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最高のハサミ

 時刻は十二時十分、縁談は成立していた。

「……縁談がなんだ」

「そんな事を言っていいのか!」

 金宮が大声を上げる。

「俺はここらへんを締める金宮家の者だ、その金宮と成立させた縁談を無視するなどと言う事をすれば」

 わかるな、とばかりに金宮は笑う。この者も仮面を被っていたのだろう。


「トウヤさん……わたしは大丈夫です」

「いや、安心しろ」

 私はポケットから取り出す。最高のハサミを。

 神のハサミをかかげて私は叫ぶ

「とくとみよ! これは蟹神より貰いし何でも切れる最高のハサミ!」

 金宮が怪訝な顔をして彼女の顔が明るくなる

「今、私はこれで縁談を、約束を切り裂いてやろうぞ!」

 私は蟹鋏を開く

「蟹鋏よ! 彼女と金宮との縁談を切り裂きたまえ!」

 カチン、とハサミが閉じた。その瞬間、彼女と金宮の携帯が鳴り響いた。


 二人はそれぞれ電話に出る。彼女の顔が笑顔に変わり金宮の顔が暗くなる。

 彼女か私の元に来て金宮が車に乗った。

 金宮の車が出発したのを見て彼女は私に言った

「トウヤさん! 何故か縁談が無くなりました!」

「それは、大丈夫なのか?」

「はい! 向こうの、金宮家の都合らしいです!」

「それは……よかった」

 さて、と私は心の中で深呼吸

「聞いて欲しい、私は君の事が」

「駄目です」

 彼女の手が私の口を塞ぐ

「こんな時ぐらい仮面を外して下さい」


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