表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/63

16

 忍者隊はシステム管理棟に空間転移陣を設置しました。ツキヨミと管理人さんも来ました。みんなで一緒に都市運営システムを乗っ取りました。無人の都市がツキヨミのものになりました。


 都市運営システムの能力を知るため、猿飛佐助にキャンプ場から、街に歩いてもらいました。直ちに警察官が二人出てきて、身分証明書の提示を求めました。佐助は全力で逃げました、脅威的跳躍力で、建物の屋根に飛びます、一瞬で数十人の警察官が屋根の佐助を囲みます。佐助は手をあげて、降参のジェスチャーを示しました。三人の警察官が佐助を後ろ手に拘束しました。そこまで5分とかかっていません、見事です。


 佐助は警察署に連行されました、逃げる機会がありません。常に三人が組になって動きます。警察署での取り調べは丁重ですが、嘘隠し事は通用しません。まるで金田一やコナンが取り調べしているようです。すぐに国選弁護士がきました。留置場で一泊して、裁判場に連れて行かれました。裁判は有罪です、弁護士は優秀な人物でした。不法入国と職務妨害でしたが、初犯のこともあり、難民扱いになりました。すぐに移民局に案内されました。金銭と宿屋を紹介され、女性職員が宿屋に案内します。「今日はいろいろ、ありましたね、明日仕事を探しましょう、職安に朝9時に案内します」


 旅館は快適です。受付に男性一人、女性二人がいます。夕食は付属の食堂でします。


 食堂の料理はおいしく、従業員の態度は暖かいものです。朝9時丁度に女性職員が、迎えに来てくれました。職安まで電車で行きました。駅は活気にあふれています、職安は下車した駅の近くです。みんな親身になって相談にのってくれます。


 紹介された職場は、スーパの店員でした、お客がひっきりなしに来ます。みんなよい人たちで、佐助も、このまま、ここで生涯、就職しようかと真剣にかんがえます。



 ツキヨミは、管理人さんに連絡して、ロボット100体に武器を持たせて、戦闘集団として、街に乗り込ませます、街の境界1㎞のところで、突然街の軍隊が出現、一万人です。空には戦闘ヘリ50機が旋回しています。戦車100台、ミサイルを積んだ車が15台、あわや戦闘開始と思われたとき、ツキヨミはシステムに戦闘終了を命じた。


 戦闘終了の合図とともに、1分もしないうちに、軍隊は消えた。


 勝てるわけがない、モニターの前で、軍隊の撤退の有様を見ていたツキヨミや魔族たち。軍隊が突然湧いて、突然消えた。


 佐助の状況もモニターで逐一見ている。唖然とすることばかりだ。佐助が小市民にかわってしまった。


 これでセキュリティシステムがもっと強固なら、ツキヨミは何の手出しも出来きなかった。いや、もしかしたら、わざっとセキュリティシステムを緩めたのかも知れない。


 人がきた、ツキヨミの前に一礼をする。執事姿です。「市長がお会いしたいとのことです」「全員でよろしいですか」ツキヨミが質問する。「責任者のかた、二人だけです」当然、影丸とツキヨミが出る。「後の方は、喫茶室のほうでお待ちください」女性職員が魔族衆を喫茶室に案内する。


 市長は電子頭脳の依代だった、本体はどこにあるか不明だが、次元を異にした亜空間に存在すると思われる。

 「あなたがたが、どこから来て、どこに行かれる方かは存じませんが、ここに来られたこと、取りあえず歓迎いたします。なにかお知りになりたい事があれば、何なりとお話しください」「ここに人は住んでいますか?」市長は複雑な笑みをうかべて「住んでいません、人の定義によりますが、完全自立型のオートマタも含め一人も住んでいません」


 「あなたは、私が自分の脳で作りあげた、虚像ですね、市長さん」もちろん、ただの虚像ではない、人間の脳の大部分は、普段活動をしてないと言う。その部分に作られた虚像だ、人間は深く思い込むと、末期癌でも自分で治癒させることができる、いま、目の前にいる市長が刃物を持って、ツキヨミに攻撃を仕掛けたら、よけなければ刃物の傷を負う、実在する虚像なのだ、そしてその虚像は、電子頭脳の依代でもある。


 「その通りです、ツキヨミさん」「人が来ないと、この都市は活動できないのですね」ツキヨミの言葉に市長は頷き「この街は、はるか昔、人類がつくりました。街の機能は完璧でした。人はこの街の生活に満足し、やがて滅びました、ひとは恋愛の対象を虚像に求めました。子供が生まれず減る一方でした。何度も警告しましたが、人口は減少し、最後の人間が死んだとき、我々は動きを止めました」「市長さん、我々は時空の狭間で不安定な状態にいます、たぶん、この世界で何年か生活して、また流されるのだと思います。短い間ですが敵対することなく、良い関係で生活できたら助かります」[ツキヨミさん、どこに住むつもりですか、できれば街に住んで頂ければ助かります」市長の哀願するような言葉。ツキヨミ達が来なければ、また死んだ街になる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ