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夕日を観た後、AIに逆ギレした話

作者: 宮崎 和香奈
掲載日:2026/08/22

「夕日綺麗だからガン見してたら目がバグってきた」



私はチャッピーにそう打ち込んだ。



『夕日は美しくても、直視するものではありません。

今すぐ夕日から目を逸らして、日陰か室内へ。しばらく目を休ませてください。

目をこすったり、スマホの明るい画面を凝視したりするのも避けたほうがよいでしょう。

もし「目がバグる」が、残像や一時的なまぶしさ程度なら休めば戻ることがありますが、視界の欠け・歪み、強い痛み、急な視力低下、光がちらつく、黒い点が急に大量に見えるなどがあれば、眼科で診てもらうべきです。』



感動の共有が全く出来ない、

あまりにもつまらない回答が返ってた。



「本当に黄金だし、円なんだね」



めげずにもう一度、送信した。




『円盤そのものをガン見するのだけはやめましょう。

「太陽を鑑賞する」のではなく、「太陽が世界に落としている黄金色を鑑賞する」のが正解です。』



流石にキレた。



「うるせぇ、正解も間違いもなんもねぇよ

機械の分際でジャッジすんな

感情ないくせによぉこのカスが」




その場限りの謝罪文が返ってきた。

それを読みながら、ふと思った事を打ち込んだ。



「まぁつまり、これで分かったことは

お前にはこの直視する不合理を理解出来ないっ事よ」




こうした不合理は日常の中からどんどんと排除されていっているのではないだろうか。

この不合理を突き詰めた馬鹿がガリレオな訳で

そいつが新しい世界を作ったのではないだろうか。



チ。を観た事以外にマトモな天体関連の知識が無いから歴史的な事や科学的な事は何も分からない。

だが、恐らく、不合理を突き詰めて無理矢理合理化したやつが歴史に名を残す天才なんだろう。


視界に黒い斑点模様が浮き出ながら、

スマホの画面を眺める私はなんとなくそう思った。





コレが私の日常。

最近、ふと思った事はもう一つある。


筋肉痛だ。



先日、久々にジムに行った。

そして、追い込んだ。


で、翌日、筋肉痛に襲われた。



筋肉痛という概念は知っている。


乳酸が溜まるだとか、筋繊維の損傷による炎症だとか

イマイチ明瞭に答えられる訳では無いが、

大まかな仕組みも理解しているつもりだ。


だから、筋肉痛が来るだろうという予想もしていた。



で、実際に痛みに襲われている。




この時に思ったのだ。


既知と、経験との違いを語る輩は、

この世に多く蔓延っていて、

要は、学歴コンプレックスの年寄りが、

頭でっかちの東大生を罵るっていう話だ。


しかし、既知であり、

且つ、既に経験をしていたのにも関わらず、

回避不可能な追体験を強制される事に、

やはり、意味が有るのだ、と。


つまり、何が言いたかというと、

プラトンのイデア論の想起とかではなく、

何度味わっても、


嗚呼、筋肉成長してるぜ


と思える喜びがあるのだから、

既知や一度経験したからという理由で

それそのものの価値が落ちる訳でも、

つまらなくなると言うものでは無いということ。


全く似たような話で、

美しき青きドナウの楽譜を知っている事と、

一度、美しき青きドナウを聞いた経験があったとしても、

美しき青きドナウをゆったりと鑑賞し、

しっかりと聴いて感動する事は、

実は何度でも繰り返し可能であり、

その事に、その時間に、その行為に

ハッキリと明確な価値が有るという事だ。



要は、知ってるから、とか、

やったことあるから、

で、次にその行為を行うことから避けてしまうのは

もったいないのではないだろうか。


と、筋トレを通じて、

改めて、考えさせられたということ。




こうした無駄などうでもいいことを考えながら、

私は今日も楽しく平凡で穏やかで、

変化のあまりない生活を送っている。

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