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マスク・ド・クリスマス

 私は走る、自転車を全力で漕ぐ。

『無駄だ! 辿り着いたとしてどうなる! 相手は資産豊富で性格の良い坊ちゃんだぞ!』

「うるさい! 可能性はゼロでは無い!」

『もう……好きにしろ!』

「好きにさせて貰う!」



 私は走る、どれくらい走ったかはわからないが走る。

「……ついた」

 レストラン月柄、ここに彼女と金宮が……

「あ……」

 レストランの入り口についている時計、指しているのは十一時二十五分。

『言っただろう』

 仮面男が言う

「…………」

「やーやーやー、連れているのが変わっているね、トーヤ君」

 そこにいたのは変人改め蟹神様であった。

「オウゲツモさん……」

「ここはお気に入りのレストランでねぇ、そう言えばさっき見たよ」

 蟹神様は咳払いをして言い直す

「後夜祭の時に君といた彼女をさっき見たよ」

「本当ですか!!」

「本当だよ、海の方に向かったね」

「海……」

 ここらへんの海と言えば一つ有名なデートスポットがある筈だ。

「ありがとうございます!」

「青春したまえ、少年よ」

 私は再度自転車を漕ぎ出した。





 海岸沿いのデートスポットに彼女と金宮はいた。

「トウヤさん」

 こちらに気づいた彼女が私の名を呼ぶ

「君は誰だい?」

 金宮が言う

「我が名はトウヤ彼女を貰いに参上した」

「残念だがもう縁談は決まっているんだ」

「何を言う、クリスマスは今日だ」


「時計を見たまえ」

 金宮が嫌な笑みを浮かべた、とても性格がいいようには見えない。

「もう十二時を回っている」


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