表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/102

十八話・BPの使い道1

 マリナの家のベッドに横たわると、今日のことを思い返す。

 やっと迷宮から出られたと思ったら散々な目にあってしまった。

 やっと落ち着いて寝れそうだったのに、胃がムカムカして中々寝付けない。

 暇つぶしにステータス画面を出してみる。




 ______________________________


 名前 :ラファエル

 年齢 :18

 性別 :男

 種族 :天使族

 職業 :見習い天使

 レベル: 8

<ティーファ>

<アイテム>

<スキル>

【GP】76

【BP】108

【HP】57

【MP】15

【SP】26

【筋力】15

【器用】16

【敏捷】20

【頑強】15

【魔力】5

 _____________________________


 迷宮にいる間、BPをステータスに割り振った。

 HPとMPはBP1で数値が15上がった。

 SPは10。

 筋力、器用、頑強は3。

 敏捷が4。

 魔力は5だった。

 実際に上げてみないと数値の上がり幅が分からなかったので、勿体無いけど全てに割り振ってある。

 よりステータスの変化を感じ取るために、敏捷には合計2ポイントを入れた。


 はっきり言ってこの数値の上がり幅はかなり凄い。

 上級職の剣帝の時でさえBP1あたり、HP、SPは平均で10。

 MPで3。

 他の能力値が1から3だった。

 BPの上がり幅とステータスの上がり幅を考えると、この天使見習いっていう職業は上級職の、さらに上のステージの職業とも言える。

 ただ、異常にレベルが上がらない。


 ティーファの方も試そうと思ったんだけど、どうやらティーファはステータスにBPを割り振ることが出来ないらしい。

 その分、俺から魔力を吸うことで成長しているし、問題はなさそうだ。


 残ったBPをいつ、どう割り振るのか。

 迷宮の中でも考えていたけど中々結論が出ない。


 ステータスを実際に上げてみて、走るスピードや、物を持った時の軽さ、剣の扱い、全てが前よりも上回っている。

 明らかに強くなっていると実感できた。

 ステータスに割り振れば今よりもっと強くなれるのは間違いない。


 対してスキルの方はどうか。


【擬似天使化】 レベル2

【流水剣】 レベル9

【共通言語】 レベル9

【共通文字】 レベル9


 この四つが俺が持っているスキルだ。

 流水剣に関してはレベル9だけ習得しているという、変則的で普通ならあり得ない状態だ。


 スキルの効果は絶大だ。

 擬似天使化、ティーファの火魔法、どれも必殺の威力を誇る。

 俺がスキルに一番の可能性を見出しているのは、マシュール街の処刑人の一撃を防いだ時のことだ。

 あの時の感覚は今考えてもおかしかった。

 勝手に体が動いたというか、動き方を知っていたというか、上手く説明できないけど、俺の力で防いだわけじゃないのは確かだ。

 可能性があるとすれば、【流水剣】の力だと思っている。

 あの時の感覚はそれ以降経験していないが、レベル一から取っていけば、その可能性を実証できるんじゃないかと俺は踏んでいる。


 そして俺が取れる武器系スキルがこの五つだ。


【両手剣】

【片手剣】

【飛剣】

【神速剣】

【流水剣】

 片手剣の最上級スキルの一つである【流水剣】

 片手剣の上位スキルの一つである【飛剣】

【飛剣】の上位スキルであり、最上級スキルの【神速剣】


 俺の考えではスキルが習得可能になるには、それなりの努力が必要になってくる。

  【両手剣】のスキルを取れるのは、毎日剣を振ってきたことと無関係ではないということだ。

 あの古びた剣は両手でも片手でも扱える仕様だし。

 実際に補助系スキルに【農業】があるのは、毎日芋掘りをしていたからだろう。


 ただ、例外もあるようだ。

【流水剣】は天界で手に入れたものだし、【飛剣】【神速剣】は擬似天使化した時に持っているスキルだ。

 一度手に入れてさえしまえば、経験してなかろうが、上位スキルだろうが関係なしにBPで習得することができるらしい。

 だから俺は魔法系スキルのほとんどを習得することができる。

 しかも上位スキルから。


 それとゲームの時と同じように、レベルが上がった時に習得できるというのもあり得そうだ。



 後はティーファのスキルにどれだけ割り振るかだな。

 火魔法をもっと強化するもよし。

 オールラウンダーに、他の属性のスキルを取るもよし。

 詠唱短縮とか補助系のスキルを取るもよし。

 結局ティーファの気持ち次第だな。


 取り敢えずBPは40ポイントずつに分けて、それぞれ自分の使いたいようにするっていうのもありだな。

 余りは非常事態用にして。

 俺の目的はティーファを立派に育てるというのが第一だしな。

 よし、今回はそうするか!


 色々考えている間に胃のムカムカも治まっていた。




 翌朝、早速ティーファに話を持ちかけると、「ファッッ!!」と声をあげて頷いた。

 ステータス画面を出してあげると、ティーファは自分のBPを一瞬で使い切った。

 止める間もないくらい、本当に一瞬だった。


 ティーファが取ったのは【召喚魔法】という謎のスキル。

 前に見た時はなかったはずだ。

 このスキルはレベルアップの影響なのかもしれない。


 ティーファよ。

 火魔法の時もそうだったけど、もっと悩みながら少しずつ、っていう気持ちはないのか?

 後からBPを寄越せと言ってもあげないからな。


 俺から流れる不穏な空気を感じ取ってか、ティーファがステップを踏み、アピールを始めた。


「説明を見ろってか?」

「ファッッ!!」


 説明欄を見てみるが、これでクソスキルだったら本気で笑えないことになる。



【召喚魔法】レベル三



 項目に触れる。



【召喚魔法】

 レベル一・ボーンナイト

 レベル二・ペガサス

 レベル三・赤竜



 レベル三で竜か。

 BPが高かった分、それなりのモンスターが召喚できそうだ。

 レベル一のボーンナイトの項目に触れる。



 ボーンナイト3/3

 ・このスキルを使うことで、異界からボーンナイトを召喚することができる。

 ・ボーンナイトは召喚主の指示に従い、行動する。

 ・ボーンナイトはHPが0になるか、召喚主の意思があれば異界に戻る。

 ・ボーンナイトのレベルは召喚主の魔力に依存する。

 ・リキャストタイムは一時間

 ・消費魔力は20



 なるほど。

 HPがなくならない限り、ずっと戦ってくれるっていうわけか。

 少数クランの俺たちにはかなり相性のいいスキルかもしれない。

 さすが、ティーファ!


「疑って悪かった。ごめんな、ティーファ」

「ファッッ!!」


 ティーファは俺の声を聞くと、安堵したように一声あげた。


 赤竜の項目を見てみると、消費魔力が500だった。

 レベル3でこれって、10になったら消費MPってどうなるんだろう?

 というか、レベル3で赤竜だったら、10って神クラスが召喚されるのかもしれない。

 想像しただけで寒気がしてくる。


 ティーファはもう全部使い切ったし、次は俺の番だ。

 ティーファを見習って派手に使いますか!


 自分のステータス画面を開き、指先を伸ばした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ