航しています。大型帆船だけで10隻、中型帆船20隻、小型帆船40隻が世界と王都と先生の領主の館の間を飛び回ってます。密かに32基のGPS衛星も打ち上げました。物流が金を動かします。世界経済の中心が王都と先生の領主の館です。いま王都には、世界の品物が集まっています。
雪解けの季節がやって来ました。直径400kmの植林作業が始まります。大量のロボットが休むことなく働きます。植林が終わっても、土木工事、農場の仕事、酪農、鉱山、漁業と幾らでも、ロボットの仕事はあります。何時の間にかオートマタの数も600人になっています。
オートマタは人間と同じです。食欲、性欲、名誉欲すべてあります。働かせるには、雇用契約が必要です。給料を支払う義務があります。先生の領地に貨幣経済を取り入れるつもりです。
先生の領地は、王国一番の農業生産高を上げています。その売り上げの、ほとんどを植林に向けています。魔法を付加した苗木で、3年で森を完成させる積もりです。その後は木材の販売を考えています。ロボットは人間ではありませんが、使い捨てるのでは、余りに可哀想です。
商船はGPSによって定められた航路を進みます。航路上の魔物の出現には、遥か上空を永久的に飛ぶ無人飛行機やイルカ型ロボットやカモメ型ロボットが監視しています。発見しだい、近くの商船が追尾型音速魚雷、ロケット砲、追尾型水空ミサイルにより、殲滅します。ツキヨミ商会の魔物用武器搭載は、国際会議で認められています。帆船の輸出は武器は外します。これも国際会議で決定です。当面航路上の魔獣対策は、商会に一任する事に決定します。
オートマタ800人の最初の給料です。オートマタは今のところ、18歳女性型オートマタだけなので、人間の女友達は良いのですが、人間の男性との恋愛トラブルは困ります。対策としてオートマタの半分を男性にします。精神魔法で自然のうちに人間に自分は恋愛の対象ではないと、認識させることです。良き友人として、生涯付き合いたいと、思わせるのです。オートマタの基盤に恋愛の対象は、オートマタ同士が理想、という条件を弱く付与しました。
オートマタの半分を男性にするためには、十分に説得し、納得してもらいます。いまのオートマタの精神基盤は性別は中性です。これを女性型と男性型にわけます。それぞれの性別にしたがい、体を人間と同じものとします。子孫を残す可能性を考えました。ツキヨミの知識には、ツキヨミの世界の人類の誕生と、はるかな時を越えた人類の遺伝子情報のすべて、子孫を残せるホモンクロスのすべての情報をもっています。結局のところ、オートマタの生む子供は、ツキヨミの世界の人間かホモンクロスになり。機械仕掛けの子供は生むことは出来ません。オートマタの寿命を考えると、何百年も生きるホモンクロスの方が、良いような気がします。女性型オートマタがこの世界の人間と行為を成せば、人間の子をのこします。男性オートマタとこの世界の女性でも、同じです。オートマタの基盤にはツキヨミの持つ遺伝子情報が入っています。その情報は命の形になり、子が生まれます。ただツキヨミの世界の人間とこの世界の人間との間に生まれた人間になります。いずれにしろ、男性型も女性型もかなりの改良をする必要があります。そしてツキヨミは改良をやる積もりです。




