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ツキヨミと先生は、更なる上級ポーションを作製するため、研究に打ち込みます。エリクサーと言われるポーションが巷でうわさになっています。
ツキヨミは齢10歳の小娘です。時空の狭間に飛ばされるとき、突然の突風に流されて、知らない世界に転移しました。17歳相当の美しい美少女が、あわれ10歳相当の平凡な外見の少女に面変わりして、生きるすべを求めて、弟子を募集中だった錬金術師の女師匠を、頼ったのです。
ツキヨミと師匠(先生)は、この世界におけるツキヨミの初めての友人の力を借りて、上級ポーションを完成しました。友人とは地脈の白い川に住む妖精です。
更なる上級ポーション、エリクサーの開発に取り掛かろうとしています。聞くところによると、瀕死の人間すら、助けることが出来るという。
取りあえず、ツキヨミと先生はダンジョンの4階から6階までの、コケ類、茸類、カビ類を採取するつもりです。ダンジョンの下等生物、植物は、面白い特徴を持っています。それとツキヨミや先生が有利な点は、錬金術でポーションを作るには、地脈に流れる、光る川の水が重要だと、最近、ある文に書いてありました。川の水はツキヨミが、毎日汲みに行きます。地脈に住む妖精たちも、師匠の研究員です。
4階の構造は複雑です。ツキヨミと先生は馬にぴったりとくっ付いて、歩きます。先生はツキヨミと馬を信頼しています。他の研究員は、地上の入り口で固まっています。ゴブリンとオークが集団で出ました。ツキヨミは幻影魔法で戦います。敵の数に倍するゴブリンとオークが出て来て、ダンジョンの魔獣を殺します。床には魔獣の死体だらけです。
ドロップしたアイテムがあるそうですが、ツキヨミと先生は気持ち悪いので、さけて通ります。馬が先行して、蹴っ飛ばして除けます。植物があると、採取します。
5階です。キングオークとオーガーが複数出てきます。またツキヨミが、幻影魔法でキングオークとオーガーを5倍ずつ出します。凄い勝負です。さしもの魔獣も5対1では、敵いません。ふたりとも、ドロップアイテムを拾いません、また馬が、邪魔者を蹴っ飛ばします。ツキヨミが洗浄魔法で、床をきれいにします。馬が見張りです。ふたりは、植物採取に夢中です。
6階です。翼竜が出て来ました。ツキヨミは幻影魔法で10倍の翼竜を出しました。凄い戦いです。残酷ですね。でも直ぐに再生するそうです。また清掃魔法です。アイテムなど知りません。植物採取に来たのです。帰りは馬にごっそり植物を載せて、満足気です。研究員が入口まで、迎えに来ました。帰ったら早速分析です。今度こそ、S級ポーションを作ります。
さあ、全員で分析作業です、ツキヨミはひとり、川の水汲み当番です。ダンジョンの植物は、錬金術師にとって、宝の山です。
ツキヨミは先生をじーと見ています。先生に治癒魔法の素質があれば、すぐにS級ポーションが出来ます。素材が揃っても、足りないのです。ツキヨミは先生の魔法の素質を、知ろうとしています。
ツキヨミは先生に提案します「先生、ポーションの素材は揃っています。足りないのは、先生の魔法力です」「ツキヨミ、お前なら、ポーションを完成出来るのか」「出来ます。しかし先生が魔法を、使えるようにならならなければ、本当の完成といえません」ツキヨミの言葉に、先生は「魔法使いでない人間に、魔法が仕えるのか?」といいました。難しい問題です。
研究員の妖精は、みんな心配です。「できるかどうか、確かめた事がないので、わかりません、でも先生ならできそうです」ツキヨミの感です。先生はツキヨミを見ています。「ツキヨミ、あなたが訓練してくれるの?」ツキヨミは頷きます。ツキヨミは個人用亜空間収納庫から、非常用に、持ち歩いているマナ結晶鉱石を取り出します。「これを治療魔術により、先生の体内に、移植します」「同時にゲル状にしたマナ結晶体を、薄く脳の表面に、万遍なく貼り付けます。マナ結晶体は直ちに、脳組織に吸収されます、脳の魔法発動器官に管を通し、体内に移植した結晶体と結びます。また肌に外部マナ素子を、吸収しやすい液体を、満たした風呂に、一定時間入ってもらいます。細胞レベルで活性化が起こり、死ぬまで続きます」
長い説明でした。これで先生も、魔法使いの体になるわけです。後は魔法の訓練です。一瞬ポーションを活性化すればよいだけですから、ほとんどマナを消費しません。結晶体の体内移植も、必要ないかも知れません。でも先生には、治癒魔法を極めて貰いたいのです。
先生は了解しました。先生にはわかっているのです。ツキヨミが、ただの子供でない事を、そして治癒魔法の素晴らしさを。命を懸ける価値があると判断したのです。
ツキヨミは治療魔法を行使します。助手は、脳組織に浸透しやすい薬液によってマナ結晶体をゲル化します。ゲル化したマナ結晶体を極小の亜空間にいれ、脳細胞の上に薄く展開します。亜空間を消滅させます。ゲル状物質が薄く脳に張り付きます。
ツキヨミも迷っています。マナ結晶体を体内に移植する必要があるか、どうかです。このまま、外部マナ素子を、吸収しやすい液体の風呂に、一定時間入ってもらうだけで、ポーション造りぐらいの魔法は発動するのではないか。しかし治癒魔法は使えません、途中でマナ切れがおこり、治癒魔法は中断するでしょう。先生は治癒魔法に、強い憧れを持っています。
マナ結晶体の体内移植手術を決めました。先生の強い要望です。先生の細胞からマナ結晶体を包む袋を作り、管を通して脳の魔法発動部位に、接続します。すべてを治療魔法で行います。先生の細胞が活性化して、ツキヨミのイメージ通り、育ち、成形していきます。袋の中のマナ結晶体だけ、亜空間のなかに入れ、体内の袋と重ね合わせてから、亜空間を消滅させました。魔法手術は終了です。10分とかかっていません。ツキヨミは時間の流れを、操作できます。
先生に対する魔法の特訓が始まりました、幻影魔法で魔法の発動する瞬間を、何度も追体験させます。これは実際ツキヨミが魔法を発動する瞬間の、感覚そのものです。それを先生は感じているのです。
Sランクのポーションが、完成しました。




