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another me  作者: 弥生ポリゴン
モンテ村編
2/7

mono

 もう一度深呼吸をして、状況をを整理した。

ゲーム買う→飲酒運転の車に轢かれる→よくわからない村に今いる


どうなった?

ワープしちゃった?

それとも俺が寝ていた間に村になってた?

まさかぁ。


そんな思考が頭を巡る。巡る。巡る。

その時

「マコトよ。 起きたか?」

白髭を蓄えた老人が声をかけてきた。

なぜこの老人は自分の名前を知っているのか?

「なぜこの老人は自分の名前を知っているのかと言うような顔をしとるなぁ。」

「そうだよ。 それにおじさん誰だよ。」

「フォッフォッフォ。 ボケるのがわしよりはやいぞ。 この村の村長兼護衛団団長のブルードじゃ。 ってあれ? わしもお主をなぜ知っておるのか分からんぞ。 わしもボケてきたの。」

「いや、その初耳です。」

「わしもお主に言った記憶がないのぅ。」

「で、ここどこですか?」

「ヤマ王国のモンテ村じゃ。」

『ヤマ王国』や『モンテ村』という単語は聞いたことがなかった。

「ふざけてるんですか? ここ日本国の東京都ですよね。」

「『ニホン国』とはなんじゃ? フォッフォッフォ。 おもしろいことを言うのぅ。」

少年は何かを閃いた。

そして質問を続けた。

「今西暦何年?」

「『せいれき』とはなんじゃ? 今はルイ615年じゃよ。」

歴史は得意科目だ。

類人猿の時代から現代までざっと覚えているつもりだ。

だが『ヤマ王国』『モンテ村』『ルイ615年』というのは聞いたことがない。

そして少年はサブカルチャー好きでもあった。

ゲームはもちろん、漫画やアニメや小説にも没頭していた。

それらのことから少年の頭はあるひとつの文章をはじき出した。



俺は異世界に転生した



あり得ない話だ。

なぜ転生した。

異世界なんてあるわけない。

どうせドッキリかなんかだ。

今に『ドッキリ大成功』とかかれた看板を持って誰かが出てくるのかもしれない。

にしてはよく作り込んだドッキリだな。

もしかしてこれは夢か?

頬を叩くと・・・痛い。

やっぱりドッキリか。


そんな考えが少年の頭をよぎる。

だが少年の17年生きた経験と学校のテストでよく当たる勘が言う。



俺は異世界に転生した



少年は少し微笑んでいた。


異世界転生か。

悪くないな。

楽しそうだ。

だが異世界転生モノの小説や漫画なんかではなんやかんやしないと現実に戻れないというのが典型的だ。

なんとかして現実に戻るか・・・

これがもしドッキリでも異世界でもいい。

とにかく家に帰るぞ!


少年は心を決めた。

老人が言った。

「何かを心に決めた顔をしとるな。 よし稽古をつけてやる。 こい。」

少年は老人についていった。


 老人に案内されたのは村外れの岩場だった。

「ここで、稽古をつける。」

「なんの稽古ですか?」

「実はこの国にはある厄災がふりかかろうとしている。 そこで国は各地から戦士を集め厄災から国を防ごうとしている。」

(来た来た。 これはRPGの異世界ですね。 ワクワクしてきたぜ。)

「お主を見るとなぜかその厄災を倒してくれそうな感じがするのじゃ。 そこでお主が立派な戦士となれるようちょっと鍛えてやろうかと思うての。」

「はい。」

「お主、ポテンシャルを知っておるか? お主がどこから来たのか知らんがポテンシャルパワーは万国で知られておるじゃろ。」

「それが・・・知りません。」

「そうか。 じゃあ教えていくの。」


~ポテンシャルの説明~

人にはポテンシャル(潜在能力)が眠っている。

一流の戦士はこのポテンシャルを戦闘に使っている。

ポテンシャルはポテンシャルエネルギーというものに変換され、それを使うことでポテンシャルを『発揮』できる。

ポテンシャルエネルギーはエネルギーであり、物質への干渉が可能である。

ゆえに、ポテンシャルエネルギーで物質を切ったりすることができる。

ポテンシャルをポテンシャルエネルギーに変換するには大変な修行や努力が必要であるが、それを乗り越えれば様々なことができるようになる。

・強化

  身体にポテンシャルエネルギーを流し込んで活性化させることで攻撃力や防御力をあげる。

  慣れた人なら筋力や治癒力もあげることができる。

・自在

  ポテンシャルエネルギーの形状を自在に操る。

  慣れた人ならエネルギーに延性や粘着性を持たせることができる。

・操作

  ポテンシャルエネルギーを生物や物質に流し込むことでその対象を操る。

  慣れた人なら複数人を同時に操ることができる。

・変化

  ポテンシャルエネルギーを火や水や変化させる。

  慣れた人なら武器等の人工物にも変化させることができる。

・特別

  その他色々なことができる。

この5つはポテンシャルの系統である。

人にはそれぞれ得意な系統がある。

『強化』『自在』『操作』『変化』はポテンシャルエネルギーを使えるものであれば誰でも得意系統になりうるが『特別』だけは特別な血筋や状況をもった人のみ使える。(それ以外の人は使うことができない。)


「こんな感じじゃ。 ちなみにわしは強化系統が得意じゃな。」

(なかなかの設定だな。 俺は何が得意なんだ?)

「この葉っぱを持ってみなさい。 ポテンシャルに反応する特別な植物の葉っぱでな。 得意系統が

強化→葉っぱが大きくなる。 自在→葉っぱの形が変わる。 操作→葉っぱにしわが入る。 変化→葉っぱが赤くなる。 特別→葉っぱが枯れる。」

老人が葉っぱを持った。

「まだポテンシャルエネルギーを扱えない初心者の、この葉っぱでの診断には操作系統のポテンシャルが必要でな。 強化系統ほどではないが操作系統もできるんじゃ。 特別系統を除いた4つの系統のどの力も修行を積めば習得できるようになるぞ。」

葉っぱを持った。

すると葉っぱは大きくなった。

「強化系統が得意なようじゃのう。 わしと同じで教えやすいわい。」

「強化か・・・ 強くなれるなら何でもいいや。」

「じゃあ、ポテンシャルをポテンシャルエネルギーに変える修行をするぞ。 ここで挫折したら強化系統も持ち腐れになってしまうぞ。 心してかかれよ。」

「はい。」

こうして少年と老人の修行が始まった。



  

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