秘密のプラモデル(元未公開)
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
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無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル:(仮)秘密のプラモデル
▼登場人物
●押富照子:女性。35歳。バツイチの主婦。
●押富孝明:男児。10歳。小学5年生。プラモデル作りが趣味。父を敬愛していた。
●押富義弘:男性。37歳。照子の元夫。医者。セリフなし。
▼場所設定
●押富家:一般的な戸建てのイメージで。孝明の部屋は2階で押し入れあり。
●街中:学校など一般的なイメージでOKです。
NAは押富照子でよろしくお願い致します。
(イントロ+メインシナリオ+解説:ト書き・記号含む=2785字)
イントロ〜
皆さんこんにちは。
皆さんは子供の頃、プラモデルなんかを作って遊んだりしましたか?
最近でもプラモデルや超合金は子供にかなりの人気で、
お店に行けば必ずと言って良いほど目につきますよね。
今回はそんなプラモデル好きな
ある男の子にまつわる意味怖エピソード。
メインシナリオ〜
私の名前は押富照子。
今年35歳になる専業主婦だ。
まぁ専業主婦といっても私はバツイチ。
数年前に夫と別れてからは
一人息子の孝明を1人で育て、
女手ひとつで生活の切り盛りをしてきた。
まぁ別れたのは親の勝手だし、この子には何の罪もない。
だからこそこの子だけは絶対幸せにしようと私は毎日努力して、
基本は専業主婦だがパートに出かけ、日中はできる限りで働いている。
孝明は今年小学校5年生。
これから明るい未来があり、
この子はこの子なりの人生を歩んでいく。
その未来を紡ぐ為に今は生活の土台をしっかり拵え、
2人の生活を私は守って行かなきゃならないのだ。
ト書き〈部屋でプラモデルを作ってる〉
今日も孝明はいつも通り、部屋でプラモデルを作っている。
孝明が今1番凝っているのはプラモデル作りなのだ。
照子「孝明〜、ご飯できたわよ〜♪降りてらっしゃい」
孝明「はぁ〜い」
孝明は昔から親の言う事にをよく聞く素直な子。
別れた夫が医者だったのもあり、
孝明もほんの幼少の頃からそんな父親の姿に魅せられて、
将来は…
孝明「僕もお父さんみたいに人を助ける人になりたい♪」
なんてずっと言っていた。
多分その影響が今でも続いているのだ。
プラモデルを人間に見立てて、その命を作っていく。
もちろんプラモデルだから命はないのだが
その形だけ見て人間だと思い込み、それを作り上げる事で、
自分も何かを存在させた…なんて思い込む上、
その模型がまるで生きているように錯覚していたのだろう。
(ご飯食べながら)
照子「今日も良いの出来た?」
孝明「うん♪今作ってたのはメカゾイドでさ、かなり部品が多いからもうちょっと掛かりそうだよ♪」
照子「そう、大変ね♪でもちゃんと勉強もしなさいよ」
孝明「はぁ〜い」
時々、孝明の部屋に行くと、
そのプラモデル作りに使っていたのか。
暗号を書いたようなメモが
そこかしこに散らばっている事もある。
多分部品の番号と、それを組み立てる手順でも
自分なりに書いていたのだろうか。
掃除の為に部屋を全部きれいにしたいのだが、
あの子が大事にしているものかもしれないと思い、
そんなメモ用紙を見つけても
私はそっと横によけたりしてそのままにしておいた。
ト書き〈メモ〉
そんなある日、孝明が…
孝明「お母さん、今作ってるヤツすごいヤツだから、それ作り上げたら絶対見せてあげるね♪あ〜なんて言うんだったっけ…そう、サプライズだよ!サプライズプレゼントそのうち見せてあげるからさ、楽しみに待っててね♪」
そんな事を言ってきた。
私を喜ばせようとしてくれたのか。
照子「ホントに〜?うん分かったわ♪母さん、楽しみにしてるから♪」
とりあえずそう言っておき、
孝明のいつになく楽しそうな笑顔を見て私も幸せだった。
「サプライズプレゼント、何だろう?」
その日から孝明は何かやたらと張り切って
またプラモデル作りに没頭していたのだろうか。
部屋にこもったきり、出て来ない日も多かった。
新しいプラモデルを貯めていたお小遣いで買ってきたのかもしれず、
その辺りの事は私は何にも知らなかったから、
とにかくあの子がそれを見せてくれる日まで待つ事にした。
また部屋に行くと番号を書いたメモが沢山散らばっている。
でもそんなメモを見ている内に、
何となくふと奇妙なものを感じ始める。
本当にこれ、プラモデル作りに使ってるんだろうか?
そんな疑問がふと沸いたのだ。
ト書き〈オチ〉
孝明「じゃあ行ってきま〜す」
孝明はいつも通り学校へ行く。
最近はここら界隈もちょっと物騒だからと
何かあった時用に携帯電話を持たせていた。
私は今日は仕事が休みだったのでずっと家にいる。
そして孝明がまだ学校にいる時、
その孝明から私の携帯に電話がかかってきた。
孝明「あ、お母さん?あのね、サプライズプレゼントもう用意してあるんだ♪僕の部屋の机の上に暗号を書いたメモあるから、それ解読してみて♪もし解読できたら、そのプレゼントに辿り着けるよ」
何だろうと思い孝明の部屋に行くと、
孝明が言ってた通り、机の上に1枚のメモが置かれていた。
(メモの内容)
5 S2 2 R4 N5 N1 K1
Y5 K3 M5 W1 K1 R4 Y1 G1 T3 T4
B5 K3 H1 T2 T2 T5 GY1 K3 N2 2 K2 R3
今日のメモはいつもと違い、こんな風にかなり長く、
いつも以上に訳が解らなかった。
でもせっかくの息子のプレゼントだからと、
私は親バカ根性を働かせ、それを精一杯解読しようと試みた。
そして何となくその意味が解りかけた時、身震いした。
そして部屋に上がってくるとき薄々感じていたこの生臭い匂い…
それも相まって、息子の気持ちが今はっきり分かった…
そんな気持ちになってしまった。
押し入れを開けて見ると、
そこには犬や猫の死骸が無数に散らばっていた。
それも全て手足がバラバラにされた状態で。
解説〜
暗号の意味が解った方にはピンときた事でしょう。
5 S2 2 R4 N5 N1 K1
Y5 K3 M5 W1 K1 R4 Y1 G1 T3 T4
B5 K3 H1 T2 T2 T5 GY1 K3 N2 2 K2 R3
これは五十音をもじったものでした。
「あいうえお」はそのまま1から5の数字で。
そしてSやKの文字は五十音のイニシャルを表しています。
つまり「S」は「さ行」で、
「S2」となればサ行の2番目の文字「し」を意味します。
これに習って解読してみると…
おしいれのなか
よくもわかれやがって
ぼくは ちちと ぎゃくにいきる
と成る事が解るでしょう。
押し入れの中に言ってたサプライズプレゼントがあり、
そのプレゼントを贈る理由がメモの後半に記されていました。
サプライズプレゼントは文字通り、手足がバラバラにされた犬や猫の死骸です。
つまり孝明は、自分の愛していた父親と別れた母を
実は心から憎み続けており、それを行動で示した訳です。
孝明の父親は医者でした。
その父親を失った事で孝明の心や愛が曲がってしまい、
「自分は父と逆の生き方をする」
と訴えていました。
つまり命を助ける医者とは逆に、
その命を殺す道を自分は選んだと言う事。
しかしこの心情には孝明も気づいてない心理が隠されています。
それは母親に捨てられたくないと言う気持ち。
父は医者だった、だから捨てられた…
子供ながらの単純な思い込みでそのように解釈し、
それなら自分は逆の道を選べば母に捨てられず認められるだろう。
つまり交錯した2つの思いが
1つの行動になって現れたのです。
離婚というのは幼い子供の人生を曲げてしまうもの。
殺人鬼になる人達がその手始めに、
人間の代わりに犬や猫を殺すという話もよく聞くものです。
今後の孝明の人生を思えば何としても今の内に
軌道修正しなきゃならない気持ちも湧いて来るものですが、
果たしてそう簡単に行くでしょうか。
この辺りの意味にまでもし照子が気づいていたなら、
きっとその衝撃は想像を絶するほど大きなものだったでしょうね。
(※)これまでにアップしてきた作品の内から私的コレクションを再アップ!
お時間があるとき、気が向いたときにお読みください^^
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬




